はあとリンク 翻訳館 CPB/WGBHアクセシブルメディアセンター: NCAM
- 概要紹介
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T.はじめに
CPB/WGBHアクセシブルメディアセンター(NCAM)は、メーカーや連邦政府、研究諸機関と協力し、障害者や、少数言語の利用者、識字能力の低い人たちなどが、各種のメディアを利用できることを目的として活動している研究開発機関である。NCAMは、25年前、聴覚障害の視聴者のために字幕を作成することから始まり、メディアアクセス分野での公共放送の先駆的な仕事が今日の活動に発展したものである。
NCAMは、情報化時代を迎えて、障害者、特に視覚、聴覚障害者がコンピュータ技術を利用して教育を受けたり、テレビ、ラジオ、新聞、映画など既存のメディアはもちろん、デジタルテレビやウェブサイトなどのテレコミュニケーションにアクセスできる環境作りを目指している。
本サイトは、NCAMの目的であるアクセシビリティの実践として、できるだけシンプルなテキストページとしてデザインされている。視覚、聴覚障害者がアクセスしやすいウェブ・ページの基準となっている、W3C(World Wide Web Consortium)のガイドラインにしたがって、コラムやテーブル、フレームは一切使われていない。イメージマップや画像は最小限使用されているが、その場合テキストリンクやコメント(Alt属性)が必ずつけられている。(詳細は「障害のあるユーザーへ」参照)
下記に述べるように、このサイトにはNCAMが現在取り組んでいるさまざまなプロジェクト紹介ページがあるが、障害者がコンピュータを利用するにあたって有用なサイトを紹介するという「はあとページ」の趣旨に照らし、ウェブ・アクセシビリティ・プロジェクトを翻訳、紹介したいと思う。その他のプロジェクトについては、本欄で概要を紹介するにとどめる。また、原文中のリンクについては、同一サイト内でのリンク先URLは省略しているが、サイト外の関連リンクについてはURLを付記している。
U.ウェブサイトの全容
トップページのイメージマップから、NCAMが携わっている6つのプロジェクトの各項目、その他リンク集などの関連項目へと進むことができる。アクセス対象のメディアごとに以下の各プロジェクトが紹介されている。
- ウェブ・アクセス・プロジェクト
- 統合型メディアアクセス・プロジェクト
- DTV(デジタルテレビ)アクセス・プロジェクト
- CD-ROMアクセス・プロジェクト
- 映画アクセス・プロジェクト
- コーナーストーンリタラシー・プロジェクト
それぞれのプロジェクトは、各メディアの現状分析から始まり、視覚、聴覚障害者が利用する際の問題点を、技術的に解決する取り組みが述べられている。NCAMは、メーカーが開発し一般に普及している(たとえばIBMのPageReaderなど)既存のアクセス技術を、そのままあるいは改良して利用したり、全く新しい技術を開発してプロトタイプとしてメーカーに提供するといった活動も行っている。
1.ウェブ・アクセス・プロジェクト
NCAMのウェブ・アクセス・プロジェクトは、視覚、聴覚障害者がグラフィックスや音声、画像を駆使したウェブサイトを利用できないという問題点を解決するため、ウェブ上で機能するキャプション(字幕)や音声解説その他の技術を開発し、普及に努めている。NCAMは、ウェブアクセシビリティを高めるため、W3Cのガイドラインに沿ったウェブサイトにシンボルマークの表示を奨励しているが、企業、連邦政府機関、その他多くの営利、非営利組織のサイトがウェブアクセシビリティを備えた証明としてこのシンボルを表示している。さらに新規のプロジェクトとして、「PIVOTへアクセス」プロジェクトが紹介されている。これは、NCAMとマサチューセッツ工科大学(MIT)とが協力して、視覚、聴覚障害者の学生が、双方向オンラインシステムでMITの講義を受けられることを実現しようとするものである。ウェブ・アクセス・プロジェクトについては、関連リンク集を除き全文翻訳して紹介する。
2.その他のプロジェクト
統合型メディアアクセス・プロジェクトおよびDTVアクセス・プロジェクトは、テレビ、コンピュータ、インターネット技術を統合した情報機器が登場しつつある最近の状況で、視覚、聴覚障害者がこうした機器を利用できるように、国立障害リハビリテーション研究所(NIDRR)の支援によって立ち上げられたプロジェクトである。
