概要紹介

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)は、障害者対策が充実した大学として日本でも知られている。「アメリカ障害者法(ADA)」および「リハビリテーション法」の規定を遵守して、学生だけでなくスタッフや研究者、教官として働いている障害者の便宜、自立を図るため、ウェブサイト("UCLA Disability Access Web", http://www.ucla.edu/access/)を通じてさまざまなサービスを提供している。そのなかで障害者が使いやすいコンピュータ技術および情報へのアクセスの分野を担当しているのが「障害とコンピュータプログラム(DCP)」である。

DCPウェブサイトの主な構成は、組織の目的および活動(B)、DCPが学内で提供しているサービスの内容(C)、関連リソース集からなっている。DCPホームぺージ(A)、組織の目的および活動(B)、サービスの内容(C)については全訳を掲載しているが、関連リソース集については、学内障害適応技術援助(D)、ウェブへのアクセシビリティと障害対応テクノロジーを研究開発している団体、ハードウェア、ソフトウェアのメーカーなどの簡潔なコメントつきリンク集(E)のみ翻訳している。

障害のある学生や教官、スタッフが必要とするコンピュータ環境はさまざまであるが、技術的な問題だけでなく、コンサルティング、機器を利用する研究室などの環境整備、ウェブサイトのアクセシビリティ問題などへの積極的な取り組みは、具体的で多岐にわたっている。それらの成果が、「CSUN (カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)テクノロジーと障害者国際会議」に結実していると言えるだろう。本年も3月20日から25日まで開催された。(http://www.csun.edu/cod/

このサイトの第1回更新(2000年6月30日)に際して、CSUN会議でDCPが発表した音声認識ソフトに関する研究報告を追加翻訳(F)し、毎週更新されているトップページも差し替えた。

特記事項と感想

この翻訳ページでは、コンピュータの利用とウェブサイトへのアクセシビリティのみ紹介しているが、UCLAの障害者対策は多岐にわたっている。たとえば聴覚障害者の場合、手話通訳や講義ノートの代筆、字幕機器などのサービスが受けられる。また移動が困難な障害学生のためにはキャンパス内だけでなく通学時の移動サービスがあるなど、すべての学生が同じ教育を受けられるようにさまざまなサービスが提供されていることも付け加えておきたい。サービスを受けたい学生は障害の内容を登録申請するだけでよく、しかもすべて無料である。

なお、翻訳の内容は、2000年6月30日現在の原サイトに基づいている。

訳者:西村 薫

A. DCPホームページ

障害適応テクノロジー週間ニュース(6月26日〜7月2日)

ポータルの怪物に注意!

初公開、ジョーズとドラゴンを同時にご覧いただけます。DCPのスタッフが音声入力(Dragon NaturallySpeaking)とスクリーンリーダー技術(Windows版JAWS)を使った画期的なデモンストレーションを行います。綱を解き放たれたコンピュータアクセス、音声によるシステムコントロール、そして音声入出力を同時に行う技術をお見せします。7月20日午後1時から3時、数学科学アネックス5階のビジュアライゼーション・ポータルにて開催。

ジョージ W.ブッシュ候補、障害と障害適応テクノロジーについて語る見出し

ビジネスウィーク誌のジョン・ウィリアムズ(John Williams)は、ジョージ W.ブッシユ (George W. Bush)大統領候補に、彼が新たに発表した障害者のためのフリーダム・イニシアティブについてインタビューしました。この提案には他の対策と共に、障害支援技術研究に対する補助金の支給や、障害適応技術機器の購入に際しての税額控除が含まれています。ビジネスウィーク誌のホームページから「今日の出来事(Daily Briefing)」を選択し、障害支援技術(Assistive Technology)」を検索するとふたつの記事が掲載されています。(2000年1月からゴア候補のインタビューも掲載中)RealAudioを使って、全インタービューのビデオも見られます。

音声認識ソフト新製品発売、使い勝手はどうか?

