先月講演に招かれた高等学校の生徒の皆さんから、心のこもった感想文をいただきました!

2013年8月15日

お盆休み真っ最中。皆さん、どのように過ごされてますか? 私は娘マキと自宅で例によって「まった〜り」過ごしています。

ということで、先月講演に招かれた高等学校の生徒の皆さんから心のこもった感想文をいただきましたので、「匿名での掲載許可」をいただき公開させていただきます。

1000名の生徒全員が感想文を書いて下さったそうで、担当の先生がその中から数通を選んで下さったものです。講演先から感想のメッセージをいただけることは、講師冥利に尽きるとともに私自身が、とてもとても励まされます。

掲載させていただいた感想文筆者の生徒さんありがとうございます!!

講演を聴いて下さった全生徒のみなさんありがとうございます!!

先生方、ありがとうございます!!

講演の最後にナミねぇのオリジナル曲『♪ありがとう〜私からあなたへ』を唄わせていただいたことにも、心から感謝を捧げます。これからも講演タイトルのように、「すべての人が誇りを持って生きられる社会」の実現に向けて一緒に行動しましょうね〜\(^o^)/

<by ナミねぇ>

 

聴講した生徒の皆さんの感想文より抜粋させていただきました

平成25年度 人権教育講演会
日 時 平成25年7月11日(木)10時〜
演 題 『すべての人が誇りを持って生きられる社会に!』 
講 師 社会福祉法人 プロップ・ステーション 理事長 竹中 ナミ

 

高等部1年 女子

 「すべての人が誇りを持って生きる」というのは、正直とても難しい問題なのではないかと思っていました。しかし、この講演を聴いて、不可能ではないなと考え直すことができました。「この世に無駄な命などない。すべて尊いのだ。」ナミねぇのこの語りかけてくれるような言葉に、このように感じることができました。

 そして何より私がこの講演を聴いて思ったことは人権問題だけでなく、他の面でも勇気と元気を下さったなということです。私たちはさまざまな不安を抱えています。すごく悩むときがあります。そんな中で、「マイナスはプラスの種になる」という言葉一つを聞いて、どれだけ支えられたことでしょう。失敗は誰でもしますが、失敗が続くと自分に自信がなくなってきてしまいます。でも、それがプラスの種を蒔いているんだと考えると、諦めそうな気持ちなど消え、むしろ前向きな姿勢を持ち直すことができます。だから、人はいろんな意味で良きライバルということも理解できました。

 生まれてきた命は全て尊く、いくら他人と生きるスピード違っていても少しずつ少しずつ成長していて、障がいがあろうとなかろうとそんなことは関係なく、私が親という立場になったら、たくさんの愛情を注いであげたいなと思いました。

 

高等部1年 女子

 私はこの講演を通して、まず気付いたことは、ナミねぇは同じ職場で働いている仲間一人ひとりを尊重し、その人を十分理解して助け合いながら働いているということです。そこでナミねぇは、「個人の能力を伸ばす、発揮させる手伝いをしているのです。」と言われました。私はこの言葉が素晴らしいと思いました。障がいがあるからと言って受け入れてもらえなかったり、クビになるのはやはり間違っていると思います。このように考える職場(会社)が増えればよいと思います。

 また、ナミねぇが、本当に娘のことを愛していることが伝わってきました。私は「光とともに」という漫画を読んだことがあります。子育ての大変さなどは理解しているつもりでしたが、ナミねぇはそのような話しはされず、手を握り返してくれたことの喜びや成長を明るく嬉しそうにお話しされました。だから、この講演会のテーマにもあるように「マイナスのことをプラスに考える」ということを実感しました。

 最後に私が一番印象に残っているのは「かわいそう」という言葉は魔物で、「かわいそう」と呼ばれる人を「かわいそう」と呼ばれない人に育てていくことが福祉であるということです。たくさんの障がい者と関わり、同じ目線で仕事をされている竹中さんだからこのように考えるのだと思います。

 今日の講演は、内容の濃い、大切な2時間だったと思います。最後に歌って下さった歌詞のように、私も自分を支えてくれる人、愛してくれている人々に感謝していきたいと思います。

 

高等部2年 女子

 「障害」「ハンディキャップ」と聞くとネガティブなイメージしかないし、「自分と違って○○できないから「かわいそう」と思ってしまうのが現状であり、情が深い日本人にとって、そう思わないでいることの方が、難しいのかも知れません。でも、そういった感情が、チャレンジドの人々やその家族に不快なものになっているということなど考えたこともありませんでした。

 私の友人にも障がいを持った人はいましたが、みんな笑顔で、すごく楽しそうでした。世話や介助、介護をしなければならない人にとっては、少し大変かも知れませんが、本人たちが一生懸命、楽しんで生きているのに、それを「かわいそう」だと言われるのは、確かに嫌だな、と思いました。ホームページに載っていたマキさんの写真は、すごく素敵な表情でした。その後に、目が見えていない、音は聞こえていても理解できていないということを聞いてすごく驚きました。また、「手が何のためにあるのか分かっていない」ということについて、そんなことがあるのかと思いましたが、それは今まで私が障がいを持った人々について深く考えられていなかったからなのかも知れません。