CD-ROMアクセス・プロジェクトは、視覚障害者がコンピュータを利用して学習するときに活用するスクリーン・リーダーや拡大ツールは、ソフトウェアによってはうまく機能しなかったりマルチメディアには役立たないことから、主として教育ソフト開発者向けに技術的な情報を提供している。
映画アクセス・プロジェクトは、1992年に研究開発が開始され、劇場映画を聴覚障害者や視覚障害者がクローズドキャプション(映画を見ている人全員ではなく必要としている人のみを対象としたキャプション技術)と解説のナレーションを利用して、映画を楽しめる方法を研究開発している。
コーナーストーンリタラシー・プロジェクトは、聴覚障害の子供たちが読み書きの能力を高める方法として、マルチメディア技術を活用しようというプロジェクトである。
- 特記事項
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NCAMの活動は、視覚、聴覚障害者がウェブサイトやその他のマルチメディアにアクセスし、学習やコミュニケーション、さらに娯楽にまで情報を活用できる環境作りを目的としている。どちらかというと障害者がアクセスして直接役に立つ情報が得られるサイトではないが、障害者や高齢者にも開かれた情報化社会を目指しているプロジェクトの取り組みを紹介したいと思い、このサイトを選択した。コンピュータがパソコンという形だけでなく、生活のあらゆる場面で利用されている状況を見ると、すべての人にとってアクセシブルなメディアを実現しようという環境整備の重要性が、あらためて問われるのではないかと思う。 (翻訳担当:西村 薫)
A. 障害のあるユーザーへ
1. NCAMオンラインの仕組み
すべてのユーザーができるだけ簡単にアクセスできるようにデザインされています。トップページには、大きなイメージマップがあり、スクリーンリーダーやテキストモードだけのブラウザを使っているユーザーのために、イメージマップの真下にテキストリンクがあります。コラムやテーブル、フレームは、サイト上では一切使われていません。画像にはすべてAlt属性のコメントがつき、説明文やDリンクを利用できるものもたくさんあります。マルチメディアにはすべて字幕、解説がついています。
2. 視覚および聴覚障害者のために
Alt属性コメントとDリンク
このサイト上のすべての画像には、簡潔なAlt属性のコメントがつけられ、その画像の種類や機能がわかるようになっています。グラフィック機能のブラウザを使っている場合は、ブラウザの自動画像処理機能がオフになっているときのみ、Alt属性のコメントが表示されます。
また、画像によってはDハイパーリンク(場合によってはDが画像より先に表示されます)がついています。Dリンクを選択すると、画像の説明文が表示されます。テキストによる説明は2、3文の長さで、ハイパーリンクを含んでいることもあります。説明文の最後には[戻る]リンクがあり、選択すると画像に戻ります。
キャプション(字幕)および解説つきの映像クリップ
NCAMでは、AppleのQuickTime、W3C(World Wide Web Consortium)のSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)、MicrosoftのSAMI(Synchronized Accesible Media Interchange Language)を使って、ウェブ上の映像クリップにキャプションや音声解説をつける実験を行っています。アクセシブルなマルチメディアのサンプルが、このサイトのウェブ・アクセス・プロジェクトでご覧になれます。
B. NCAMとは
CPB/WGBHアクセシブルメディアセンター(NCAM)は、障害者や少数言語の使用者、識字能力の低い人など恵まれない状況にいる人々が、メディアにアクセスできることを目的として活動している研究開発機関です。
NCAMは、25年前、聴覚障害のある視聴者のためのキャプション製作に始まったメディアアクセス分野での公共放送の先駆的な仕事が発展したものです。近年には視覚障害をもつ視聴者のための、映像解説の開発という成果にもつながっています。NCAMと、その関連組織であるキャプションセンター(Caption Center)および映像解説サービス(Descriptive Video Service/DVS)は、WGBH教育基金のメディアアクセス部門を構成しています。
