概要紹介

コンピュータ独立支援センター(LINC)はメリーランド州ボルチモアにある非営利のコンピュータ情報センターで、障害のある子供から大人たちのコンピュータ技術を通しての独立を支援している。このサイトでは、LINCの概要紹介、提供するサービス、提供するサービスのカレンダー、LINCのニュースレター「Connection」、さまざまな補助技術、メリーランド州やその他の障害関連の情報などが掲載されている。

感想

「コンピュータを通しての独立支援」というLINCの目的はプロップと共通している。LINCでは成人の経済的・社会的な独立支援のほか、子供の学校・家庭での独立支援という点にも力を入れているのが特徴。提供されているプロジェクトやワークショップについても、障害者個人だけでなく障害のある子供の親のためのものや、アート関連のプロジェクトなど多彩である。

翻訳担当 渡部宏治

私たちの使命

コンピュータ独立支援センターLearning Independence Through Computers (LINC)は消費者主体の情報センターで、障害のある子供や大人たちにコンピュータ技術を利用する機会を提供し、個人あるいは会社・学校などの生活における独立と生産性を獲得させることを目的としています。

私たちのビジョン

LINCの将来に向けてのビジョンは、メリーランドに住むすべての障害者たちが、コンピュータ技術を知り、どのように利用するかを学び、それにアクセスすることによって独立を勝ち取り、生活の質を改善することです。

A. LINCについて

1. LINCとは

コンピュータ独立支援センター(LINC)は非営利のコンピュータ資源センターで、障害のある人々やその家族、専門家、職場のメンバーなどに補助技術やコンピュータ・システム、ソフトウェア、インターネットなどを体験したり試したりする機会を提供しています。組織の目的は、障害のある人々が家庭や学校、職場、共同体において彼らの潜在的な生産能力を充分に発揮することを支援することです。LINCは経済状態や年齢にかかわりなくあらゆるタイプの障害者に奉仕します。

2. LINCのスタッフ

 

B. LINCの会員サービス

1. 個人相談

あなたの体力、能力と障害、学校、職場、生活上のスキル、コンピュータ経験についての情報に基づき特別に用意されたコンピュータ、ハードウエア、ソフトウェアを試す1対1のセッションが組まれます。セッションの終わりには今後の計画について議論されます。相談は1時間から1時間半です。子どもも大人も両親や他の成人の親戚、教師、専門的な/言語/肢体のセラピスト、あるいは友人をセッションに連れてくることが奨励されます。

2. LINCのソフトウェア貸し出しライブラリ

特別に選ばれた300のマッキントッシュ用とウィンドウズ用のプログラム(主に子供と若い人向け)を備えています。会員は、最大4つのソフトウェアを最長5週間まで無料で試すことができます。同ライブラリーはソフトウェアの試用と返却のために、相談サービスの期間、オープンラボ、第一土曜日、そして予約によって利用できます。

3. LINCの器具貸し出しライブラリ

会員は最大2つまでの器具を1回につき最長5週間まで無料で試すことができます。LINCはいくつもの特別にデザインされたマウスや、タッチ・ウィンドウ、コミュニケーション・デバイス、電池やスイッチで動くファミリー用おもちゃを貸し出し用として提供します。

4. オープン・ラボ・アワー

時間のブロックでスケジュールされ、会員はその時間に来てハードウェアや補助器具やソフトウェアを試すことができます。会員は相談サービスのセッションで学んだ技術を練習することが奨励されます。この時間はマッキントッシュとウィンドウズのコンピュータを利用することができます。会員は電話で自分のオープン・ラボ・アワーのスケジュールを決めることができます。

5. 第一土曜日サービス

LINCのサービスを利用するためのより便利な時間帯(午前10時から午後4時、毎月の第一土曜日、休日の場合は次週の土曜日)が提供されます。またこれらの土曜日には補助器具やソフトウェアのベンダーによる紹介とデモも行われます。必要な時は待機しているLINCのスタッフが手助けしてくれます。会員は第一土曜日への参加を電話で事前にスケジュールすることができます。

6. 電話テクニカル・サービス

ハードウェア、ソフトウェアや補助器具についての会員の質問にスタッフが応えてくれる電話テクニカル・サービスがあります。

7. ニュースレター「コネクションズ」

「コネクションズ」はLINCのニュースレターで、新しいハードウェアとソフトウェア、イベント、LINCのプロジェクトに関するニュースなどについての情報が掲載されています。「コネクション」は年3回発行されてメンバーに郵送されます。

