「令和」の時代を迎えて
令和元年5月1日
社会福祉法人プロップ・ステーション理事長
竹中 ナミ
昭和23年に生まれた私(ナミねぇ)は、平成の30年間を経て、今日「令和」の時代を迎えました。
私を慈しんで育ててくれた両親が過ごした「戦争」の時代と違って、この世に生を受けてから70年間、国内での戦争を全く経験することのない日々を過ごして「令和」を迎えることが出来たことを、何より幸福であったと思っています。
重症心身障害の娘麻紀も46歳になりましたが、生後すぐから「障害児の早期訓練」があり、養護学校が義務化されて、重症児の麻紀は「訪問教育第一期生」として学齢を迎えました。
離婚によって「24時間介護をしながら働くことが不可能」になったとき、多くの人たちのご協力によって国立病院に入院させていただくことが出来、麻紀が日々温かい看護に護られて生活していることから、私は感謝し、安心して多くのチャレンジドたちとプロップ・ステーションの活動を続けることが出来ています。
私の母は、強い意志で「女性が働ける時代」を切り拓いてきたけど、まだまだ働く女性は少数派やったので、私の想像の及ばない苦労があったとおもいます。
オカンたちの努力で「女性も当たり前のように働ける」時代が訪れ、娘である私が、麻紀を授かったことを契機に「チャレンジド(障害のある人たち)も、当たり前のように働ける時代」を求めてプロップ・ステーションの活動をしていることを思うと、歴史はこうして引き継がれて行くんやな...と、感慨深いものがあります。
まさに歴史は、人々の意志によって形造られ、継続して行くものやとすると、令和の時代をどのようなものにするかは、私たち一人一人に託されていると言っても過言やないと思います。
プロップ・ステーションの「プロップ」は、支え合いを意味する言葉です。
令和が、全ての人が支え合って生きられる時代になるよう、私も微力を尽くしたいと、改めて思う令和元年の今日です。