先ごろ、Lernout & Hauspie(ラーンアウト・アンド・ハウスパイ)から音声認識ソフトVoiceXpressの最新バージョンが発売されました。新バージョン5.0は、音声認識技術にさらに改良を加え、L&H Xpress Cafeと呼ばれるより完全なテュートリアルが含まれています。音声認識中に発する「あー」「うーん」などの声を無視する、NBS(スピーチ以外の無意味なもの)と呼ばれる機能もついています。

アクセシビリティに関する共同研究: UCLAでのアクセシブルなウェブサイト作成のための実践的知識(パトリック・ブルケ:Patrick Burke)

ウェブの利用がキャンパス内のあらゆる場面に浸透するにつれて、アクセシビリティは欠くことのできないものになっています。この研究論文は、UCLAがどのようにアクセシビリティを推進してきたかに焦点を当てています。

音声認識技術の選択と利用: ケビン・プライス(Kevin Price)、テリー・トンプソン(Terry Thompson)

ニーズに合った音声認識ソフトを選択することは骨の折れる仕事です。この論文は音声認識ソフトを比較検証し、ソフト製品の購入決定に役立つ情報を提供します。

UCLA障害とコンピュータプログラムへようこそ!

コンピュータソフトウェアやハードウェア、電子情報にアクセスすることは、障害のある人々が教育を受けたり職業に就くために必要不可欠なことです。UCLAでは、障害に適応したコンピューティングおよび情報アクセスの任務を、大学コンピュータ施設と、情報提供者、諸部門が担っています。障害のある学生や教職員にコンピュータサービスを提供するため、「UCLA障害とコンピュータプログラム」は、「障害に関する学長諮問委員会」、「ADA/504法令遵守委員会」、「障害学生担当事務局(OSD)」、「UCLA図書館」そして「大学技術サービス」など、学内の主要なパートナーと密に協力し合っています。

DCPはウェブのアクセシビリティと使いやすさに努めています。(ウェブアクセシビリティのリソースについては翻訳項目(E)参照)

UCLAでは、現在下記のサービスを提供しています。

  • 障害適応テクノロジーと情報アクセス
  • コンサルティング
  • 教材の代替フォーマット
  • ウェブアクセシビリティの評価
  • 障害適応テクノロジー購入アドバイス

B. DCPとは

1. 情報テクノロジーと「障害とコンピュータプログラム(DCP)」

教育を受けたり職業に就くためには、ソフトウェアや情報に等しくアクセスできることが必要不可欠です。アメリカ障害者法(ADA)および1973年のリハビリテーション法504条に基づき、障害のある学生や教職員が、学内コンピュータ網や情報リソースに簡単にアクセスでき十分に活用できることが大学の重要な責務と考えています。

UCLAでは、コンピュータおよび情報アクセシビリティの任務を、学内コンピュータ施設、情報提供者、諸部門が担っています。これらのアクセス関連部署を中心となって取りまとめる機関の必要性から、1987年、恒久的な全大学的プログラムとして、「障害とコンピュータプログラム(DCP)」が開始されました。DCPは、UCLAの大学コンピュータ事務局(OAC)を基礎としています。

コンピュータおよび情報アクセシビリティには、学内の多くのサービス提供者と継続した調整が必要です。DCPは下記の主要なパートナーと常に協力しています。

  • 障害に関する学長諮問委員会
  • ADAおよび504法令遵守事務局
  • 障害学生担当事務局(OSD)
  • 医療センター付属リハビリテーションセンター
  • 学内および医療センター人事部
  • UCLA図書館
  • 大学コンピュータ事務局(OAC)

2. DCPの使命

UCLA大学コンピュータ事務局に所属するDCPの使命は二つあります。第一は、UCLAにおいて、障害に対応したコンピュータ技術と、講義、学問研究および雇用との統合を促進することです。第ニは、印刷文書、電子文書、マルチメディアを含む情報を、すべての学生、教官そしてスタッフにとってアクセス可能なものにすることです。

3. DCPの責務

DCPは、学生や教官、そしてスタッフのために努力しています。そのことがDCPの領域を広げ、さらなる機会を与えています。学内だけでなく、情報アクセスおよび障害に対応したテクノロジーについて、高等教育学界や大学周辺の地域社会への助言も行っています。

