ナミねぇの海外視察便り その5.

2020年2月21日

海外視察4日目。ドイツの連邦労働社会省(日本の厚労省にあたる)と財務省を訪問。

連邦労働社会省では、おもに年金制度とその持続性についての意見交換が中心やったけど、私から関心事である「チャレンジドの雇用政策」について訪ねました。

ドイツは、20人以上の従業員を抱える企業に、5%の「障害者雇用率」を義務として課しており、「100人以上の企業の雇用率を、2021年3月末までに2.3%に引き上げる」ことを決めた日本との違いは大きく「企業側の反対や抵抗などは無いのですか?」と、思わず身を乗り出して聞いたところ「そのような事は全くありません」との回答でした。

また、障害者作業所に仕事を委託した場合、委託業務代金の50%を納付金から減額されることや、障害者作業所は公的機関から優先的に業務委託をうけることができる、というルールも設けられていました。

全ての出産におけるチャレンジドの出生率は、5〜7%なので、ドイツの雇用率は「障害を持って生まれた人のほぼ全員が、何らかの仕事に就いている」ことを現すもので、そのような施策を実行しながらも、ドイツ経済が上向きである現状を知り「心から敬意を表します」と、申し上げました。

というか、むしろ「全ての国民をtaxpayerにする」というミッションが、経済を発展させているのかもしれないと、感じました。

ただし...と一人の方がニコッと笑いながら「政策を進めるには、財務省の顔色を見ないといけませんからね」と言われたのは、私たちが「日本の財政審からの視察団」であることを意識され、半分本音、半分ユーモアで言われたのだと感じました。

一方の財務省では「持続可能性(サステナビリティ)の危機」を、どのように国民に理解してもらうかに苦慮しており、財政問題に関心の薄い国民に向けては、SNS等を使うなど、分かり易く伝える必要がありますね...と、ドイツも日本も、同じ悩みを抱えていることが分かる意見交換でした。

夜はドイツ大使館を訪問し、八木ドイツ大使から温かい接遇を受けました。
大使館の、重厚な階段の踊り場に、素敵な「生け花」が二つ飾られており、思わず駆け寄って「ドイツで、こんな素晴らしい生け花に出会えるなんて、嬉しいです!どなたが生けられたんですか?」とお聞きすると、八木大使が少し頬を赤らめながら「家内です」
とおっしゃったので、ご夫妻で日本や日本文化をドイツに伝えるお仕事をされてるんやなぁと、感動し、「奥さまに、くれぐれもよろしくお伝え下さい!」と、固く握手を交わして大使館を後にしました。

ホテルに戻り、「生け花の写真を取り損ねた!こと」に気づき、残念な気持を噛みしめつつ「明日で海外出張が終わる」ことに思い至りながら、眠りに就いた一日でした。

☆ by ナミねぇ ☆

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