11月17日(火)一億総活躍国民会議に出席し「プロップ・ステーションからの提言」を発表しました

2015年11月19日

一億総活躍推進室より
「チャレンジドの就労促進に関する提言を発表していただきたい」
とのご連絡があり
11月17日(火)に開催された
一億総活躍国民会議 意見交換会において
「提言の発表」をさせていただきました。

当日の「提言」を公開させていただきます。

一人でも多くのチャレンジドの
働く誇りとチカラを活かせる日本社会の実現のため
世論のご支援を
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

<by ナミねぇ>

 

<公開資料>
一億総活躍時代を創出するための 「チャレンジド(障害のある人)の多様な就労をマッチングするICTネットワーク(プロップ・システム)」(案)の、ご提言

安倍内閣による「一億総活躍社会」の取り組みが、「すべての人が持てる力を発揮し支え合うユニバーサル社会」というプロップ・ステーションのミッションの具現化に繋がることを切望し「真の一億総活躍時代を創出するための ご提言」を、ここに提出させていただきます。

プロップ・ステーションは発足より25年間、ICTを駆使したチャレンジドの就労促進に取り組んで参りました。

Challenged(チャレンジド)というのは「障がいを持つ人」を表す新しい米語「the Challenged (挑戦という使命や課題、挑戦するチャンスや資格を与えられた人)」を語源とし、障がいをマイナスとのみ捉えるのでなく、障がいを持つゆえに体験する様々な事象を自分自身のため、あるいは社会のためポジティブに生かして行こう、という想いを込め、プロップ・ステーションが提唱している呼称です。

また「プロップ(prop)」は、支え合いを意味する言葉であり、障害の有無を越えて支え合う事の出来る社会の実現を目指しています。
スローガンは「チャレンジドを納税者にできる日本に!」です。

日本には、チャレンジドの就労を後押しする制度として「障害者法定雇用率制度」がありますが、毎日の通勤が困難、介護・介助が必要、体調に波がありコンスタントに働けない、コミュニケーションに障害がある、などなど、雇用率制度のもとで「雇用」されることの難しいチャレンジドが多数おられます。

しかしながら「体調の良い時には自分の得意分野で思い切り働きたい!」と切望されるチャレンジドや、それを希望する家族の数は計り知れません。
私はこのような、「雇用制度では捉えきれない、チャレンジドの働く意欲や潜在的なパワーを引き出すことのできる多様な働き方を創造すること」が、持続可能な日本社会の実現に資すると、確信しています。

近年は、乙武洋匡氏や垣内俊哉氏、松森果林氏をはじめとする「突出する才能や能力を持たれたチャレンジドが、企業に雇用されるのではなく自分の才能を生かして業を起こし、社会に多大な貢献をされる」ということも増えていますし、絵画や音楽、書など、アーティスティックな分野で才能を発揮するチャレンジドも多数おられます。

プロップ・ステーションでは、このようなチャレンジドの「雇用以外の多様な働き方」を推進するため、設立に多大なバックアップを下さったマイクロソフトのビル・ゲイツ氏や日本法人社長であった成毛眞氏をはじめとするICT業界のご支援をいただき、チャレンジドを対象とするICT講習会を発足以来継続し、チャレンジドのスキルアップを計るとともに、企業や行政から発注(アウトソーシング)された仕事とチャレンジドを「プロップ・ステーションがコーディネイト(マッチング)する」という仕組みによって、チャレンジドが在宅でも、あるいはベッドの上でも働ける就労形態を創出・運営してきました。

代表的な発注企業として、新日鐵住金株式会社様からは10年以上にわたり継続的にお仕事を発注いただき、在宅のチャレンジドたちが、日々誇りを持ってその仕事に携わっておりますし、日清製粉株式会社様とは、一流のパティシエを講師に迎え、スウィーツの世界で活躍するチャレンジドを育成する講習会『神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)』を8年間継続、来年はKSCのレシピに基づく新作のスウィーツ「祈りのプレッツェル」(東北大震災復興支援とチャレンジド就労促進を目的とするスウィーツ)を全国発売の予定です。
KSCの講習会は、ICTネットワークによって毎回日本中に発信され、講習会場に来る事が難しいチャレンジドも、自宅や作業所で学ぶことができます。

 現在は、個々の仕事によって独立したICTネットワークシステムを運用していますが、この「プロップ・システム」を、全国規模のクラウド上で運用することによって、全国各地に点在するチャレンジドと仕事を繋ぐ事が可能になります。
アウトソーシングされた仕事には「厳しいセキュリティの確保」が何より重要ですが、四半世紀にわたり、一度も漏洩事故等を起こす事なく運営を続けて来たプロップ・ステーションの実践経験を、全国規模のマッチング・システムの構築と運営に生かしていただきたいと思います。

チャレンジドが自分の個性や能力を社会で生かすためには、チャレンジド個人の努力だけではなく、社会全体が「障害によるマイナス部分のみを見るのではなく、一人一人の可能性の部分に着目し、それを引き出す技術や制度を生み出すこと」が欠かせません。人は障害の有無に関わりなく「誰かから期待されている時」自分に誇りが持てます。マイナスだけに着目する福祉は、いくらそこに「慈愛」が込められていても、人の誇りを奪うことに繋がります。 今「もったいない」という素晴らしい言葉が再クローズアップされていますが「人の力を眠らせること」ほど、もったいないことはないのではないでしょうか。

私事で恐縮ですが、私の娘は42年前に重い脳障害を持って生まれ、重症心身障害者として全介護を要する状態で現在に至っています。
でも私は「色んな人が居る。それが社会なんや!」「人の成長のスピードは、一人一人違って当たり前」ということを、娘から心底学びました。ですから娘は私の恩師であり、同時に私の宝物です。娘は「日本の非行少女のハシリというようなワル」であった私を現在の私に育て上げた人です。したがってプロップ・ステーションの活動は、娘の支えによって続けられているといって過言ではありません。
私は、「わたしにとって誇らしい存在である娘を、可哀想と呼んで欲しくない!」と強く思うとともに、「支え手になれない」と思われているチャレンジドの中に、様々なパワーが眠っていることを、深く、強く、確信しています。

安倍内閣の掲げられる「一億総活躍社会構想」において、全国各地に眠っているチャレンジドの「働く誇りとチカラ」を掘り起こし、チャレンジドたちが輝き、社会の支え手ともなれる日本を実現するため、「プロップ・システム」の構築と運営をここにご提言申し上げますとともに、この夢が叶いますよう、衷心より願ってやみません。

社会福祉法人プロップ・ステーション
理事長 竹中 ナミ(ナミねぇ)
nami@prop.or.jp
社会福祉法人プロップ・ステーション 公式サイト http://www.prop.or.jp
竹中ナミ 公式ブログ http://ameblo.jp/takenakanami/

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