メール de ナミねぇ 【第106号】 by Prop Station

2010年5月18日

◇◆◇            (平成22年5月18日発行)◆◇◇
◇◆◇  メール de ナミねぇ 【第106号】     ◇◆◇
◆◆◆                          ◆◇◆
◇◆◇           プロップ・ステーション理事長 ◇◆◇
◇◆◇               竹中ナミ(ナミねぇ) ◆◇◆
◇◆◇                          ◇◆◇
◆◇◇           by Prop Station◇◇◆
           http://www.prop.or.jp/

■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇

『メール de ナミねぇ!』はMSゴシックなどの等幅フォントでご覧下
さいね!

■□◇◆ 第106号 目次 ◆◇□■

【1】「KSC in 東京 チャレンジド・プログラム Vol.3」
          開講式&第1回講習会が開催されました
【2】ナミねぇ、息子の結婚式に出席するため、
      母とともに、生まれて初めてタイ旅行、の記
【3】活動報告
【4】今後の講演など予定

☆速報はツイッター( http://twitter.com/nami_takenaka )で!
 詳報はメルマガで!

================================

■□◇◆「KSC in 東京 チャレンジド・プログラム Vol.3」
          開講式&第1回講習会が開催されました◆◇□■

ナミねぇです。去る5月15日(土)に、原口一博総務大臣をご来賓に
お迎えし「神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC) in 東京 チャレ
ンジド・プログラム Vol.3 開講式&第1回講習会」が開催されました。

一昨年に発足したKSCは、「スウィーツの世界で活躍するチャレンジ
ドを生み出そう」を合言葉に、チャレンジドの就労支援に取り組むプロ
ップ・ステーションと製粉業界最大手の日清製粉がタッグを組んで、施
設や作業所でお菓子作りに励むチャレンジドたちに、超一流のパティシ
エがボランタリーに指導に当たる「チャレンジド・プログラム」を実施
しています。

本年度も8名の意欲あふれるチャレンジドが参加しスタートしましたが、
本年度は後援をいただいている総務省の協力で講義の模様をインターネ
ット中継し、遠隔地にいるチャレンジドにも講義の模様を配信し学習で
きるシステムを構築するべく準備を進めています。

そしてその一環として、このたびインターネット動画配信サイトのユー
ストリームを利用して開講式と第1回講習の模様を中継いたしました。
この録画映像が以下のURLでどなたでもご自由にご覧いただけますの
で、是非ご覧になってご感想などお寄せいただければ嬉しいです。

ICTを利用してチャレンジドの就労支援に取り組むプロップ・ステー
ションの新しい試みを、どうか皆さん応援してくださいね!

<by ナミねぇ>

■開講式の映像
http://www.ustream.tv/recorded/6930013
<内容>
 主催者 開会の挨拶 プロップ・ステーション理事長 竹中ナミ
 ご来賓挨拶 原口一博 総務大臣
 主催者挨拶 日清製粉 石神真二 取締役研究開発本部長
 後援組織ご挨拶
 厚生労働省 木倉敬之 社会・援護局障害保健福祉部長
 農林水産省 藤本一郎 大臣官房参事官
 東京都 芦田真吾 福祉保健局 障害者施策推進部長
 兵庫県 東徹志 東京事務所長
 神戸市 東海林勉 保健福祉局参事
 講師紹介(八木・西川・永井・野澤・白岩)、助手紹介
 受講生紹介(パティシエをめざす、精神・知的チャレンジド8名)
 協力企業紹介
 チャレンジド・プログラムVol.3の説明と心得(八木講師)

講習会の映像(その1)
http://www.ustream.tv/recorded/6931983
<内容>
 永井講師 実技講習(第1回フィナンシェ)
 八木講師より次回以降の講習の紹介
 各講師の講評など
 NPO法人日本セルプセンター清島眞 事務局長・常務理事 ご挨拶
 講師紹介(近藤)
 主催者挨拶 日清製粉 佐々木明久 取締役社長

講習会の映像(その2)
http://www.ustream.tv/recorded/6935189
<内容>
 ナミねぇ閉会の辞

第1回フィナンシェのレシピ(PDF)
http://www.kobesweets.org/img/ksc-recipe_100515.pdf

================================

■□◇◆ナミねぇ、息子の結婚式に出席するため、
        母とともに、生まれて初めてタイ旅行、の記◆◇□■

ホームページではたくさんの写真入りでご覧いただけます。
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01.html
※このページが重い場合は各日付毎のリンクでご覧くださいね。