4. 研究開発

その使命を果たすため、DCPのスタッフは研究開発プロジェクトにかなりの時間を費やしています。音声認識から国際的なウェブアクセシビリティ・イニシアティブに及ぶ、新たな技術開発を絶え間なく追い続けることや、新技術の紹介、ニーズの変化や進化する技術を取り入れた新しいサービスを開発し展開することなどが含まれます。これらの研究開発プロジェクトは、DCPが障害者の皆さんにさまざまなサービスや、常に最も効果的な最新技術情報を提供するために直接生かされています。

5. 後援者

DCPは、われわれの活動を支援していただく後援者に恵まれています。惜しみない寄付により、過去数年にわたり重要なテクノロジー機器を購入することができました。

C. サービスの内容

1. 障害適応テクノロジーと情報アクセス

DCPは、一時的または永続的な障害のあるUCLAの学生、教官およびスタッフに、さまざまなサービスを提供しています。どのような障害、技術に関する質問でも310‐206‐7133までお電話下さい。(注:「スタッフ」には指導、研究アシスタントを含みます)

障害学生担当事務局(OSD)と協力して必要な技術を選定し、どの技術を利用すれば最も効果的か個別に方針を立てます。

  • 機能制限の判定、実行すべき作業の査定、ふさわしい技術的な指針の助言
  • 機器を使いこなすためのトレーニング(音声認識、拡大ソフトおよびディスプレイ、音声合成、点字ディスプレイおよびプリンター)
  • 購入決定前に個人が試用する当該機器の貸与
  • 一時的な障害や短期使用の必要がある人への貸与

2. 教材の代替フォーマット

DCPは、講座の教材を代りのフォーマットに変更することを含め、OSDとさまざまな共同プロジェクトを実施しています。スタッフ、学生、教官自身の使用、またはクラスの学生たちが使用する場合のどちらの要望も受け付けています。点字化のスケジュールについては、パトリック・ブルケ(Patrick Burke)までお問い合わせ下さい。代替フォーマットは下記のとおりです。

  • 点字プリント
  • 音声出力用コンピュータファイル
  • テキスト出力用コンピュータファイル
  • 拡大タイプ

3. コンサルティング

アメリカ障害者法(ADA)の規定により、学内のあらゆる施設はすべての学生が利用できなければなりません。DCPのスタッフは次のような相談に応じることができます。

  • 研究室のレイアウトおよび間取りデザインの援助
  • 高さを調節できるテーブルや座りやすさなど、家具についての助言
  • アクセシブルなハードウェアおよびソフトウェアについての助言
  • 学生と共に作業をする研究室や学部のスタッフのための、アクセシブルなハードウェア、ソフトウェアの訓練
  • 補助機器付き訓練用ソフトウェアの使用法を学生に指導するための援助
  • 研究室で障害対応のソフトウェア使用時に生じる技術的な問題への対処

4. ウェブアクセシビリティの評価

障害のある誰もが、健常者と同様に教育や情報にアクセスできなければなりません。ウェブは、障害のある個人が情報にアクセスできることに計り知れない可能性を生み出していますが、グラフィックスやテーブルなどの機能のために、視覚障害や学習障害、聴覚障害のある人々が利用できないこともあります。誰もがウェブサイトを利用できるためには、アクセシビリティ問題について慎重な配慮が必要です。DCPでは次のような取り組みをしています。

  • 新しいアクセスガイドラインや指示、それらの影響を調査し、情報を学内に取り入れること
  • 学内のウェブ発信者にウェブアクセシビリティの基準に関する情報を提供すること
  • 現行のサイトに関する詳細なアクセシビリティ評価を提供すること
  • 学内のウェブ発信者と協力して現行サイトのアクセシビリティの問題点を修正すること
  • サイトを作成中の学内の発信者と協力して、アクセシビリティが備わっているか確認すること
  • そのサイトの目的を満たしつつ、アクセシビリティを最大限にするための提言をすること