8. 会員料金

LINCのコンピュータ・ワークショップやその他の特定のイベントの参加が無料あるいは割引になります。個人または家族は年間100ドルです。財政的援助の適用があります。組織の場合は、組織内の個人のためのメンバーシップを購入することができます。

9. LINCのプロジェクト

1999年、LINCは以下のプロジェクトにおいて、限られた資金の中から障害のある人々へのサービスを提供します。

TechWorksプロジェクト(The TechWorks Project)

1998年10月に始まって2001まで続く主要なプロジェクトです。TechWorksはLINCがバルティモア障害者協会(BARC)とworkfirst株式会社と共同で推進しています。このプロジェクトの目標は、

  1. 知覚的または複合的な障害がある人々に技術関連の雇用を見つけること
  2. 就職前の技術的トレーニングを提供すること
  3. 仕事に就きながらの訓練、技術的サポート、作業宿泊所を提供すること
  4. バルティモア市の公立学校から移転した特殊教育の生徒に対するコンピュータ・トレーニングを提供すること

バルティモア市のEmpowerment Zoneの居住者には特別な配慮がなされます。プロジェクトへの参加については410-296-9675に電話して、TechsWorkプロジェクトについて問い合わせて下さい。TechsWorkプロジェクトはアメリカ教育省から資金を得ています。

家庭−学校技術協力プロジェクト(The Family-School Technology Partnership: FaST-LINC)

ボルティモア市の5つの公立学校で行われているプロジェクトで、そこでは、障害のある子供たちと彼らの教師、親たちが子供たちの学業成績や、読み、思考力、自己評価を向上させるためにコンピュータを使うことを学んでいます。教師たちは、教室で障害のある子供たちをサポートするためにどのようにコンピュータ技術や補助器具、ソフトウェアを使うかを学ぶトレーニングを受けています。このプログラムは近隣の学校の子供たちの包括的な教育についてもサポートしています。メリーランド州の教育省とバルティモア市の公立学校がこのプロジェクトに資金を提供しています。

インターネット/WWWアクセスセンター(The Internet/World Wide Web Access Center)

障害のある人々、彼らの家族、専門家、雇用者たちのためにデザインされています。参加者はLINCのスタッフによる一対一のコンサルティングを受けて、インターネットを探索するための特別な器具やソフトウェアの使い方、インターネットへのアクセスの仕方やいくつかの重要な情報源についても学ぶワークショップに参加します。USF&G財団(The USF&Gfoundation)とフランス−メリック財団(the France−Merrick Foudation)がこのプロジェクトに資金を提供しています。

在宅サービスプロジェクト(The Home Services Project)

在宅の個人やLINCに通うのが困難な人々に適切な?コンピュータ技術をもたらします。LINCの技術スタッフはこれらの人々が補助的な技術、コンピュータを用いたコミュニケーション、環境制御機器を選んだり、習得したり、使ったり、修理したりすることを助けます。サービスを受ける人は、ALS (筋萎縮側索硬化症)、Multiple Sclerosis(多発性硬化症)、quadriplegia(四肢麻痺)、盲目などの障害があります。このプロジェクトはメリーランドホーム・アンド・コミュニティ財団(The Maryland Home & Community Care Foundation)の資金提供を受けています。

夏期アートプログラム(The Summer Arts Program)

障害のある子供たちにも持たない子供たちにもコンピュータを使ったアート活動のユニークな機会を提供します。子供たちは共に作業をし、コンピュータ能力を向上させ、協力しながら学ぶ状況に参加して、アートに対するより深い認識を得ます。彼らは学んだ技術とLINCのリソース・センターで利用することのできるソフトウェアを使って、彼ら自身のグラフィック・アートを制作します。彼らはまたアート関連の団体への旅行に参加して、障害のある成功したアーティストに会います。

ボルティモア市援助プロジェクト(The Baltimore City Outreach Project)

このプロジェクトの目標は、ボルティモアの低・中所得地域に住む障害のある子供たちが必要とされる補助的技術を使うことを増進することです。これはまた、彼らに学校や家庭において新しい技術を学んだり、使ったりすることを可能にします。このプロジェクトは、その対象とする範囲を広げる努力と、追加された家族や子供たちに対する直接のサービスによって、市内の障害のある子供を持つ家族の間に新たなふれあいをつくりあげています。このプロジェクトはウィリアム・G・ベーカージュニア記念財団(The William G. Baker, Jr. Memorial Fund)によって資金提供されています。