2010年5月2日(日)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01_1.html

母(83歳)と弟とナミねぇの3人で、am8:00伊丹空港から成田空港へ。
成田空港から、バンコク経由でチェンマイへ向かう、という行程です。

タイの政情が不安定で、死者の出る国内紛争が起きているため、出発で
きるか心配やったけど「バンコク空港から出ることのない乗継ぎだけな
ら大丈夫」と、外務省が発表したので、ちょっとドキドキしながら出発。

飛行機は、往復とも全てANAを利用。
旅行社:トップツアーに勤務する友人「寅ちゃん」が、割安のチケット
を手配してくれたうえに、母の車椅子についてもキチンと連絡をしてく
れていたので、どの空港でも親切なスタッフがアテンドしてくれました。
心から感謝!

成田からバンコクが6時間、バンコクからチェンマイが1時間。
日本とタイの時差は2時間なので(タイが2時間早い)、時差ぼけもなく、
無事チェンマイ空港に到着。

結婚式の準備のため、一足先にタイに行った息子ヒロアキと、奥さんで
タイ人のエリさん&娘のユキちゃん(10歳、小4)、そしてエリのお兄
さんの奥さん(パーカイさん)がチェンマイ空港で出迎えてくれました。

ヒロアキ一家と合流
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_06s.jpg

気温42度!!
日本を出た時は20度やったので、その差なんと22度。
流石に暑い!!
でもサラッとした暑さで、不快感なし。
車で、息子一家が滞在する宿泊先「ホテルPuka(プーカ)」に向かいま
す。

オーナーが贅を尽くしたタイ北部様式の(木と石で造られた)落ち着い
たホテル「Puka」は、南国の樹木と花々に囲まれ「隠れ家的」な佇まい。

南国の花咲くPukaの庭
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_08s.jpg

部屋は8室しかなく、泊まり客は私たちだけという贅沢さ!
でもさすがにこの夜は、Puka特製サラダを中心にした軽い夜食をとった
後、バタンキューと寝てしまいました!

☆「4つ星ホテルPuka」のホームページは、こちら 。
http://www.pukaboutiqueresort.com/

        ◇       ◇       ◇

5月3日(月)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01_2.html

一夜明けて・・・様々な鳥の声で目覚めるという、タイ旅行ならではの
朝を迎えました。田園の中の広大な敷地に建られたホテルPukaの庭は、
無数の草花と樹木に溢れ、「植物博士」の異名をとる母は大喜び。
山野草が好きで、日本の植物の名は雑草まで知ってる(あ、「雑草」っ
て呼び方は、母に言わせると凄く失礼やそうで、すべての草花には名前
があるとか)という母にとって、Pukaは一目で気に入った様子。

車椅子を降りて、ゆっくり歩きながら草花を愛でる母を見て、一緒に来
れて良かったと、しみじみ思ったナミねぇです。

Pukaでの食事は、小さな沼のほとりに建てられた、柱と屋根だけのオー
プンな食堂でとります。

蓮の花の咲く静かな水面の下に、実はナマズがいっぱい棲んでいて、ユ
キちゃんがエサを投げると、ヒゲの生えた大きな口をあけて、バチャバ
チャ水面に上がって来るので、ビックリ。

タイは高齢者をいたわり尊重する国柄だそうで、エリもとても母に優し
く接してくれるんやけど、Pukaのオーナーも、母が一緒に来たことをと
ても喜んでくれて、タイ語が分からない母に英語で色々話しかけてくれ
ました。
スタッフも素朴な人たちばかりで、母が庭に出ると必ず誰かが寄り添っ
てくれるので、母はすっかり「女王様気分」に浸ることが出来ました。

朝ごはんを済ませて、エリのお兄さんの家を訪問。

4−5年前に建てられた新しいお家で、庭には草花がいっぱいあり、母は
ここでも大喜び。甥っ子でハンサムボーイのベン(21歳、学生)と一緒
に、記念写真を撮りました。

お兄さんの家の後は、牛が放牧された田園の中を車で少し走って、エリ
の実家を訪問。

エリの実家。国王の写真の入ったカレンダが壁に
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_19s.jpg

エリと笑顔がそっくりな(笑うと目がなくなっちゃう!)お母さんと、
とてもフレンドリなお父さんにお会いし、一目で仲良しに。

ちなみに、チェンマイは日本でいう県にあたります。昔はここが王国で
首都だったそうで、寺院も多く、日本で言う京都のような土地柄。
「タイのホンマの首都はチェンマイ」というプライドを持つ人も多いそ
うです。
エリの実家は、チェンマイの北東、サンカンペン市の「メポン村」とい
う所でした。