質問およびアクセシビリティ評価の手続きに関しては、パトリック・ブルケ(Patrick Burke)までご連絡下さい。

5. 障害適応テクノロジー購入アドバイス

DCPスタッフは、学生や教官、スタッフに、最適な機器を選ぶ手助けをしたり、購入のためのアドバイスをします。

  • ADA/504法令遵守事務局と協力して、障害に対応したコンピュータ機器を、教官やスタッフがリーズナブル・アコモデーション基金を通じて購入する援助をすること
  • 個人がさまざまなタイプの機器を選定し、基金へ購入申請書を書く援助をすること

D. 学内障害適応技術援助

1. サービス提供者

UCLA関係者のための障害適応技術コンサルティング:「DCP」

UCLA「障害とコンピュータプログラム(DCP)」は、UCLA内の障害者(学生、教官、職員)および情報技術サービス担当者(コンピュータ技術支援コーディネーター、、ラボマネージャー、ウェブ発信者)に、コンピュータや情報アクセスに関するさまざまな支援サービスを提供しています。

学生のためのコンピュータ利用による受験および読書:「OSD」

「障害学生担当事務局(OSD)」では、すべての障害学生にコンピュータ利用による受験支援や、視覚、学習障害の学生のために代替テキストによる読書サービスを提供しています。181号室パウエルライブラリにあるOSDリソースルームには、さまざまな障害対応コンピュータテクノロジー機器があります。リンダ・ストルト(Linda Stolt) 825-1501までご連絡下さい。学習障害については、アーリーン・ハルパー (Arline Halper) 博士、825‐1501までお問い合わせ下さい。

職員アコモデーション基金:「ADA/504」

UCLAのADA/504(アメリカ障害者法/1973年リハビリテーション法504条)遵守事務局は、障害のあるUCLA職員のため、リーズナブル・アコモデーション・プログラム・ファンド(RAP)を運営しています。RAPは、受給資格のある部門に、障害適応機器に必要な資金を提供しています。

UCLA職員のための人間工学的支援:「Rehab」

UCLAメディカルセンターのリハビリテーション部門では、DCPと協力して、コンピュータに関連する障害のあるUCLA職員に人間工学にのっとった支援をしています。職場の査定、部門全体でのトレーニング、そして査定のため人間工学機器の貸与などを実施しています。

UCLA学生のための人間工学的支援:「DCPとRehab」

大学コンピュータ事務局に所属するDCPは、コンピュータに関連する障害のある学生に、人間工学的な支援をしています。学生は、UCLAメディカルセンターのリハビリテーション科または他の医療機関で、身体検査を受けられます。

障害一般情報:「アクセスWeb」

UCLAには、障害者にさまざまな便宜を図る任務を負った多くの部門やプログラムがあります。このサイトは、関心のある情報やサービスをすばやく見つけるため、包括的な「目次」を作成する目的で作成されています。

2. コンピュータラボ

公開ラボ

公開コンピュータラボはすべてブルーインオンラインに接続し、UCLAの学生なら誰でも利用できます。どの公開ラボも障害のある学生がアクセスできるようになっています。まず、アクセスに必要な要望をラボマネージャーにご連絡ください。本人あるいはラボマネージャーが障害対応のコンピュータ支援を必要とする場合、DCPがいつでもお手伝いします。現在のところ、公開ラボでは次のようなアクセシビリティ機能を利用できます。

CLICCラボ、パウエルライブラリ
メインラボには高さ調節ができる14台のテーブルがあり、そのうち2台は自動調節できます。ラボ内で貸出される障害対応のノート型パソコンが1台と、ラボのデスクトップパソコンで利用できるソフトウェアがあります。CLICCマネージャーのリサ・ケンプ(Lisa Kemp)、206‐3040までご連絡下さい。


OACコンピュータ広場(数学科学アネックス4階)
自動高さ調節機能つきのテーブルが2台あり、1台はPC用、1台はMacintosh用です。コンピュータ内の、またはリクエストにより、さまざまな障害対応テクノロジーが利用できます。DCP、206‐7133までご連絡ください。