情報の公平性を使命として、NCAMは、公共マスメディアにアクセスできる技術を開発し、現在のアクセス技術が他の状況の人々にどのように役立つか調査し、メディアアクセス問題についてコミュニティサービスを実施し、公共放送界とは番組や情報へのアクセスを拡大することで協力しています。
NCAMは、学校、職場、家庭や地域社会で、メディアがさらにアクセシブルになるよう努力しています。テレビやラジオ、新聞、劇場映画などの既存メディアにアクセス技術を用いて改良を加えるだけでなく、次世代テレビやワールドワイドウェブなどの拡大するテレコミュニケーションへのアクセスにも関わっています。NCAMの使命は、メディアを見たり聞いたりすることが困難な、もしくは不可能な4500万人のアメリカ人が、情報化時代から取り残されないことなのです。
詳細な情報については、NCAMまでお問い合わせ下さい。
The CPB/WGBH National Center for Accessible Media
WGBH Educational Foundation
125 Western Avenue
Boston, MA 02134
(617) 300-3400 (voice/TTY)
(617) 300-1035 (fax)
NCAM@wgbh.org (e-mail)
C. ウェブ・アクセス・プロジェクト
1. プロジェクトの概要
多くのアメリカ人にとって、ワールドワイドウェブは学習やコミュニケーションのための刺激的な手段です。しかし、数多くの聴覚、視覚障害のあるコンピュータユーザーは、ウェブの高度なグラフィックスや、音声、画像機能を利用することができません。
プロジェクトは、1996年、CPB/WGBHアクセシブルメディアセンター(NCAM)によって開始され、このような状況を変えることに取り組んでいます。ウェブ・アクセス・プロジェクトは、アクセス技術(キャプションや音声解説など)と新しいウェブツールをウェブサイトで統合し、視覚や聴覚障害のあるインターネットユーザーが使いやすい方式を研究、開発、検査しています。 NCAMは、WGBHオンラインや他の WGBH関連の ウェブサイトを使って新しい方式を実地検査しています。ウェブ・アクセス・プロジェクトは、元来、障害者テレコミュニケーションズ協力基金( the Telecommunications Funding Partnership for People with Disabilities)とボストン財団( Boston Foundation)の支援を得て開設されました。1997年には、公共放送ウェブサイトがプロジェクトの目的として定められました。情報通信基盤援助計画(the Telecommunications and Information Infrastructure Assistance Program/TIIAP)の援助を得て、必要なプランをプロジェクトが練り、すべてのテレビ局のウェブサイトをアクセスしやすくすることに助力しています。
マルチメディアのクリップがウェブ上でますます一般的となっていますが、たいていの場合、視覚や聴覚障害のあるユーザーには利用できません。この問題を解決する試みとして、NCAMは、クリップを誰もがアクセスできる方式を開発するために、Microsoft、W3C/WAI (World Wide Web Consortium's Web Accessibility Initiative)、QuickTimeと協力してきました。キャプション、音声解説付QuickTime映像クリップ6種類が、どのような仕組みになっているかの説明と共に、NCAMのウェブサイトで見られます(Macintosh、PC共に対応)。NCAMは、W3CのSMILやMicrosoftのSAMIを含むストリーミング・マルチメディアの分野にも研究対象を拡げ、他の産業界のリーダーと密に協力して、ストリーミング技術によって作成されるマルチメディアがすべてのウェブユーザーにアクセシブルにとなるよう取り組んでいます。
