筋電義手をテーマに取材・執筆を続けられた櫻井由紀治記者が、ファイザー医学記事賞を受賞!!

2016年10月1日

小児筋電義手をテーマに取材・執筆を続けられた
毎日新聞 櫻井 由紀治記者が
ファイザー医学記事賞を受賞されました。

報道記事を抜粋掲載させていただきます。

櫻井 由紀治記者、おめでとうございます!
そして、ありがとうございます!!!!

<by ナミねぇ>

 

毎日新聞兵庫面で4月まで連載 「夢をつかむ」が受賞

毎日新聞 2016年9月30日発行 より転載

毎日新聞兵庫面で4月まで連載 「夢をつかむ」が受賞
桜井由紀治編集委員の連載記事 「夢をつかむ〜筋電義手の子どもたち」
桜井編集委員、筋電義手の普及願い執筆 「必要とする人に届くよう、報道続ける」

 毎日新聞兵庫面に昨年6月から今年4月まで連載された記事「夢をつかむ〜筋電義手の子どもたち」が、第35回ファイザー医学記事賞優秀賞に選ばれた。担当した大阪本社編集局の桜井由紀治編集委員(当時神戸支局記者)は29日の表彰式で「子どもや保護者、病院関係者らと一体となって取り組んだ成果」と喜びを語り、「今後も素晴らしい子どもたちに寄り添い続けたい」と心を新たにした。

 筋電義手は、筋肉の収縮時に生じる微弱な電気をセンサーで読み取り、指を動かす。習熟すれば人の手に近い動きが可能だが、1台150万円以上と高価で訓練用には補助金が出ないため訓練施設が広がらず、普及率は2%にも満たない。

 桜井編集委員が筋電義手の存在を知ったのは、2013年。02年に日本で初めて子どもの訓練を始めた県立リハビリテーション中央病院(神戸市西区)で、欠損した左手に義手を着けた2歳女児が1歳の妹を抱きかかえて見せた。子どもの可能性を広げるロボットハンドの記事と写真は13年5月5日「こどもの日」の毎日新聞朝刊1面を飾った。以後も取材を重ね「困難を乗り越えて夢を実現する子どもたちの姿を伝え、筋電義手を普及させたい」と連載を決意したという。

 連載は、同病院で訓練に励む3人の子どもを軸に展開。計30回にわたった記事では、子の成長を願う親の思いや、支える病院スタッフの姿も伝えた。

 生まれつき左手のひじから先がない神陽喜(はるき)さん(6)=奈良県生駒市=は「みんなと同じように僕もパーの手になりたい」と泣いた。
同じく左手を欠損して生まれた竹田歩叶(ほのか)さん(7)=同市=は、鉄棒で遊ぶことが夢。幼稚園の運動会では、病院で作ってもらった専用義手を着けて障害物競走の鉄棒をクリア、笑顔でゴールした。
生まれつき両手足の先がない前川夢奈(ゆな)ちゃん(2)=神戸市西区。両足に義足、右手には約300グラムの筋電義手を着けて訓練を頑張る。

 連載した約1年間、3人は筋電義手を通して成長していった。陽喜さん、歩叶さんは今春小学校に入学。陽喜さんの母麻依子さん(33)は「陽喜は『これがあればできる』と自信が持てるようになりました。学校でも、給食、掃除など必要な時に自分で着けています」と近況を報告する。

 そして、「親として子が挑戦したいことがあれば、どんなことをしてでもその願いをかなえてやりたい。けれど、全国どこにいても同じ支援が受けられるわけではありません。みんなが同じ支援にたどり着けるようになってほしい」と訴えた。

 さらに、同じように手に障害のある子を抱える親に呼びかける。「生まれてきた我が子に手がなかったら、最初は自分を責めたり、前を向けずにいる方も多いかもしれません。そんな方々が一人でも多くこの記事を読んで、一人じゃないと思ってほしい」

 筋電義手の普及は道半ばだ。今年7月には、訓練施設が地域にないためにあきらめざるを得ない熊本県の6歳女児の存在も明らかになった。桜井編集委員は「必要とする人たちに筋電義手が届くよう、報道を続けて制度改革につなげていきたい」と力強く語った。

〔神戸版〕

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