訓練専用ラボ

学内のどの訓練専用ラボ(たとえば、社会科学または人文科学コンピューティング、SEAS、SPPB、マネージメントなど)も、障害のある学部学生または大学院生がアクセスできるようになっています。まず、アクセスに必要な要望をアクセスマネージャーに連絡してください。本人またはラボマネージャーが障害に対応したコンピュータサポートを必要とする場合は、DCPがいつでもお手伝いします。現在のところ、訓練専用ラボでは次のようなアクセシビリティ機能が利用できます。

ロースクール・ライブラリには、リフレッシュできる点字ディスプレイと高速点字プリンターを含む、障害対応のコンピュータが常設されています。チャールズ・キャノン(Charles Cannon)またはフランク・ロペス(Frank Lopez)、(310)206‐7867までご連絡下さい。

パウエルライブラリ内3ヶ所の社会人文科学コンピュータ教育ラボには、高さ調節可能なテーブルが少なくとも各1台あります。リサ・ケンプ(Lisa Kemp)、(310)206‐3040までご連絡下さい。

図書館コンピュータ照会エリア

UCLA図書館システムのどのコンピュータ照会エリアも、障害者がアクセスできるようになっています。必要なアクセスの要望については、まず、各ライブラリの担当者にお尋ね下さい。本人または担当図書館員に障害対応のコンピュータサポートが必要なときは、DCPがいつでもお手伝いします。現在のところ、下記の機能が利用できます。

パウエルライブラリ2階照会エリアには、高さ調節のできるテーブルと2台のコンピュータがあります。

注: パウエルライブラリには、ノートパソコンをブルーインオンラインに接続できる多数の学習エリアがあります。

3. ブルーインオンライン(Bruin Online)

ブルーインオンラインでは、標準的なインターネットソフトウェア(たとえば、ネットスケープやユードラ)を使っています。これらのソフトは、障害適応技術を利用する障害者のユーザーが使いやすくなっています。パトリック・ブルケ(Patrick Burke)、DCP206‐6004までご連絡下さい。

4. 助言

UCLAのコンピュータサポートスタッフは、学生や職員が大学内で快適に過ごせるよう支援することに努力しています。しかし、なにぶん大変広い上に多くの人が関わっています。アクセスに必要な要望は、コンピュータサポートスタッフに必ずコンタクトを取ってください。あなたにとってあなた自身が最良のサポーターなのです!

E. ウェブアクセシビリティ (関連リンク集)

ユニバーサルデザイン=ユニバーサルアクセス

ユニバーサルデザインの概念をウェブサイトに適用すれば、障害者だけでなく、グラフィックス機能が使えなかったりブラウザの種類が違っていても、すべてのインターネットユーザーが利用できるようになります。サイトのデザイナーやウェブマスターは、DCPのウェブアクセシビリティ検証サービスを、効果的なウェブサイト作成にご利用下さい。

1. ウェブアクセシビリティの一般ガイドライン

概要

  • HTML規則(@トロント大学 ATRC)
    アクセシブルなウェブページの仕様概要が参照できます。
  • AUS基準(@ニューサウスウェールズ最高法務局)
    概要がすぐわかります。

詳細

2. ウェブ関連障害者アクセス対策

概要

  • WebABLE
    インターネット上のウェブに関する、障害者アクセス対策を目的とした最新のサイト。

Java

PDF (Portable Document Format)

キャプションと音声解説

国際ウェブアクセス対策

アクセシブルなウェブブラウザ

  • PW Webspeak(プロダクティビティ・ワークス : Productivity Works)
    HTMLを音声出力に変換
  • IBM HomePage Reader
    HTMLを音声出力に変換
  • JBliss Imaging Systems
    多彩な視覚障害者用音声出力製品。VIPinfoNet 1.00は、盲人、視覚障害者どちらにも適したインターネットブラウザです。
  • NETTAMER
    オールインワンタイプのDOS対応ウェブブラウザ、メール、ニュースリーダー