ご両親とお兄さん夫妻の案内で、国王の寄進で建立されたという高僧の
寺院「ワット・パートゥン」に連れて行ってもらいました。
「ワット」というのはタイ語で「寺院」のことやそうです。

タイでの僧侶は、いわゆる「エラい人」ではなく、住民にとって「仏教
(仏様)と人間の橋渡しをする役目の人」という位置づけだそうで、僧
侶らの生活は、すべて地域住民の寄進によるとか。

また、タイの男児はすべて中学生くらいに、僧侶修行をする習慣がある
んやそうです。
修行の期間は自由で、3日から数カ月まで、まちまち。
エリのお兄さんと弟も、2−3ヶ月修行したとのことでした。

「ワット・パートゥン」の次は、公営の温泉公園「ナンプーロン・サン
カンペン」へ。
高温の源泉が10数メートルの吹き上げるこの温泉は、花と緑の庭園の中
を「温泉の川」が流れています。

国営の温泉公園「ナンプーロン・サンカンペン」源泉が、いつも吹き上
がっている
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_24s.jpg

上流はとても熱いけど、下流に行くほど温度が下がって、来場者は自分
の好きな温度の川に足を浸して休むことが出来ます。

竹籠に入れた鶏卵やうずら卵を購入し、源泉の泉に13分ひたして美味し
い湯で卵の出来上がり!

足湯でくつろぎながら、ヤシの実のジュースや色とりどりの果物や、こ
の玉子を食べながら、のんびり過ごせるこの公園は、チェンマイの人た
ちのお気に入りの場所やそうです。

その後、皆で「元は田んぼやったけど、今は川になってる所の上に建て
られたレストラン」に行って、川魚などを中心にした夕御飯を食べまし
た。

川の上のレストランで夕食
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_34s.jpg

タイでは生演奏をしているレストランが多いそうなんやけど、このお店
では男性のシンガーがギターの弾き語り。
日本の、7−80年代のフォークやカントリーソングに似た、とても親近感
を感じるメロディが次々流れてきて、思わず「これって、たくろうじゃ
ん!」などと言いながら、めずらしいタイ料理に舌鼓を打ちました。

「タイ料理は辛い!」という先入観が有ったんやけど、思ったより辛く
なくて「辛いの苦手」な私は、ホッ。
でも中にはとんでもない辛さのタレ(香辛料)があり、泣きながら咳き
込むことも。
なかなか油断のならん、タイ料理なのでした。

食べてる途中で稲妻が光り、雷鳴が轟き、いきなり激しいスコールが!
でもそのおかげで少し涼しくなり、帰る頃には雨も上がって爽やかな夜
を過ごすことができたのでした。

        ◇       ◇       ◇

5月4日(火)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01_3.html

いよいよ今日は結婚式当日。

3日目の朝食
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_39s.jpg

でも花嫁エリは、全然いつもと変わらない様子で「今日は夕方式場に入
れば良いから、それまでタイシルクの名店を案内するわ」と言ってくれ
て、皆で車に乗り込み、お土産を買いに出発。
カイコが造る繭から糸を取り出す工程と機織りが見られる工場が併設さ
れた「タイシルク・ビレッジ」というお店で、日本では想像できないく
らい安価な、ホンマもんのシルクのシャツやスカーフを買い込み、ライ
ブ用の衣装にもパーティ用にも着られる黒のロングスカート(サイドに
真っ赤なプリーツが入ってて、メチャおしゃれ!)も衝動買いして、ル
ンルン気分でお店を出ました。

タイは銀製品も有名やそうで、銀を溶かし、加工し、様々なアクセサリ
ーなどに仕上げる工場では、クーラーが無く大変な暑さやのに、たくさ
んの人たちが整然と機械に向かって働いていました。

「工場見学」というので、財布を車に置いたまま入ったら、併設されて
るショップではうっとりするようなアクセサリーをいっぱい販売してて、
見とれてる私にエリが「黒オニキスのついた銀のブローチ」をプレゼン
トしてくれました。
こんな母親でえぇんやろうか・・・でも、ありがとう、エリ!!