ウェブ・アクセス・プロジェクトは、著作権を放棄したウェブ・アクセス・シンボルを作成し普及させています。マサチューセッツ州、ボストン・ストームシップ・スタジオ(Stormship Studios of Boston)によるデザインで、ウェブサイトの作成者は、聴覚や視覚に障害のあるユーザーに配慮がなさていることを示すため、無償でこのシンボル(Alt属性のコメントつきで)を使用することができます。ガイドラインは、ウェブページにアクセス機能を設定するときにウェブマスターが利用するNCAMのサイトでご覧いただけます。
1999年の初秋、ウェブ・アクセス・プロジェクトはマサチューセッツ工科大学と3ヵ年協同事業を開始しました。「PIVOTへアクセス・プロジェクト(The Access to PIVOT Project)」は、視覚、聴覚障害者の学生が完全にオンラインで物理学の講義を受けることができる方法を研究開発しています。詳細は、「PIVOTヘアクセス・プロジェクト」のホームページをご覧下さい。
ウェブ・アクセス・プロジェクトは、ウェブをよりアクセシブルなものにする技術や情報を広めるために、主要なソフトウェア、ハードウェアのメーカーおよび連邦政府などと共同して活動を続けています。W3Cが支援する ウェブ・アクセス・イニシアティブ(WAI)にも参加しています。NCAMは、アクセシビリティの重要性を確かなものにするため、オンラインサービスプロバイダーや、営利、非営利のウェブマスターその他ウェブ関係者と協力を続けています。
ウェブ・アクセス・プロジェクトの詳細な情報については、下記までお問い合わせ下さい。
Geoff Freed
CPB/WGBH National Center for Accessible Media
WGBH Educational Foundation
125 Western Avenue
boston, MA 02134
(617) 300-4223 (Voice and fax)
geoff_freed@wgbh.org
- 最終更新日:1999年9月1日
2. ウェブ上のキャプション(字幕)と音声解説
NCAMは、QuickTimeやSMIL、SAMIを利用して、ウェブベースのマルチメディアにキャプションや音声解説を提供する試みを行っています。これらのフォーマットに関する情報は次項をご覧下さい。
字幕付きQuickTime映像の一場面
QuickTime
Apple社のQuickTimeを使えば、映像にアクセシビリティ機能を簡単に付加することができます。下記の6種類のクリップには、テキストトラックにキャプションが付けられ、別の音声トラック(プログラムの音声画像トラックとは別の)に解説が録音されています。これらの映像は、MacintoshまたはPC対応QuickTimeのMoviePlayerを使って再生できます。映像をダウンロードすると、解説やキャプションをオン、オフ切り替え可能です。これらのクリップはQuickTimeやMoviePlayerの古いバージョンでも再生できますが、QuickTime3.0以上を使用することをおすすめします。QuickTime映像再生ソフトがない場合には、MacまたはPC用QuickTimeをダウンロードしてください。(PCでは、トラックを切り替えるためにQuickTime3.0以上をご利用下さい)
映像クリップを再生するには、下記のリンクに従ってください。
使用説明
MoviePlayer内からキャプションをオフにするには、[編集]メニューを開き、[イネーブルトラック]を選択して[テキストトラック]をクリックします。この機能はトグルなので、キャプションを再びオンにするためには、[テキストトラック]を再度クリックします。解説をオンまたはオフに切り替えるには、[音声解説]トラックをクリックします。QuickTimeフォーマットを再生する他のソフトでは、映像をオープンキャプションと解説のみで表示します。
注記
MacまたはPCを使って、オン、オフ切り替えのできるキャプションおよび解説付きの映像クリップを作成するためには、QuickTime3.0以上をお使い下さい。しかし、最初にソフトウェアのプロバージョンにアップグレードする必要があります。QuickTimeのホームページからQuickTimeをダウンロードしてください。
WGBY数学科学フェア
- マンホールカバー (Manhole Covers)
- QuickTime(2.7 MB)
AVI (3.8 MB)
Transcript
- QuickTime(2.7 MB)
- キャッチ!(Catch!)
