ICTで広がる障害者在宅勤務
神戸で研修会 80人聴講
毎日新聞 2018年12月12日 より転載
障害者の就労や在宅勤務を支援する「しごとサポートICT」(神戸市東灘区)が「スキルアップ研修会」を中央区で開いた。ユニバーサルデザインを提案する会社「ミライロ」(大阪市)の講師で、車椅子で生活する岸田ひろ実さん=神戸市=が「チャレンジドが誇りをもって働ける社会に!」をテーマに講演。障害者や福祉事業所の関係者ら約80人が聴講した。
「チャレンジド」とは、障害を前向きに捉えて挑戦する人という意味合い。岸田さんは講演で、知的障害のある長男の出産や、10年前に病気の後遺症で下半身まひとなり「死にたい」と思い詰めた経験を語った。現在はミライロに所属し、すべての人にとって心地よい対応ができるよう目指す「ユニバーサルマナー」の普及に向けた講演活動に従事。在宅勤務を含めた自らの働き方や、視覚や聴覚などさまざまな障害のある人が、コミュニケーションを取りながら情報通信技術(ICT)を活用して就労している事例を紹介した。
しごとサポートICTは、神戸市が全国に先駆けて昨秋開設し、パソコンなどICTを習得することで、障害者の自立を促進している。社会福祉法人「プロップ・ステーション」(竹中ナミ理事長)が市から委託を受けて運営している。
【木田智佳子】
プロップ・ステーション理事長の竹中さん(左)と話す岸田さん=神戸市中央区で