序章

Eジャーナル: 障害と能力
eJournalUSA: Disability & Ability

eJournalUSA
  • 国務省国際情報局が発行する月刊刊行物(英語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語版を発行)
  • 経済、国際問題、民主制度、外交政策、社会と価値観の5つの各テーマ別にジャーナルを発行。
  • 必ずしもアメリカ政府の考えを反映するものではない。
  • 過去のジャーナルはeJournalUSA から入手できる。
Society & Values (社会と価値観)
  • EジャーナルUSAが扱う5つのテーマの一つ。(他に、経済、国際問題、民主制度、外交政策についてのテーマでジャーナルを発行。)
  • Disability&Ability”(障害と能力)は、今回第11号のサブタイトル
発行元
  • Department of State: 国務省
  • Bureau of International Information Program: 国際情報局
Disability&Ability(障害と能力)

今号について
About This Issue

障害が日常生活にもたらす影響というのは、目が見えないことや歩行が出来ないことのように一見して明らかなものだけではない。障害があることで、満足に教育が受けられなかったり、就職できなかったり、その他の社会参加を制限されたりと、間接的な影響があることを理解するのも必要である。こういった障害のもたらす間接的影響に着目し、アメリカでは支援プログラムや、人々を保護する法律が考案され、開発されてきた。

これらについて調査を進めるにつれ、われわれは、アメリカのいたるところにADA法の成立のために尽力した人々がいることを知った。これは、社会の問題に対し、単に不満に思うのとは対照的に、社会を改善しようと、ADA法成立に向けて、前向きに協力し、努力してきたことを証明している。

大統領をはじめ、行政、医療、ビジネス、研究等、数え切れない分野で、たくさんの人々がこの法律の制定のため貢献してきたが、これは、全ての人々が、出来ることと出来ないことを両方持っているという文化的価値観への支持の表れといっても過言ではないだろう。
サポートによって、人々は重度の障害さえ克服し、能力を最大限に発揮し、生産的で満足できる生活を送ることができる。これは、障害者である当事者以外にも色々な意味で社会への恩恵をもたらす。

このジャーナルでは、障害についての法律や、障害を能力に変えるための工夫、テクノロジー、医療研究プログラム等、障害者の自立支援に向けた様々な取り組みについて紹介する。また、記事に取り上げる様々な人々やグループの活動から、才能というのは日常生活のごく当たり前のところに眠っていることに気づく読者も多いはずだ。また、障害をもつ人々の可能性を切り開き、また彼らの障壁を除去する作業は進行中であるため、現在抱えている問題点とそれを解決していこうとする取り組みについても触れていく。

もともとはアメリカに住む人々のためだけに開発された、職探しのコツ等の各種支援プログラムについても、ADA法制定に伴う幅広い出来事を説明するために役立つと考え、当ジャーナルでは取り上げることにした。また、これらのサンプルは、アメリカ以外の地域で、同様のプログラムの開発に役立つのではないかと考えている。

当ジャーナルを作成するにあたり、世界中の沢山の人々、組織、政府機関による障害者への重要な取り組みについての報告を受けた。アメリカでのこれらの支援プログラムの情報が、世界中で役立つものであることを祈っている。

ADA法制定16周年記念式典での大統領宣言
Presidential Proclamation on the 16th Anniversary of the Americans with Disabilities Act

ジョージ W, ブッシュ大統領
President George W. Bush

P4

ADA法は、障害を持つ人々の生活保障に大きな役割を果たしてきた。この歴史的法律の制定記念日は、同法の16年間のあゆみと障害者のわが国への貢献を称賛する上で大切な日である。1990年1月26日に、ジョージ H. W. ブッシュ元大統領がこの法律に調印したとき、彼はこの法律を、「アメリカ人であることの恩恵は、他者の権利を保障することによって得られる。従って、この法律は障害者だけでなく、アメリカ国民全員にとって画期的で革新的なものだ。」と話した。ADA法による広範囲に及ぶ改革は、アメリカ社会に完全参加するために毎日並々ならぬ困難を克服しなくてはならない何百万というアメリカ人の生活の質を向上するために重要な役割を果たしてきた。

私も、New Freedom Initiative(新自由政策)を通じて、ADA法の前進に取り組んできた。私達は、オンライン上で政府による障害者関連の情報や資料へのアクセスを可能にするため、DisabilityInfo.govを作成した。また、Ticket to Workプログラムや、ワンストップキャリアセンターを通じて職業トレーニング、紹介等に努め、障害者の就労機会を増やすために尽力してきた。私達はまた、障害をもつ子供達が教室、家庭、地域等で成功するために必要な道具を提供し、教育機会の拡大にも取り組んできた。さらに私達はテクノロジーの進歩を支援すると同時に、障害者の生活を支え、彼らの一層の自立を促すため、援助テクノロジーの普及にもつとめてきた。私の任期中、今後もアメリカの障害者が彼らの能力を最大限に発揮できるよう、彼らやその家族の障壁の除去に努力していく。

今日、ADA法記念日に、全ての国民が民主主義社会に参加できるような国づくりに取り組んでいくことを強調したい。私達は、より親切で希望に満ちた社会を願っている。思いやりのある国民として前進し続けよう。私は、障害者が社会において沢山の貢献をし、またADA法に則って、全国民が尊厳を持ち、生産的に、夢を達成できるような社会の実現に励むことをアメリカ全国民に求める。

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