- QuickTime(2.8 MB)
AVI (3.9 MB)
Transcript
- QuickTime(2.8 MB)
- 緑のポテトチップ (Green Potato Chips)
- QuickTime(6.3 MB)
AVI (9 MB)
Transcript
- QuickTime(6.3 MB)
- 交通信号 (Traffic Lights)
- AVI (7.7 MB)
Transcript
- AVI (7.7 MB)
- 吸盤 (Suction Cups)
- QuickTime(3.8 MB)
AVI (11.8 MB)
Transcript
- QuickTime(3.8 MB)
- 木の葉(Leaves)
- QuickTime(3.1 MB)
Transcript
- QuickTime(3.1 MB)
これらのクリップに、どのようにキャプションが付けられるか知りたいときはここを、解説がどのように付けられるか知りたいときはここを、クリックしてください。
SMIL
W3Cは、SMIL(Synchronized Multimedia Integration Language) (http://www.w3.org/AudioVideo/) のバージョン1.0を、1998年に発表しました。SMILマルチメディアプレゼンテーションは、音声、映像、テキストの要素からなり、別々に保存されていますが、再生時に同期化されます。マルチメディアをより簡単に作成、再生できることに加えて、SMILは、マルチメディアプレゼンテーションにキャプションと解説を付けるためにも利用されます。
NCAMは、英語とドイツ語で、キャプション、サブタイトル、音声解説を付けたSMILのクリップを作成しました。クリップを再生するためには、まずG2 PlayerをRealNetworksからダウンロードしてください。インストールしてから、次の手順に従ってください。
- CAR.ZIP (2.8 MB)をダウンロードしてください。
- WinZipでファイルを解凍してください。(必要な場合にはWinZipをダウンロードおよびインストールしてください)
- G2 Playerを開いてください。映像を再生する前に、キャプション(またはサブタイトル)と解説を2カ国語のどちらかで表示するよう、G2を設定してください。
- [オプション]メニューを開きます。
- [環境設定]を選択します。
- [コンテンツ]タブを選択します。
- 言語リストボックスで英語またはドイツ語を選択します。
- ウィンドウの最下行にある[キャプション]ボックスをチェックします。
- CAR.SMIを開いて映像を再生します。キャプションまたはサブタイトルはビデオウィンドウの中央下に表示され、音声解説はプログラムされたナレーションと共に、所々で聞こえるはずです。言語を変更する時は、上記3のステップを繰り返してください。
または、CARのトランスクリプト(原稿)を読んでください。
ReakNetworksのサイトで、SMILのプレゼンテーション作成方法を知ることができます。SMILの詳細な情報については、SMIL1.0スペシフィケーションをお読みください。
SAMI
Microsoftは、SAMIのバージョン1.0をリリースしました。W3CのSMILフォーマットと同様に、SAMI映像が再生されるときに個々のメディア要素と同調して機能します。しかし、SAMIはキャプション、間もなく音声解説も利用して、特にマルチメディアをアクセシブルにすることを目的として設計されています。Microsoftのサイト (http://www.microsoft.com/enable/sami/default.htm ) でSAMIの仕様を見ることができますが、アクセシブルなSAMIのプレゼンテーションをダウンロードすることもできます。
アクセシブルなウェブベースのマルチメディア開発にご協力いただける場合には、geoff_freed@wgbh.org までご意見をお寄せ下さい。
- 最終更新日:1999年9月1日
3. ウェブ・アクセス・シンボル
- 解説
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格子柄の、一方に傾いた、表面に鍵穴がカットされた地球
シンボルには必ず下記のAlt属性タグをつけて使ってください。「ウェブ・アクセス・シンボル(障害のある人々のために)」
CPB/WGBHアクセシブルメディアセンター(NCAM)は、このウェブ・アクセス・シンボルを使っていただくことをた喜ばしいことと思っています。17種類のシンボルから選んで、障害のあるユーザーの要請に配慮したアクセシブルな機能を備えたサイトであることを表示するために、ウェブマスターが使用することができます。シンボルには必ず解説とAlt属性タグをつけてください。このイメージは、マサチューセッツ州、ボストン・ストームシップ・スタジオ(Stormship Studios of Boston)によってデザインされました。