そして夕方の4時頃、ついにチェンマイのパータン村にあるランナー様
式の結婚式場「マオンファイ」に到着。

結婚式場に到着(パータン村の「マオンファイ」)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_46s.jpg

「絶対、日本の結婚式場からは想像できへんし、言葉でも説明できへん
所や」とヒロアキから聞いてた通り、どっしりした木造の「村の大きな
集会場」といった趣と、荘厳な雰囲気、そしてアットホームな温かさの
在る不思議な建物、それが「マオンファイ」でした。

入口で履物を脱いで裸足になり、木の階段を昇ってまずは「衣装部屋」
へ。
華やかなタイの衣装が所狭しと並ぶ部屋で、それぞれが着る衣装が選び
出され、一人ひとり順番に着付けとお化粧をしてもらいます。
勿論、エリの花嫁姿の完成に一番時間がかかったんやけど、それはもう
美しい花嫁さんの誕生でした。
エリいわく「絶対、私じゃない〜!」

新郎の衣装に着替えたヒロアキと花嫁エリは、まるでタイの王子と王妃
のようで、改めて「タイ式結婚式」の素晴らしさを堪能しました。

まるでタイの王子と王妃のような二人!
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502s.jpg

母のタイ衣装姿もなかなか素敵で、なんとなく「ゴッドマザー風」
ご両親から「王様の奥さんに似ているね」と言ってもらって、嬉しそう
にはにかむ母でした。

私も着付けだけじゃなく、髪をアップに結って髪飾りを付けると全く別
人みたくなって、母が気付かないほどに!
ユキちゃんも、小学生と思えない「おしとやかなタイ美少女」に変身。

髪を結ったユキ&ナミねぇ
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_51s.jpg

そうして日が暮れ始める頃には、大勢お祝いの人たちが集まって下さり、
伝統的な結婚式が始まったのです。

大勢の参列者に囲まれ、結婚式が始まる
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_57s.jpg

司会も、導師様も、歌舞音曲を奏で、舞い踊る人たちも、すべて一流の
人たちを厳選したそうで、それはそれは華やかな結婚式でした。

一番印象的やったのは、参列下さった全ての人が、新郎新婦の手首に
「縁紐(えにしひも)」を結ぶこと。
「縁紐(えにしひも)」というのは私が勝手に名付けたんやけど、柔ら
かい白の木綿糸をより合わせた長い紐を適当な長さに引きちぎって、手
首に巻き付けるものです。
普通は、僧侶や目上の人に巻いてもらい、自然に解けたり切れたりする
まで、ずっと付けておくものやそうですが、結婚式では百本以上になる
ので、3日間巻いた後、はずすそうです。

エリの両親から「縁紐」を結んでもらう新郎新婦
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_65s.jpg

チェンマイなどの田舎では、今でも家々で木綿糸を紡いでこの紐を作っ
ているとか。
どの家にもある「とっても大切なお守りのような紐」なんやけど、とく
に名称が無く「手首に巻く紐」(ファイマットムー)と呼ばれてるそう
なので、私は「縁紐(えにしひも)」と呼ぶことに決めました。

導師様は、祝詞をあげるだけじゃなく「チェンマイの文化や歴史」を新
郎新婦に丁寧に話て下さったそうで、エリが「とても感動した!」と言
っていました。
ヒロアキも、エリの通訳でとどこおりなく新郎のつとめを果たすことが
でき、ホッとしました。

お客様の中に、定年後、日本からタイに永住を決めた男性がおられ、そ
の方の奥さん(タイの女性で、エリの友人)が、私や母の通訳を買って
出て下さり、私たちも結婚式を楽しみながら家族の役割を果たすことが
出来ました。

2本のロウソクを手にして踊る、幻想的なダンスが始まる
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_78s.jpg

食事は、一階の厨房で作ったものを二階の大広間の奥で市場のように並
べ、お客様が自由に取りに行って、飲んだり食べたりする形式です。
ゴザの敷かれた大広間に並んだ20以上ものテーブルで、お客様どうしが
ワイワイお喋りしながら、それはもう楽しそうに過ごしています。
子どもたちも、テーブルの間をはしゃぎながら走りまわってるんやけど、
決してテーブルをひっくり返したりすることなく、大人の会話の邪魔を
しないよう、子どもどうしで楽しんでいました。

結婚式が始まる前「今日は、お母さ〜んってエリにひっついたらアカン
のやで」と、おばあちゃんに注意されてたユキちゃんは、はしゃぎなが
らもなんとなく子どもたちのお姉さんのような態度で、とてもしっかり
してました。
結婚式が終わって元の服に着替えたとたん、10歳の女の子に戻ってたけ
どね、ははは。

        ◇       ◇       ◇

5月5日(水)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01_4.html

結婚式が終わり一夜明けて、今日も朝から38度!

