昇り龍のナミねぇライブ
2018年3月7日
昇り龍のナミねぇライブ
檸檬新報 2018年3月7日発行より転載
昇り龍のナミねぇライブ
チャレンジド(挑戦するチャンスを神様から与えられた人々=障害者)をタックスペイヤー(納税者)に、という理念を掲げて東奔西走する竹中ナミさん。社会福祉法人「プロップステーション」の理事長という肩書きなのだが、どんなときでも、愛称の「ナミねぇ」で貫き通している。
昨年12月7日。神戸・新長田で「ナミねぇ&ゆうカルテット・ライブ in 神戸新長田」が開かれた(写真)。なんでも足の半月板を損傷したとかで、ステージに現れたナミねぇは、ステッキを使い、時おり椅子に座って熱唱した。
あの阪神淡路人震災「1995年1月)から少しずつ、復興・再生の道を歩いてきた新長田。地元のみなさんの労をねぎらいながら、「震災で、私の家も丸焼けになりました」と、自らの被災体験にもふれた。
「10いくつ事故があるのがナミねぇライブ。でもきょうは、いつもより落ち着いているかな・・・」とナミねえ。
事故というのは、歌いたしのタイミングを問違ったりすることなどを指すらしい。
それも愛嬌と、その時は思っていたが、「ナミねぇがNHKのジャズライブKOBEで歌っていたよ」の一報が入ってきた時には、驚いた。今年1月19日の金曜日夜のこと。でも、杞憂だった。ナミねぇは、ムードたっぷりに堂々と歌い上げていたという。
「弱者に福祉をしてあげる国」から「弱者を一人でも弱者でなくして行くプロセスを福祉と呼ぶ国」にしたい・・・ナミねえのそんな揺るぎない信念が、国や社会を動かしてきた。
ライブが「昇り龍」のように勢いづくのも、プロとか素人とかいう領域を超えたところに広がる、ナミねぇの人間力ゆえの輝きなのだろう。
(編集長 平田篤州)