幼児のための技術プロジェクト(Tech for Tots)

小さな子供たちやその親たち、そして州によって資金提供された早期教育プログラムのセラピストに対して、必要な技術を紹介するプロジェクトです。このプロジェクトは毎年他の国においても提供されています。このプロジェクトはメリーランド州教育省の子供と幼児のためのプログラムから資金提供を受けています。

10. LINCでのトレーニング

LINCのスタッフと我々がコンタクトをとっている専門家や販売者は我々が提供するトレーニングにおける補助的技術に関連した多くのトピックスを持っています。我々は障害のある成人や子供、親たちや専門家のためのトレーニングを行っています。もしあなたがトレーニングが必要なら、気軽に電話して下さい。以下は現在または過去に行われたトレーニング・セッションに関するトピックスです。

LINCでの冬期のワークショップとトレーニング

初心者のためのWindows98

2月3日−このワークショップはWindows98の基礎を学びます。コンピュータの設定、ソフトウェアのインストール、たくさんの機能を使うためにデスクトップを変更するなどの方法を学びます。参加者はファイルを管理したり見つけ出したり、スタートメニューにアイテムを追加したり、ヘルプメニューを使ったりする方法を学びます。補助器具やソフトウェアを利用することができます。

ジョーズ体験講習

2月3日−このワークショップはWindows98の基礎を学びます。コンピュータの設定、ソフトウェアのインストール、たくさんの機能を使うためにデスクトップを変更するなどの方法を学びます。参加者はファイルを管理したり見つけ出したり、スタートメニューにアイテムを追加したり、ヘルプメニューを使ったりする方法を学びます。補助器具やソフトウェアを利用することができます。

援助技術とIEP(Assistive Technology and the IEP)

3月8日−この発表は補助技術(AT)と個人教育プログラム(IEP)に焦点をあて、補助技術(AT)の法的な定義、補助技術(AT)の評価、個人教育プログラム(IEP)における補助技術(AT)について、誰が補助技術(AT)機器やサービスについて支払うべきか、親たちは個人教育プログラム(IEP)の計画にどのように補助技術(AT)を含むべきか、などについてもふれます。LINCは親たちとともに補助技術(AT)の導入の開発を進めることができます。

インターネット体験講習

3月30日−参加者はどのようにインターネットに接続して欲しい情報を効果的に、タイムリーに得るかを学びます。参加者はe-mailの送受信やデータベースの調べ方、特に興味あるニュースグループについて学びます。必要な器具やソフトウェアを利用することができます。

Dynavoxその他

4月5日−Laetare SolutionsのLinda Carmanが増大する発信機?に対する革新的な解決方法のデモを行います。

過去のワークショップとトレーニング

補助技術の概要

LINCのコンピュータ・ラボにある専門ソフトウェアや補助器具を見て試すことのできる機会です。これは専門家のための2−3時間のワークショップで、彼らの対象とするグループにふさわしいさまざまなソフトウェアや器具が紹介されます。

使ってみようBoardmaker

言語/コミュニケーション障害のある子供たちと独自のコミュニケーション・ボードを開発したいという特殊教育の専門家や親たちのためのワークショップです。

学卒業生と在学生のためのワークショップ

言語セラピーの学生たちが参加する2日間のプログラムで、ここで彼らは言語/コミュニケーション障害のある人のために使うのに適切な、増えてきたコミュニケーション・ソフトウェアとハードウェアに慣れました。

使ってみようデジタルカメラ、ファミリー向けワークショップ

言語/コミュニケーション障害のある子供たちと独自のコミュニケーション・ボードを開発したいという特殊教育の専門家や親たちのためのワークショップです。

ファミリー向け技術ワークショップ

障害のある子供たちの親のための補助技術を利用する上での実習トレーニングです。親たちは補助技術のツールや利用のための戦略や財源について気づくようになります。

インターネット・デモ・トレーニング

視覚・身体・学習障害や精神遅滞、読書能力障害のある人々のための、適切なハードウェアやソフトウェアを使って行うインターネット・アクセスのトレーニング。

JAWS for Windowsトレーニング

Windows95/98、Microsoft WordでのJAWS for Windowsの20時間のカリキュラムによるコンピュータ技術トレーニング。

C. カレンダー

当月、翌月でのトレーニング、プロジェクト等のスケジュールを表示。

D. ニュースレター「コネクションズ」

「コネクションズ」はLINCの会報で新しいハードウェアやソフトウェアの情報や、LINCの今後のイベント、そしてLINCが特別に資金を出しているプロジェクトが掲載されています。「コネクションズ」は年3回発行され、会員にメールで送られています。