「素晴らしい結婚式やったね!」と口々に言い合いながら朝食を終え、
今日は皆でチェンマイ北部にある「象園」に行くことに。
実は私が結婚式の次に楽しみにしてたのが「タイで象に乗る」こと。
「わ〜い!」と小学生のようにはしゃぎながら、車に乗り込み象園へ。

車といえば、チェンマイで見かける車の8割以上が日本車なのにはビック
リ。
でも、他の物価(日本の三分の一くらい)にくらべ、ガソリンはリッタ
ー100円程度と高いこともあり、車を持つのはまだまだステータス、と
いう感じ。
そんなこともあって、チェンマイの人たちの「足」は、主にバイク。
二人乗りでバンバン飛ばしてる。
ヘルメット姿をあまり見かけへんけど「一応、規則では被らなアカン」
そう。
「でも田舎ではそんなこと注意するオマワリさん、おらへん」と、エリ
が笑いながら話してくれました。

象園は、かなり高度のある山の中。
80頭の象に、一人ひとり飼育員が付いてるそうで、入口の大きなパネル
に象たち一頭一頭の写真と名前、年齢、性別、そして飼育員の名前が書
いてあります。
とはいえ、来場者の私たちに、見分けられる訳はないけどね、ははは。

まずは「象のショー」を観ることに。
ショーは、「象のサッカー」「象のダンス」「象のお絵かき」「象の大
木運搬と積み上げ」「象とお客の風船割り競争」などなど、盛りだくさ
んのプログラム。
何より驚いたのは、大きな身体の象が、実に敏捷で繊細な動きをするこ
と。

しかも、芸がうまく出来るとユーモアたっぷりに身体を揺すったり、長
い鼻をブンブン振り回して自慢するのが愉快愉快。

一番驚いたのは「お絵かき」。
長い鼻で絵筆を持って、1メートル四方くらいのキャンバスに、一頭一頭
が違った草花の絵を描き上げて行くんやけど、まず緑の絵の具の付いた
筆を飼育員から鼻で受け取り、細い茎と少し太い葉を何本もキチンと描
き分け、最後に赤や黄色の筆で、茎の上に花を描いて行きます。
象は色彩が見分けられる訳じゃないし、象の身体と比べてあまりにキャ
ンバスが小さいので、これはもう訓練の賜物やとは思うけれど、美しい
出来栄えには驚嘆するばかり。

象の鼻と戯れる、ナミねぇ&母
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_102s.jpg

ショーの後は、お待ちかねの「乗馬」ならぬ「乗象」。
飼育員が象の首のところに、お客が背中の台座に2人づつ乗って、ノッシ
ノッシと出発。

1時間以上のコースもあるんやけど、初心者の私たちは山道を30分歩く
コースを選んで乗りました。
下りは結構揺れが激しくて、手すりにしっかり捕まってないと落っこち
そう!
日差しが強いので、日傘を借りてさしながらなので、かなり体力要りま
す。
私はエリと、母はヒロアキと乗りました。

エリが飼育員のおじさんに話しかけて聞いたところ、私たちが乗った象
は、20歳でメスの「ニーちゃん」。
おじさんは30年以上飼育員をしてて、ニーちゃんを生まれた時から育て
たのも、おじさんだとか。
「我が子のように、一生付き合うんだよ」と、愛しそうに話てくれまし
た。
でもニーちゃんはちょっと頑固もんで、「コースをはずれそうになった
り、すぐ水浴びしたがったりするんだ」と、少し困ったふうに話すおじ
さん。
コースの途中に象舎があり、仕事を終えた象たちを、飼育員が丁寧に洗
ってあげてました。

象園の後は、やはりチェンマイ北部にある「山岳民族の村」へ。
静かな田畑と山に囲まれたこの村には、様々な山岳民族と、いわゆる
「首長族」と呼ばれるカリヤン族が、機織りをしながら暮らしています。

国王によって造られた、いわゆる特区のような地域で、民族の暮らしぶ
りを観光客に見せながら生活しているんやけど、こうした暮らしを潔し
とせず、山の中で生きている人たちもまだまだ多いそうです。