 自分の娘が自分のことを母親と認識していない、会話ができないということで、すごく辛かった時期があると思います。それでも、娘のため、チャレンジドの人々のため、社会全体のために立ち上がり、挑み続けているナミねぇはすごく強い人だと思いました。

 今の私には、ナミねぇのような強い意志はないし、何ができるのか、何がしたいのかもよく分からないけど、人生を振り返るときに「やって良かった」と後悔しないことを一つでも見つけたいです。また、自分の今までの発言、行動を見直して「かわいそう」で相手を傷つけることがないようにしたいです。

 

高等部2年 女子

 私はこの講演会で、「チャレンジド」という言葉を初めて知りました。「障がい者」はネガティブなイメージがありますが、「チャレンジド」には挑戦する機会を与えられた人という意味があり、障がいを持った人をまた別の一面から見ることができて素晴らしいと思います。

 また、ナミねぇさんの話しで一番印象的だったのは「かわいそうという言葉は魔物」です。かわいそうだから、障がい者の方に何かやってあげるのではなく、その人に何ができるかを一緒に考えることが大切だと思いました。

 東日本大震災のことも話しに出ましたが、被災者の方が一番必要としているのは、仕事だということに驚きました。一時的な寄付ではなく、その人たちが自分の力で生きていけるような環境を整えることが、本当の意味でのボランティアだと思いました。

 質疑応答の時に放送部の先輩が、メディアは障がい者の方のことをどう伝えていくべきかという質問をされていました。民放では、スポンサーの関係もあるから、障がい者の方をみんなで助けてあげるという美しい図式を思いがちらしいということでした。私も放送部の一員として、ドキュメントを制作しています。ステレオタイプな考え方ではなく、障がいを持っている方々も共に生きているという思いを持ち続けたいです。

 

高等部3年 女子

 「熱量の大きい、パワフルな人だな。」――ナミねぇが舞台に立って数分もたたないうちにそう思いました。逆境に立たされることが多かったナミねぇが、会ってそれと感じさせるほど「力強く」生き、色んな所で活動し続ける原動力となっているのは、重度脳障害を持つ娘さんへの愛情、そして「障がいの有無に関わりなく誰もが生き生きと働ける社会を実現する」という使命感でした。ナミねぇが行っている活動は、チャレンジドが就業し、生計を立てるのを援助すること。私は、こういう考えはハンディを持つ人たちのことをよく知り、本気で考えないと思いつくことのないものだと思いました。補助金なども大切なのかも知れませんが、それは一時的なものにすぎません。やはり必要なのは、就職口です。そして、何より「働く」ということによって、一人の人間として誇りを持って生きていくことができます。

 そして、ナミねぇが実現しようと奮闘している社会が成立するには、まず私たちの、障がいを持つ人たちに対する偏見をなくし、その人の持つ可能性に目を向ける姿勢をとる必要があります。気の毒とか、かわいそうと言って、自分より下に見るのではなく、対等な立場で接すること。そのためにはもっと、(一般に言う)ハンディキャップを持つ人たちと接し、理解することが必要ではないかと思います。表面的な知識だけではどうしても偏見が入るし、実際に接してみないと本当に必要としているものなど、大切なことが見えてこないからです。

 その上で行動すること。ナミねぇが描く理想の社会は、私たちが受け継ぎ、必ず実現しなければならないものだと思います。ナミねぇのようなパワフルさ、力強さで、ナミねぇの娘マキさんのような人たちが安心して暮らせるように、と願っています。

 

高等部3年 女子

 最初ナミねぇが出て来たときは、びっくりしました。障がい者がテーマなので、深刻な話かなと思っていたら、「講演会なんて固いね。」と言っていたからです。まず、プロップ・ステーションのホームページを見たときに、チャレンジドの写真がたくさん載っていました。

 私は、足でマウスを使って教えている人が、特に印象に残りました。足だけでマウスを使うのもただでさえ難しそうなのに、教えようと思うなんて、すごいなと思いました。でも、後の方でこの人は普通の学校では採用してもらえないと聞いて残念でした。もしこの人が教師になれば、パソコンを教えるだけに止まらず、その姿勢から生徒が人生に関するいろんなことを学べると思います。この考え方がもっと世間に広まれば、チャレンジドの人たちから、私たちに生きていく上での大切なことを学べるのではないかと思いました。

 また、マイクロソフト社のビル・ゲイツの紹介をするときに、「この人はメガネに生活の補助をしてもらっている。誰もが何かに頼らなければならない。」と話しておられました。

 私はこの言葉を聞いて、車イスの人たちも私たちが目が悪くてメガネをかけるのと同じように、ただ道具に頼っているだけなのだな思えてきました。

 「チャレンジドを気の毒に思わずに、この人が自分と同じことをするために、どうすればいいのかを考えて」という言葉に、すごく納得できました。みんなが同じような気持ちでいれば、もっとユニバーサル社会が広がるかなと思いました。今回の講演では体験に交えて、私たちがどう考えればいいのかを分かり易く説明して下さいました。今までの漠然としたチャレンジドに対する考え方が、はっきり分かって良かったです。

 

(感想文 抜粋 以上です)

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