このシンボルは無償で、電子的または印刷して使用できます。このページからコピーして文書に貼り付けるだけで結構です。アクセシブルなウェブサイトをデザインするときは、WAI (Web Accessibility Initiative)ページのオーサリング・ガイドラインを参照してください。ウェブ展開に際し、このガイドラインが、新しいアクセシビリティのテーマを反映する結果をもたらしてくれます。
現在、150以上のウェブサイトがこのシンボルを表示しています。ウェブページのデザイン担当責任者は、サイトをデザインするに当ってこのガイドラインを読んで活用し、障害のあるウェブユーザーに配慮して作成したことを示すために、タグと解説付きでウェブ・アクセス・シンボルを表示してください。
このシンボルを表示しているサイトが、100%アクセシブルであること、あるいはガイドラインに従ってデザインされていることを保証するものではありません。しかし、インターネットの精神として、ウェブマスターにそのサイトがアクセシブルであるかないかを知らせたり、アクセシビリティについての提言をしたりすることは、ウェブユーザーに委ねることにしたいと思っています。シンボルを使用する場合には、ウェブをすべての人にとって使いやすくすることに努力している多くの人の目的を理解して、自らの方針として使っていただきたいと思っています。
- 最終更新日:1998年5月13日
4. 「物理学双方向ビデオチューター(PIVOT)」アクセス・プロジェクト
NCAMは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の高等教育サービスセンター(Center for Advanced Educational Services/と共に、障害のある学生のためにアクセシブルなオンライン双方向物理学コースを協同開発しています。「PIVOT(Phisics Interactive Video Tutor)へアクセス」として知られていますが、この3ヵ年プロジェクトは、視覚障害、聴覚障害の学生がオンライン教育にアクセスできるように、マルチメディアへのアクセスソリューションの開発を試験、実施、実証、促進しようとするものです。
このプロジェクトについて詳細な情報をご覧になりたい場合は、下記のリンクを選択してください。
- [PIVOTプロジェクトの概要]
- [アクセシブルマルチメディア]
- [役に立つインターフェース]
これは新規のプロジェクトですので、頻繁に更新してください。
- 最終更新日:2000年1月6日
- URL移転対応等:2002年12月21日
「PIVOTへアクセス」への出資金は、国立科学財団(National Science Foundation) とアメリカ三菱電機財団(The Mitsubishi Electric America Foundation)
から提供を受けています。アメリカ三菱電機財団は、障害のある若い人たちの可能性と社会参加を最大限に引き出すために技術を通じて彼らを援助することによって、すべての人にとってより良い社会となるよう貢献することを目的として、日本の三菱電機株式会社と在米関連会社との協同設立による非営利財団です。
PIVOTプロジェクトの概要
「PIVOTへアクセス」プロジェクトは、MIT(Massachusetts Institute of Technology)のウォルター・レービン(Walter Lewin)教授の有名な物理学入門講座を中心に構成されています。ウェブベースのコンポーネントは、レービン教授の物理学講義を完全にデジタル化したライブラリはもちろん、ヘルプセション、双方向のデモンストレーションやシュミレーション、小テスト、完全なオンラインテキストを含みます。広範囲にわたるFAQリストに掲載された質問事項を使って、学生は、教授が適切にリンクさせたビデオでの解答を呼び出しながら、二次的三次的な質問を次々と選択することができます。学生は、質問を入力し、オンライン授業の助手から解答を受け取ることによって、さらに詳細な情報を得ることができます。
NCAMが継続中のウェブベースマルチメディアのアクセシビリティに関する研究を基礎として、PIVOTプロジェクトは、ユーザーインターフェース、ナビゲーションシステム、ビデオのプレゼンテーション、テキスト、イラスト、グラフや表のデザインにおいて、視覚、聴覚障害者の学生に何が必要かを明らかにし、それらの解決に取り組んでいます。NCAMは、ウェブサイトを利用するのに費用効率の良い方式および機器を開発し採用しています。また、NCAMでは数多くのデモンストレーション、イラスト、シュミレーションにアクセスするための触覚機器の利用を研究中です。障害者、非障害者双方について検証し評価することによって、研究成果の有効性が明らかになるでしょう。
NCAMは、他の開発者に利用して欲しい方式を開発するためだけでなく、現行のガイドラインや技術(W3Cのウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン参照/http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT/)を検証し評価するために「PIVOTへアクセス」プロジェクトを役立てています。