カリヤン族の村には電気もなく、カマドでご飯を炊く煙が屋根から漂っ
ていました。
カリヤン族が首に巻く真鍮の輪っかは渦巻き状で、5歳ごろから少しづ
つ渦巻の数を増やして行き、首を長くするのだとか。

カリヤン族(首長族)の母子と記念撮影
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_109s.jpg

20巻にもなる大人用の輪っかはとても重くて、車椅子の母に渡したけど
持ち上げることが出来なかったです。

「こんなん巻いて、肩こらへんのかなぁ・・・」と、思わずつぶやいて
しまったナミねぇでした。
風習、習俗というのは、ホンマに不思議なもんやね。

村はかなり急な坂道の両側に、自宅兼お店が並び、頂上にタイの王様が
建てた教会と小さな学校がありました。
学校は寺子屋風で、村を出て都会で勉強したカリヤン族の青年が戻って
教師をつとめていたけど、輪っかを巻いておらず、ちょっと茶髪に染め
て「今風の」青年やったのが印象的でした。

坂道やでこぼこのあぜ道を、大汗をかきながら母の車椅子を押してくれ
たエリのお兄さん(ポーバンさん)、ホンマにありがとうございました!

「山岳民族の村」を後にし、タイで開かれた「花博2006記念公園」を通
って、高台の寺院へお参り。

カォマォカンファンにある高台の寺から「花博2006」会場とチェン
マイの街を眺める

そこで「声はすれども姿は見えず」と言われる「泣きトカゲ:トットー」
を見ることができました。
背中にちょっと恐竜っぽい模様があり、顔はイグアナ風で、ケケケ・・・
と、甲高い声で鋭く叫んだ後、トットー、トットー・・・と7回鳴くトカ
ゲです。
「えっ、トカゲが鳴くのん!?うっそぉ!!」と驚くなかれ、タイでは
「ヤモリ」も鳴くんですよ〜!

姿を見ることの少ない「鳴きトカゲ トットー」を発見
(中央。右上はただのヤモリ)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_117s.jpg

お寺参りの後、お兄さんのポーバンさんがチェンマイの街を車で案内し
てくれました。
チェンマイの街の中心地は、街の開祖といわれる高僧の寺院を中心に、
2キロメートル四方の疎水と城壁に囲まれています。
城壁は殆ど崩れて、ところどころが記念碑的に残されていますが、疎水
は整備され噴水が上がっていました。
城壁には東西南北4箇所に入口があり、橋を渡って中心地に入ります。
本当は5つ目の門もあり、そこは昔死者を送り出す門で、今は「お化け
門」と呼ばれています。

ポーバン兄さんは、チェンマイの歴史や文化にとても詳しく、しかも分
かりやすく色々なことを教えてくれました。
農業をされてると聞いたけど、とってもインテリなので驚いたら、長年
ホテルマンをされてて、その後タイ各地を営業で回る仕事をし、数年前
から農業に専念しておられるとのこと。
インテリなだけでなく、チェンマイをこよなく愛されてるのがひしひし
と伝わってくる話しぶりでした。
「チェンマイの良さは一度来ただけでは分からないから、必ずまた来て
下さいね」と、何度も何度も言われる、ポーバン兄さんでした。

その夜は、チェンマイに最近できたという「ちょっとラスベガス風」の
レストランの中庭で、食事会をしました。
そうそう、タイではビールに氷を入れて飲むのが「標準スタイル」です。
「ビール」ってオーダーすると、いきなりウエイターさんがグラスに氷
を入れてからビールを注ぐので初めはビックリしたけど、飲みなれてみ
ると、暑いタイではこうしないとビールがすぐぬるくなることが分かり、
納得。生活の知恵って、こういうことやね、ははは。

食事のあとは、夜のチェンマイの街なかを通り抜けて、ホテルPukaに戻
りました。

チェンマイの街の開祖を祀った寺院「ワット・パーシン」
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_127s.jpg

        ◇       ◇       ◇

5月6日(木)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01_5.html

今日は、植物の好きな母のために、エリの家族が「ランの植物園と、王
様の植物園」に案内してくれました。

ランの花に囲まれた母
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_138s.jpg

「毎日が日本の夏」のようなタイやけど、4−5月は、中でも最も暑い夏
休みの時期で、農業も忙しくない季節なので、私たちの滞在中、エリの
家族が色んなところに案内して下さったんです。
「でも一番涼しくて、花の咲き乱れる季節は12月から1月にかけてなので、
その季節にまた必ず来てね」と、ご両親が母に何度も話しかけていまし
た。

