Windows 7にも内蔵されているAssistive Technologies

2012年8月8日

プロップ・ステーションのカウンターパートである、米国防総省CAP (Computer/Electronic Accommodations Program:電子調整プログラム)から送られてきた最新情報をご紹介します。

Windows 7のパソコンにあらかじめ内蔵されている障害のある人のための支援ツールの使用方法について、文章とユーチューブの映像で詳しく解説しています。ぜひお読みくださいね!

<by ナミねぇ>

 

Windows 7にも内蔵されているAssistive Technologies

訳文:池田尚子(プロップ神戸)

 

Embedded Technologies (内蔵されたテクノロジー)

支援技術調整を受けるのに、長い間待たされる人もいるだろう。一時的な解決策として、すでにご自分のパソコンに入っているテクノロジーをお使いいただくことが可能である。

マイクロソフトやアップルのパソコンには、追加料金がかさむことなく、標準機能の一部として支援技術が内蔵されている。このように内蔵されているものは、CAPに依頼できる支援技術解決策に比べしっかりしたものでなはいが、短期間においての代替手段になってくれるかもしれない。マイクロソフトやアップルのコンピューターシステムには、ユーザーの便宜を図る様々なアクセシブル機能が付いている。

例えば、視力障害のある人のためにいろいろなオプション機能がある。弱視の人には、拡大ツール、マウスポインタの拡大に使うポインターエンハンスメント、目を疲れにくくするためのカラーコントラストが付いている。また全盲の人には、Narrator(Windows 7にインストール)やVoiceOver(MAC OS Xにインストール)などのスクリーンリーダー機能が付いている。どちらも、エラーメセージなどの音声表示や資料、ホームページ、メールの内容の音声読み上げが可能である。

聴力障害のある人には、音声によるアラートに加え、視覚によるアラートが表示される。

上肢運動機能障害の人はオンスクリーンキーボードを使い、マウスやポインティング・ディバイスで文字キーを選択することができる。また、「スティッキー・キー」という機能は,キーシーケンスをキーコンビネーションとしてみなすことができる。ほとんどのパソコンには音声認識/音声入力機能がついており、ユーザーは自分の声でパソコンの操作が可能である。

 
補足: スティッキー・キーとは
Shiftキーを押しながら他のキーを押すといったような二つのキー、さらには三つのキーを同時に押すという操作を、それぞれのキーを順に押すことで入力が可能になります。同時に押すという動作をサポートする機能です。
 

スマホの利用者は無料、もしくは安い1回払いの料金でアプリをダウンロードでき、自分のスマホをアクセシビリティツールに変えられる。弱視の人には画面拡大アプリ、ろう者にはビデオ通話、上肢が不自由な人には音声認識アプリ、コミュニケーション障害のある人にはテキストの読み上げのための、認知障害の人には読み書きのためのアプリがある。

パソコンのアクセシビリティ機能を使うには、スタートボタン、コントロールパネル、Ease of Accessをクリックし、最後にEase of Access Center をクリックして開く。マックの場合、System Preferencesを開きUniversal Accessをクリックする。

 

YouTube (ユーチューブ) 映像での解説と訳文

Embedded Technologies (内蔵されたテクノロジー)

多くの場合、CAPサービスの利用者は支援技術を使用することによって、よりスムーズに、効 率的に職務をこなせている。たが、支援技術がパソコンにすでに内蔵されており、新しい技術が必要でないこともある。

内蔵されている支援技術は、通常CAPが提供している最高仕様のそれと同じように強力なものではないが、多くの状況でニーズにこたえてくれることがある。こういった支援技術は、アクセシビリティオプションを使って簡単にセットアップでき、カスタマイズすることができる。

Windowsの場合、スタートボタン、コントロールパネル、Ease of Accessを選択し、最後にEase of Access Center を選択して開く。Macの場合は、Universal Accessにあるオプションを変更する。

弱視の人は(画面・文字)拡大ツールが必要なことがある。Windows とMacの両システムにはスクリーンリーダーが内蔵されている。

聴覚障害のある人には、音声や話し言葉に代わり、視覚によるアラートが表示される。

上肢に運動機能障害のあるユーザーには、システムをカスタマイズするオプション機能がたくさん付いている。例えば、オンスクリーンキーボードは、標準配列のキーボ−ドがパソコン画面に写し出されるもので、マウス、あるいは他のポインティングディバイスを使って文字キーを選択できる。

キーシーケンスをキーコンビネーションとしてみなす「スティッキー・キー」というのがある。例えば、タスクマネジャーを起動するのに、Ctrol、Alt、Deketeなどの複数のキーを同時に押すのではなく、ひとつずつ押していくことができる。テンキーを使ってカーソルを操作するオプション機能もある。

Windows やMacのパソコンには音声認識機能も付いている。ユーザーはマイクに向かって口述することで、音声認識機能を使ってEメールや資料を作成できる。

アクセシビリティ機能に加え、それ以外の機能を使うことで更にパソコンが使いやすくなる。 例えば、多くの人は単に画面の解像度(スクリーンソリューション)を高めて、表示される文字などを読みやすくしている。

ユーチューブサイトでご覧いただく場合はこちらでどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?v=-L57FOHnF1s

 
(翻訳者の補足)
日本のWindows 7でも、コントロールパネルの中にある「コンピューターの簡単操作」を選択し、「コンピューターの簡単操作センター」を選択すると、同様のパソコン支援ツールが使用できます。

 

関連リンク

CAPのサイト

プロップ・ステーションによるCAPの紹介(日本語)

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