1. コネクションズ2000年1月号

  • LINCカレンダー
  • LINCで行われた冬のワークショップについての記述
  • 補助技術と個人教育プログラム(IEP)
  • J.C.ステュアート財団(J.C.Stewart Memorial Trust)がLINCのプルジェクトに25,000ドルを授与
  • LINCの新しいプロジェクトにCorporate Contributionが資金を提供
  • LINCの新しいソフトウェア、SkillsBank4、Unifix Mathその他
  • 音声認識ソフトの選び方
  • The Twiddler−片手用にもできるキーボードとマウス
  • ボビー・シース(Bobbie Sease)
  • ウェブサイトについての提案

2. コネクションズ・アーカイブズ

  • 補助技術情報
  • LINCのプロジェクト
  • プロフィール
  • ソフトウェア
  • その他の興味深い記事

E. メリーランドの情報源

  1. 補助技術について
  2. 特定の障害に関する情報
  3. 子供の親たちのために
  4. 健康関連のリンク
  5. 教育とデイケア
  6. レクリエーションと芸術活動
  7. 雇用とリハビリテーション
  8. 法律と養護に関する情報
  9. メリーランド州以外の情報源

F. 補助技術

Connections Articles about Assistive Technology
補助技術に関する「コネクションズ」の記事

  • あなたの子供はなぜコンピュータが必要か?
  • 補助技術とは何か?
  • 補助技術への資金提供
  • 補助器具レビュー
  • 障害のある人々のためのコンピュータ情報源
  • 増加するコミュニケーション・デバイスを選ぶコツ

G. その他の情報源

国の情報源

障害のある人とその家族のためのたくさんの情報源がメリーランド以外でも利用可能です。

もし情報源として加えたほうが良いと思われるお気に入りのサービスやウェブサイトがあれば、私たちにメール(newlinks@linc.org)して下さい。

中部アトランティック地区ADA情報センターは10の地区センターのうちの一つで あり、ADA法(Americans with Disabilities Act)に基づいて企業や消費者、 州や地区の行政に対してトレーニングや情報、技術的な援助を提供します。
451 Hungerford Drive, Suite 607, Rockville, MD 20850-4151.
Phone: 800-949-4232 v/tty or 301-217-0124 v/tty.
http://www.adainfo.org/

The Alliance for Technology Access は、27の州とヴァージン・アイランド内の41の共同体主体の技術センター、60の技術デザイナーと開発者からなる国のネットワークです。
ATA技術情報センターは障害のある子供たちや大人たち、親、教師、雇用者その他がコンピュータ・システム、補助デバイスやソフトウェアを試すことを支援します。
http://www.ataccess.org/

Closing the Gapは、特別なニーズを持つ人々のためのコンピュータ技術に関する団体です。
その広大なウェブサイトは、特別なニーズを持つ人々のためのハードウェア、ソフトウェアの検索可能なデータベースがあります。
http://www.closingthegap.com

disABILITY Information and Resourcesは、障害のある人のためのウェブの情報源の長いリストです。
http://www.makoa.org/

国立青少年障害者情報センター(National Information Center for Children and Youth with Disabilities)は、多くの団体を掲載している膨大なリストです。それぞれのリストはさまざまなサービスや情報を障害の分野に関わる個人−親たち、特殊教育および一般の教育者、障害者等−に提供しています。
A listing of organizations P.O. Box 1492,
Washington, DC 20013. Phone:1-800-695-0285 (Voice/TTY). http://www.nichcy.org

国立リハビリテーション情報センターは、障害関連の60,000の記録からなる検索可能な5つのデータベースがあります。文書、団体、タイムリ−な情報、最新の研究などのデータがあります。
1010 Wayne Avenue, Suite 800, Silver Spring, MD 20910. Phone:800/346-2742 (V) or 301/562-2400 (V),
301/495-5626 (TT). http://www.naric.com/search/

  • URL移転対応等:2004年3月18日

※ 詳しい内容につきましては、原文サイトでご確認・お問合せください。

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