「王様の植物園」(ブーピンパレス)は、山の上にある日本でいう「御
用邸」のような所で、昔は全く国民が入れなかったそうやけど、今は皇
室の方々が訪れる時以外、一般開放されてるそうです。
とはいえ、入口には武装した警護隊がおり、パスポートを提示してから
でないと入れません。
以前は、広い庭園内を徒歩で見学したそうやけど、今は電動カートに
3−4人づつ乗り込んで見学します。
母も車椅子からカート乗り移って、楽々見学できました。

「王様の植物園」
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_147s.jpg

植物園の後は、著名な寺院「ワット・パター・ドイステープ」と、チェ
ンマイ開祖の祀られる「ワット・パーシン」へ再びお参り。

夜の「ワット・パーシン」では、高い壁の上に25センチくらいは(おそ
らく)ある、大きな鳴きトカゲ:トットを発見!
なかなか見ることのできないトットに2度も出会って、幸運な旅でした。

タイ旅行最後の夜は、海鮮レストラン「プーギン」で、大海老やカニ、
川魚料理を食べました。

一番心配やった母の体調も、一回だけお腹が痛くなって、持参した「富
山の置き薬:赤玉」のお世話になったけど、後はいつもの健啖家の母に
戻り、若者たちに負けずに食べました。

最後の夜ということで、私からエリのご家族に、一言ご挨拶させて戴き
ました。
「ご家族が温かく私たちを迎えて下さったことに心から感謝します。そ
して、エリのような優しく、しっかりした素敵な女性を伴侶に選んだ息
子ヒロアキを、誇りに思います。これからも、末永くよろしくお願いい
たします。」と。

食事の後、皆でチェンマイの「ナイトバザール」をひやかし、ホテル
Pukaに戻りました。

チェンマイ名物の「ナイトバザール」へ
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_174s.jpg

最近の母は、新しい記憶がすぐに薄れてしまうので、今回の旅行もどれ
だけのことを覚えていられるか分からへんけど、それでもこんなに楽し
い日々を共有できたのは、私たちにとって何より嬉しい出来事です。
そんな日々を与えてくれた、エリとその家族の皆さん、そしてヒロアキ
に心から感謝しつつ、タイ旅行最後の夜は更けて行きました。

        ◇       ◇       ◇

5月7日(金)
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100510_01_6.html

今日は、いよいよタイを去る日。
元気な小学生ユキは、朝からホテルのプールでひと泳ぎ。
写真では浮き輪を使ってるけど、実は水泳が大得意のユキ。
プールサイドから飛び込んで、水中に投げた小石を何個でも潜って拾う
ことができます。泳ぐフォームも、綺麗な平泳ぎなんよ!
空港レストランで、お茶&ビールしながら1週間の思い出を語り合い、
皆でハグを交わしてお別れです。
母が元気な間に、もう一度全員が再会出来る日が来ますように・・・

搭乗直前に、皆で記念撮影
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/thai/thai_20100502_183s.jpg

エリのお父さんが、私たちに小さなお釈迦様の像の付いた特別なペンダ
ントを、プレゼントしてくれました。
私には、日本で待つ娘:マキの分も!!

出来ればエリのご家族に日本に来ていただき、マキにも会って欲しいな
ぁ・・・と心からそう願います。
ゴールデンウイークに、マキと過ごさなかったのは初めてのことやけど、
次のお休みには病院へ面会に行き、タイ旅行の話を歌声にして届けよう
と思います。

国籍や年齢の違いや障害の有無は、私たち家族にとっては「絆を強める
ためのものなんや」と、思わずにいられません。
そのことを、改めて感じさせてくれた、タイ旅行でした。

タイの国に、チェンマイの街に、メポン村に、そしてタイで出会った全
ての人と出来事に、心から感謝を捧げながら、旅行記を終えたいと思い
ます。

<by ナミねぇ>

================================

■□◇◆5月前半の活動報告◆◇□■

○5月1日(土)
・川崎・しんゆり芸術祭に出演 映画「チャレンジド」上映とトーク /
 場所:川崎アートセンター(小田急線 新百合ヶ丘)