詳細な情報については、下記へお問い合わせ下さい。
Geoff Freed
CPB/WBGH National Center for Accessible Media
WGBH Educational Foundation
125 Western Ave.
Boston, MA 02134
617 300-4223 voice and fax
geoff_freed@wgbh.org
- 最終更新日: 2000年1月6日
アクセシブルマルチメディア
MITは、W3C(World Wide Web Consortium/http://www.w3.org/)のSMIL(Synchronaized Multimedia Integration Language/http://www.w3.org/AudioVideo/
)をPIVOTのマルチメディア配信用フォーマットとして選択しました。NCAMはすでに、キャプションや音声解説などのアクセス機能をSMILプレゼンテ−ションに組み込む方式の研究を開始しています。キャプションのみが付いたコース紹介ZIPファイルをダウンロードすれば、成果の一端をご覧になれます。クリップを再生するには、あらかじめRealNetworksからRealPlayer7をダウンロードして下さい。インストールしてから、下記の手順に従ってください。
- WinZipを使ってファイルを解凍します。(必要な場合には、WinZipをダウンロードおよびインストールして下さい)
- RealPlayer7を開きます。映像を再生する前に、キャプションを表示するようにプレイヤーを設定します。
- [オプション]メニューを開きます。
- [環境設定]を選択します。
- [コンテンツ]タブを選択します。
- 言語リストボックスから英語を選択します。
- ウィンドウの最下行の[キャプション]ボックスをチェックします。
- プレイヤー内のファイルWLPVTINT.SMIを開きます。
ビデオウィンドウの真下にテロップが表示されます。
普通、音声解説はプログラムのサウンドトラックの自然な合間に当てはまるように録音されます。従来の音声解説付きビデオクリップでこうした実例を見ることができます。このクリップを再生するには、プレイヤー内のCAR.SMIファイルを開く以外は、上記の手順に従ってください。(または、この映像の原稿をお読みください)
NCAMは、現在、SMILに映像を停止させ音声解説を再生する機能を付加することに、W3Cと共に取り組んでいます。この機能は、目の見えないユーザーに他の方法よりもっと多くの情報を提供することができます。
アクセシブルメディアについて詳細な情報は、NCAMのウェブ・アクセス・プロジェクトをご覧下さい。
- 最終更新日: 2000年1月6日
役に立つインターフェース
MITのPIVOTコースを受講している学生は、デジタル化された講義やヘルプセッション、電子版テキスト、双方向シュミレーションおよびデモンストレーション、オンラインでのテストなどに自由にアクセスできます。NCAM「PIVOTへアクセス」プロジェクトにチャレンジすることで、知覚障害者の学生にとってこうした情報がアクセシブルなものになります。研究中の方式のひとつに、音声読み上げウェブブラウザの利用があります。従来のスクリーンリーダーがマルチメディアなどサイトのいくつかの機能をクリアする必要があるのに対して、IBMのHome Page ReaderやisSoundのPwWebSpeakのような音声読み上げウェブブラウザは、PIVOTのWウェブサイトを使いこなすためのより効果的なツールとなります。
このスペースはまもなく、PIVOT ウェブサイトのページを読み上げる音声ウェブブラウザの実例を掲載しますのでご覧下さい。
- 最終更新日: 2000年1月6日
- URL移転対応等:2002年12月21日
※ 詳しい内容につきましては、原文サイトでご確認・お問合せください。