プロキシサーバ

  • PDFをHTMLに変換
  • 視覚障害者のためのWWWアクセス
  • ドレスデン大学HTML点字変換サービス

ウェブページアクセシビリティロゴ

  • ボビー(Bobby)ウェブページチェッカー
    BobbyはCAST(Center for Applied Special Technology)のサービスです。サイトがWAIページ作成ガイドラインに適合しているかをオンラインで、またはダウンロードしてチェックするツールを提供しています。四つ星の評価を得たサイトは、Bobbyが承認したロゴを表示できます。サイトのアクセシビリティを保証するものではありませんが、Bobbyは必要なアクセシビリティ機能を備えていることの目印となります。
    ボビーのロゴBobbyが承認したロゴ
  • NCAMウェブページ・アクセシビリティシンボル
    「このマークは、ウェブマスターが、障害者ユーザのニーズに適応したアクセシビリティ機能を備えていることを表示するするために使用できます。このシンボルには必ず、説明とAlt属性タグを付けてください。」(このシンボルは、アクセシブルデザインに努力していることを表していますが、特別な基準に関連したものではありません。)
    NCAMのシンボルNCAMウェブページ・アクセシビリティシンボル

3. 一般関連項目(障害関連ではありません)

HTML

  • Hyper Text Markup Language(HTML)(@W3C)
    HTMLは、WWWクライエントで使用されるハイパーテキストのためのマークアップ言語です。このサイトでは、W3CのHTML関連資料とウェブについての概要を見ることができます。

XML

  • SGML、XMLおよび構造化ドキュメントの交換(@W3C)
    XML、拡張マークアップ言語とは、SGML(汎用マークアップ言語、ISOのドキュメントフォーマットの定義および使用に関する標準システム)の縮小版で、インターネットアプリケーションに最適です。

スタイルシート

  • ウェブスタイルシート(@W3C)
    「スタイルシートは、ドキュメントをディスプレイ上にどのように表示するか、または印刷するか、あるいは読み上げるかを記述します。スタイルシートはまもなくご利用のブラウザに採用され、このページやリンクでスタイルシートについてお知らせすることになっています。スタイルシートをウェブ上の構成されたドキュメントに設定することによって、オーサーおよびリーダーはデバイスの独立性を犠牲にすることなく、新規にHTMLタグをつけることなく、ドキュメントの表示を変えることができます。」(W3Cより)

F. 音声認識技術の選択と利用

ケヴィン L. プライス ( Kevin L. Price )
UCLA障害とコンピュータプログラム

テリー トンプソン ( Terry Thompson )
コンピュータ学習センター コーディネーター

1. 音声認識ソフトの評価基準

この論文は、現在の音声認識製品を比較検討することを目的としています。こうした製品は障害者だけでなく誰の役にも立ちますが、精度やユーザーインターフェース、使いやすさに違いがあります。音声認識ソフトに関心がある人にとって、ソフトの違いを理解し、それがソフトを利用するときにどのように影響するかを知ることは重要です。CSUN会議に際し、次のような音声認識ソフトの評価基準を提唱したいと思います。

  • 音声認識プログラムを使いこなすためにどの程度練習が必要か?
  • 新規のユーザーにとって、インターフェースがわかりやすく設定されているか?
  • どのような「ハンズフリー」システムか?音声だけでどの程度までコンピュータを操作できるか?
  • ユーザーが発声ファイルの訓練や修正を簡単に直感的にできるかどうか?
  • プログラムはさまざまな発声パターンやアクセントに対応しているか?
  • プログラムは個々のユーザーの話し方に対応して調整できるかどうか?
  • 認識速度を落とさずに種々のアプリケーションと簡単に統合できるか?
  • プログラムの認識精度を落とさずに人が話す速さを変えることができるか?
  • 音声出力ソフトが含まれているか、または学習障害者や視覚障害者に役立つ他の音声出力プログラムに対応しているか?
  • メーカーのサポート体制は整っているか?
  • 手ごろな価格かどうか?
  • 使いやすさを改良するため研究開発が続けられているか?