○5月2日(日)
・長男ヒロアキ&トラセン・エリさん、結婚式のため家族でタイ国へ /
 場所:エリさんの実家(チェンマイ郊外)にて

○5月8日(土)
・タイ国より、帰国

○5月10日(月)
・KSC打合せTV会議 /
 場所:東京オフィス・神戸オフィス2元会議

○5月11日(火)
・厚生労働省高齢・障害者雇用対策部長、来訪 /
 場所:プロップ神戸オフィス

○5月12日(水)
・KSC広報会議 / 場所:プロップ東京オフィス
・内閣府「雇用戦略対話」について、山崎統括官来訪 /
 場所:プロップ東京オフィス
・雇用戦略対話WGに出席 / 場所:内閣府
・総務省:光ブロードバンド検討委員会、副大臣との意見交換 /
 場所:総務省7F 副大臣室

○5月13日(木)
・関西大学経済学部学術講演会(社会保障論)にて講演 /
 場所:関西大学経済学部学(関西大学千里山キャンパス)
・キリンビバレッジより、来訪 / 場所:プロップ神戸オフィス

○5月15日(土)
・神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)in東京 Vol.3 開講式 /
 場所:日清製粉小網町加工センター

○5月16日(日)
・マキ&病棟皆さんに、タイ旅行&結婚式報告 /
 場所:青野原病院

その他のスケジュールはこちらをご参照ください。
http://www.prop.or.jp/webcal/webcal.cgi

================================

■□◇◆5月後半の講演など予定◆◇□■

○5月18日(火)
・「キリンビール近畿圏統括本部トップ層向け研修」にて講演 /
 場所:キリンビール近畿圏統括本部(大阪市西区江戸堀)

○5月19日(水)
・「ユニバーサル社会を創造する次官PJ(勉強会)」に出席 /
 場所:経済産業省:望月次官室
・日経新聞より、島田記者取材のため来訪 /
 場所:プロップ東京オフィス

○5月20日(木)
・工学院大の長嶋研究室にて「手話アニメ」関連の打合せ /
 場所:工学院大(新宿)
・(東京都立)特別支援学校進路担当の皆さんと、打合せ /
 場所:プロップ東京オフィス

○5月21日(金)
・神戸国際大学の皆さん他、見学と勉強会のため来訪 /
 場所:プロップ神戸オフィス→終了後、懇親会

○5月22日(土)
・諫早ロータリークラブにて講演 / 場所:長崎県諫早市

○5月23日(日)
・長崎県諫早市の講演より戻る / 場所:長崎空港→伊丹空港

○5月24日(月)
・総務省情報通信審議会地デジ委員会に出席 /
 場所:三田共用会議所(港区三田)
・太友会総会に出席 / 場所:ホテル西洋銀座

○5月25日(火)
・国交省モビリティサポートモデル事業有識者委員会に出席 /
 場所:国交省

○5月26日(水)
・厚子さん公判(証拠整理)予定 / 場所:大阪地裁

○5月27日(木)
・パナソニック(株)秘書室長:田村雅博さんと面談 /
 場所:パナソニック本社(大阪府門真市大字門真1006)

○5月28日(金)
・神戸市障害者就労推進センター:松宮さん、井上さん、来訪 /
 場所:プロップ神戸オフィス

○5月29日(土)
・シティライツ・ライブ「ゆう&ナミねぇ」
 ☆ご参加お待ちしています!! / 場所:神戸岡本シティライツ

○5月31日(月)
・取材(CM字幕など) / 場所:プロップ神戸オフィス

その他のスケジュールはこちらをご参照ください。
http://www.prop.or.jp/webcal/webcal.cgi

================================


☆メール de ナミねぇ!【第106号】
                    平成22年5月18日発行
☆発行元:社会福祉法人プロップ・ステーション
                 URL http://www.prop.or.jp/
☆お問合せ先:  〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6−9
                神戸ファッションマート6E−13
             社会福祉法人プロップ・ステーション広報
                メールアドレス:kouho@prop.or.jp
☆発行:原則として毎月1日と15日頃(それ以外は随時発行)
☆メール de ナミねぇ!は『まぐまぐ!』
 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
☆ご意見・ご感想をお待ちしております。
 kouho@prop.or.jp こちらまで。
☆バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 http://archive.mag2.com/0000216194/index.html
☆配信中止をご希望になる場合はこちらでお手続きください。
 http://www.mag2.com/m/0000216194.html

☆『メール de ナミねぇ!』は株式会社まぐまぐのメール配信サービス
 を利用して発行しています。読者登録をされますと「まぐまぐ」のオ
 フィシャルメールマガジンも届くことになりますので、ご不要の場合
 はお手数ですがそれぞれのメルマガの配信停止ページからお手続きい
 ただきますよう、お願いいたします。

■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇

ページの先頭へ戻る