交遊抄 「チャレンジド 岸本周平」

2018年5月30日

 

チャレンジド 岸本周平

日本経済新聞 2018年5月30日発行より転載

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チャレンジド 岸本周平

「チャレンジドを納税者に」。障がいのある人がIT(情報技術)のスキルを身につけ、仕事をしてもらうとの目標を掲げて活動するのが社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミさんだ。皆が「ナミねぇ」と呼び、ナミねぇは「周平ちゃん」と、ちゃん付けで呼び合う仲間だ。

ナミねぇとの出会いは私が米国留学から帰国した後。関西出身の親しみやすさとバイタリティーに引かれ、型破りな官僚がたくさん集まった。私は通産省(現経産省)でITを担当する課長で、何度も教えを請うた。私心がなく、公職も引き受ける生きざまそのものが刺激的だった。官僚を辞めて企業に転職するときは「おもろそうやん。やったらええやんか」と勇気づけられた。国政に挑んだときも背中を押してくれた。

「チャレンジド」はかわいそうな人ではなく「神様から挑戦するチャンスを与えられた人」。体に不自由な部分があろうとなかろうと、常に挑戦を続ける姿勢は私たちにも必要だ。国会議員の仕事とともに、障がい者雇用は私のライフワークになった。

ナミねぇはバンドのヴォーカルという顔もある。昨年は衆院選もあり、歌を聞いたり、楽しくお酒を飲んだりする機会から遠ざかってしまった。久しぶりにナミねぇのパワフルな関西弁に圧倒されたい。(きしもと・しゅうへい=衆院議員)

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