音声認識技術は常に進歩しています。本来の障害支援技術製品という位置付けを離れて、市場で目覚ましい成長を遂げました。音声認識ソフトの主要メーカーには、現在、ドラゴン・システムズ(Dragon Systems)、ラーンアウト・アンド・ハウスパイ(Lernout & Hauspie: L&H)、アイ・ビー・エム(IBM)の3社があります。これらの企業間の熾烈な競争や消費者及びビジネス市場からの要請により、ここ数年間に価格が大幅に下がりました。競争が過度の新製品開発を促しています。各社は、価格や機能、サポートするアプリケーションごとに数種の製品を発売しています。この報告書は、音声認識ソフトを購入しようとしている人が製品を選択する時の参考となるように、おびただしい数の製品に関する知識を提供することを目的としています。

この報告書の提出時(1999年10月)、ここで紹介した各社は新製品の発売を予定していました。CSUN国際会議でのこの研究報告には、1999年第4四半期もしくは2000年第1四半期に発売された新製品も含まれています。

2. 音声認識ソフトに関するQ&A

音声認識にはどのようなタイプがありますか?

離散発声方式
  • ゆっくりとした口述方式---言語処理及び滑らかな口述が困難な人に向いている
  • フレーズ単位よりも、語単位のほうが初心者は文章を作成しやすい
連続発声方式
  • フレーズ単位の言語処理
  • 文脈を考慮に入れる
  • フレーズが中断されたとき精度が落ちる
  • 利点:スピードと正確さ(ほとんどのユーザーにとって)

音声認識はどのような人の役に立ちますか?

  • キーボード操作ができない運動機能に障害のある人
  • 繰り返しのストレス障害を避けなければならないまたは避けたい人
  • 書くのが困難な人
  • コンピュータをハンズフリーで操作したい人
  • タイピングのスピードを向上させたい人(160語/分まで報告されている)

音声認識ソフトを利用するために必要なことは?

  • 高性能のコンピュータ
  • 一貫した話し方(必ずしもわかりやすさは必要としない)
  • 連続発声方式の製品を使う場合には、流暢な話し方(言葉の途中で止まらないという意味で)が望ましい
  • 忍耐
  • コンピュータに関する基礎知識
  • かなり高度な認識力

かなり高度な認識力とはどのような能力ですか?

  • 適切な大文字の使用や句読点を言葉で発声する能力
  • 口述筆記の正確さを判断する能力(テキストを音声に変換できる製品もあるが、言葉は反転表示されない)
  • 口述筆記の誤りを訂正する能力、普通はことばの最初の数文字をつづれること、よく似たつづりの語群から正しいものを認識できる能力
  • コマンドや手順を記憶する能力

3. 最新の音声認識ソフト(1999年10月現在)

前述のように、音声認識市場の主要企業には、ドラゴン・システムズ(Dragon Systems)、ラーンアウト・アンド・ハウスパイ(Lernout & Hauspie: L&H)、アイ・ビー・エム(IBM)の3社があります。各社とも、価格や機能の異なる数種の製品を発売しています。入手できる製品の種類が多いため、音声認識システムを購入することは骨の折れる仕事といえます。この研究発表では、現在市販されている製品の違いを明らかにしたいと思います。次に、1999年10月現在市販されている製品を簡単に説明します。

Dragon Systems(ドラゴン・システムズ)

注)( Dragon は Lernout & Hauspie (L&H)(ラーンアウト・アンド・ハウスパイ)に買収されるが、後日倒産。ScanSoft が扱う。その後ライバル会社の Nuance Communicationsを買収、社名を Nuance Communicationsに変更した。)

Dragon社のオリジナル製品、Dragon Dictateは、現在、離散発声方式を採用した唯一の製品です。前述のように、離散発声方式は、言語処理や滑らかな話し方が困難な人や、文をフレーズではなく1語づつ話す人にとって最適な方式です。最新版3.0 Classicは、どのアプリケーションでも完璧なボイスコントロールが機能します。Windows3.xに対応する、現在ただひとつの音声認識ソフトです。離散発声方式を採用しているので、連続発声方式の製品よりも、自然とことばを区切って話す人の話し方を認識するのに適しています。また、独特の話し方をする人の発声パターンを認識学習するのにも適しているようです。残念ながら、Dragon Systemsはこの製品の開発を打ち切ってしまいました。会社の方針が、より大きなビジネス市場を期待できる連続発声製品にシフトしたためです。

