はあとリンク 翻訳館 全米盲人協会「ウェブ・アクセスのためのガイドライン」

National Federation of the Blind: Guidelines for Web Page Accessibility

概要と翻訳部分

全米50州にまたがり、50,000人のメンバーを有する視覚障害者の団体。「盲人の本当の問題は目が見えないと言う事ではない。問題は今ある情報についての誤解や欠如から来ている。盲人が適切な訓練と機会を与えられるなら、目が見えないということは単に身体的な不自由でしかない。」という言葉で始まるこのサイトでは、視覚障害者が社会参加する上でのさまざまな(教育、職業、書籍情報、登山挑戦から盲導犬など)情報を掲載している。コンピュータ関連について、視覚障害者がウェブにアクセスする際のガイドラインが簡潔にまとめられている。ウェブのユニバーサルデザインを考える際の参考として、そのページのみを紹介したい。11項目の指針が提言されている。(2000.07.29現在 翻訳担当:戸川秀樹)

(内容翻訳)

A. ホームページをアクセスしやすくするためのガイドライン

注: 以下のガイドラインは、全米盲人協会から提供されたもので、視覚障害者のために、ホームページが最大限のアクセシビリティと使いやすさを確保するよう提案されています。

1. 複数コラムのプレゼンテーションまたはテーブルの使用を避けてください。

ホームページの複数コラムのテキストまたはHTMLテーブルは、視覚障害者の大部分のアクセス技術では読むのが難しいか不可能になります。通常のアクセスでは、各コラムごとに区切らず、複数のコラムを横断して1行の文章として読んでしまうからです。最近特定のHTMLコードによっては適切に読めるものも現れていますが、ほとんどはまだそうなっていません。

2. あなたのホームページにハイパーテキストリンクを埋め込む時には、独立して意味が分かるような語句をリンクに含めてください。

視覚障害者がスクリーン・リーダーや点字アクセス技術を使用してホームページを閲覧する時は、たいてい、タブまたはシフト-タブ・キーがリンクからリンクへ移るのに使われます。その際、リンクのテキストが意味の分かる語句だと助かります。単に「ここ」とか「ここをクリック」しか書かれていない場合は何のことか分からないのです。そのリンクが何のリンクかが分かる語句があればより役に立ちます。「私たちの刺激的な提言があります『ここをクリック』」ではなく、「『刺激的な提言』を見よ!」のように書いて欲しいのです。

3. 隣接したリンクは切り離さなければなりません。

ハイパーテキストリンクは、ある種のハイライト形式で視覚的に示されます。盲目のユーザーは、テキストのどの部分がハイパーテキストリンクの中にあるかが分かる必要があります。2つの隣接したリンクが改行だけで切り離されると、視覚障害者のシステムによっては間違ってこれらを一つのリンクとみなしてしまいます。隣接したリンクの間には改行ではなく、スペースか画像か中点を置けばいいです。改行の後にこれらを置くのもよくありません。

4. あなたのホームページ上の全ての画像に短いテキスト記述を入れてください。

これは視覚障害者のシステムでは見ることのできない画像について、説明を与えるものです。視覚障害者がブラウズする時、画像表示をオフに設定するのが普通ですから、画像を示すテキストがなければ、彼らは全く画像情報に触れることができません。例えば、次のような記述をしてください。

<img src="nfblogo.gif" alt="NFBのロゴ:公平な機会を保証" width="182" height="169">

5. 単純なイメージ(例えば中点のアイコン)の場合、単純なAlt属性を書いてください。

中点のアイコンのALT属性に「alt="中点の項目"」などと書かないで下さい。画面が乱れたり、スクリーン・リーダーが突然暴走して言葉をしゃべり出したりします。単にHTMLでの<UL>コード(リスト表示)を使うか、または、中点を示すにはアスタリスクか小文字の「o」がいいでしょう。但し、その場合でも必ず後ろに半角スペースを置いてください。(例えばALT="*"またはALT="o ")

6. ハイパーテキストリンクに画像を使うことを避けてください。

視覚障害者がテキストオンリーのブラウザを使用していたり、画像表示をオフにしているとリンクは見つけられません。リンクとして画像を使わなければならない時は、別のテキスト・ファイルを用意してください。

7. イメージ・マップ(ISMAP)がある時は、代替手段を、イメージ・マップの上か下に置いて、マップの範囲に含まれる項目を選べるようにしてください。

イメージ・マップは、テキストオンリーのブラウザでは使用できません。ハイパー・テキスト・リンクはたいていマウスで選択され、キーボードでは容易にアクセスできないし、彼らのスクリーン・アクセス技術ではそれらを容易に見つけることができないのです。

8. グラフィックベースのファイル形式は、ASCIIファイルに代わるものだけとして使われなければなりません。文書が特定のフォーマットで提供されなければならない時は、同等のHTMLまたはプレインテキスト形式のテキスト・ファイルを提供してください。

ウェブサイトによっては、差別化を図ったり、特別な機能を提供するために通常では利用できない特殊なデータ構造やそのためのビューアーを紹介しています。これらの情報にアクセスするには、ビューアーをブラウザに組み込む必要がありますが、たいていこれらは、視覚障害者用のブラウザでは動作しません。

9. フォームで記入して情報要求するページはその代わりとしてのEメール・アドレスを付けてください。

一般的に言って、フォームはUnixとインターネット・エクスプローラー用のLynxのようなブラウザを使用している視覚障害者には問題ではありません。
フォームの使用で問題があるのはごく少ないでしょう。しかし、ウェブ上で記入するより、電子メールで送られたフォームに記入する方が簡単な場合があります。

10. Java APPLETを使用する時は、 代替テキストを用意してください。

Java APPLETは、特に画像表示をオフにしている場合、視覚障害者の利用は困難です。
例えば、Java APPLETを使ってアニメを表示しても視覚障害者にはそれを知るすべがありません。アニメの表示が必要な場合は、以下のようなタグを使用することを考えてください。

<APPLET CODE="tech.class" ALT="アニメ技術を使ったアイコン" WIDTH="200" HEIGHT="200">

11. あなたのページをHTMLフレームを使って設計する場合は、ノンフレームのページも用意することを配慮してください。

フレームが利用可能なブラウザの使用が視覚障害者間でも増えつつありますが、まだまだ多くの視覚障害者がHTMLフレームを処理する能力がないテキスト・ベースのブラウザを使用しています。また、フレームを取り扱うことができるブラウザを入手しても、視覚障害者のスクリーン・アクセス技術がフレームに対応するまではまだ時間がかかります。HTMLコードは、例えば以下のようにしてください。

<FRAMESET COLS="*,130">
<FRAME SRC="frame01.html">
<FRAME SRC="frame02.html">
</FRAMESET>
<NOFRAMES>
他のページ...
</NOFRAMES>

B. 関連するウェブサイト

  • 更新1998年4月14日
  • URL移転対応等:2004年03月18日
  • URL削除対応等:2017年11月24日

※ 詳しい内容につきましては、原文サイトでご確認・お問合せください。

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