Dragon NaturallySpeakingとして知られているDragon社の連続発声製品シリーズには、価格順に標準版(スタンダード)、高機能版、専門家版(Pro)があります。高機能版には、標準版と異なる機能として、口述筆記再生とテキスト音声変換機能がついています。高機能版は、録音デバイスは提供されていませんが、外部記憶装置から入力することもできます。高機能特別版、Dragon NaturallySpeaking Mobileは少し高価ですが、デジタル記録デバイスつきです。Dragon社のNaturallySpeakingの専門家版は、拡張マクロとスクリプティング機能に特色があり、ユーザーは長文のテキストを口述筆記したり、複雑なコンピュータ操作を簡単なコマンドで行うことが可能です。専門家版には法律家向けや医家版もあり、これらの分野に必要な専門用語を備えています。

Dragonは10代向けの製品も開発し、10代の声に対応し、簡略化された文書管理およびオンラインヘルプを含む、使いやすいインターフェースを特色としています。

1999年10月現在、DragonのNaturallySpeakingのMacintosh版が1999年末に発売予定となっていました。

Lernout & Hauspie (L&H)(ラーンアウト・アンド・ハウスパイ)

注) (L&H) は倒産し、Nuance Communicationsが扱っている

L&H の製品は、音声認識のパイオニア、Kurzweilによって開発された音声認識技術を基礎としています。現在市販されているL&H製品シリーズはVoiceXpressと呼ばれ、標準版、上級者版、専門家版があります。各版の違いはかなりはっきりしています。標準版では、VoiceXpressの自然言語コマンドインターフェースは、XpressPadと呼ばれるL&Hのワープロソフトでしか動作しません。上級者版は自然言語のサポートをMicrosoftのWordまで拡張しています。専門家版はさらにMicrosoft Officeパッケージ完全版とInternet Explorerでも使えます。専門家版は録音した口述にも対応し、デジタル・レコーダが添付されています。

IBM(アイ・ビー・エム)

IBMは、長年にわたり音声認識ソフトの主要企業です。離散発声方式の製品IBM VoiceTypeは、Dragon Dictateのライバル製品でした。しかし、IBMはこの製品の開発を中止し、現在では連続発声方式の製品開発に全力を集中しています。IBMの現行製品ViaVoice ミレニアムには、スタンダード版、ウェブ版、プロ版があります。ウェブ版は、Internet Explorer、Netscape Communicator、Amerca Onlineに対応した自然言語コマンドを特色としています。また、オンラインのチャットに特化した語彙も備えています。プロ版はウェブ版のほとんどの機能を備えていますが、Microsoft Officeパッケージ完全版や専門ビジネス、会計、コンピュータ用語に対応した自然言語コマンドも機能します。

音声認識は障害支援技術として始まりましたが、近年、コマーシャル市場が急速な開発に火をつけ、メーカー各社が元来ターゲットとした障害者市場から、今ではすべての人を対象としています。この研究発表において、音声認識が障害のある人々のツールであることにあらためて注意を喚起したいと思います。障害者や障害者と共に働く人なら、どの音声認識製品が一番役に立つかをより正しく理解して帰られることでしょう。現在、音声認識製品は大変複雑になっています。この研究発表の主要な目的は、多くの問題点を明らかにして障害のある人々に最適のソフトを見つける手助けとなることです。

(訳者注: CSUN国際会議におけるこの研究発表後、今年6月にL&H社がドラゴン社を買収したため、ドラゴン社の音声認識製品が今後どうなるのか気になるところである。)

  • URL移転対応等:2004年3月18日

※ 詳しい内容につきましては、原文サイトでご確認・お問合せください。

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