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東北地方太平洋沖地震の被災者の皆様に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます

2011年3月12日

2011年3月11日(金)15時少し前、プロップ神戸オフィスの入る、神戸六甲アイランド「ファッションマート」ビルが、船酔いのような気持ちになるほど、ゆらゆらと長時間揺れました。

16年前の阪神淡路大震災で自宅が全焼した私だけでなく、あの震災を体験した神戸市民の脳裡に、震災体験がフラッシュバックした一瞬やったと思います。

TVをつけると、関東・東北地域に大震災が発生したこと、大きな津波が起きる可能性があるので、くれぐれも注意するようにという報道が繰り返しなされていました、
家屋の倒壊や火災が広がりませんように・・・と祈るような気持ちでニュースを見ていた私に、今回の震災がそれだけではない、未曾有の恐怖を伴うものと知らしめたのは、報道ヘリが映し出した、大津波の映像でした。

町や村や港・・・そこで生きる「普通の生活を送る人たち」に、情け容赦なく襲いかかる大津波に、呼吸が止まるような恐怖を感じながら、見ていることしかできない自分。
高度な科学と文明を生みだし、それを操りながら生きている人間という存在が、いかに無力なものであったか・・・映像は情け容赦なく映し出しました。

震災を体験し「この体験を絶対忘れたらアカン」と思いながら、それでもいつしか「牙をむく自然の恐ろしさ」を忘れていた自分を、身悶えするほど恥ずかしく思いました。

翌12日(今日)は、兵庫県男女共同参画センターとラジオ関西、NPO法人ママの働き方応援隊、などの共催で「ひょうごの元気を女性から」というイベントで、トーク&ライブ(唄)を行うことになっていた私は、すっかり打ちのめされた思いで、呆然としながら主催者である男女共同参画センター所長の横山さんと「明日のイベント開催の是非」を話し合いました。

このような状況の中で、本当にイベントを開催してえぇんやろうか・・・
私も横山さんも、関係者すべてが、心から悩みました。

そして出した結論は
「大震災を経験した私たちやからこそ、開催しよう!」
「被災された方々に、心からのお悔やみとお見舞いを伝えるとともに、エールを送ろう!」
というものでした。

今日12日、JR神戸駅地下通路のイベント広場「デュオ神戸」において、阪神淡路大震災の後に生まれた、たくさんのNPOが、それぞれに心を込めたブースを出展し、たくさんの人たちが集まって下さり、イベント「ひょうごの元気を女性から」が開催されました。

出演者の一人一人、出展者の一人一人が「東北地方太平洋沖地震」の被災者の皆さんへのお見舞いの心を込めて、演じ、販売し、義援金を集めました。
大震災に打ちのめされながらも、「人を救うのは人」を合言葉に、復興の道のりを辿ってきた者として、イベントをやり終えました。

トークでは、私とラジオ関西営業局長の黒川さんが、大震災の体験を語り合いました。
ラジオ関西は当時須磨にあった社屋(放送局)が全壊という状況の中で、社員が一丸となって生き残った機材で安否情報を流し続けたんやけど、黒川さんもその一員でした。
懐中電灯の小さな灯りしか無い中で、携帯電話も普及していない中で、たくさんの人がラジオに齧りついて、家族の、親族の安否を発信し、耳を傾け続けたあの日を胸に蘇らせました。

阪神淡路大震災の起きた1995年は、全国から多くのボランティアが救援に駆けつけて下さったことから、ボランティア元年とも、NPO元年とも言われました。
警察、消防、救急・・・様々な危機管理システムが有っても、官さえもが被災者となった時、官民の枠を超えて、それぞれに出来ることを担い、助け合い、支え合う経験を通して、地域を再生させる意志とエネルギーを持つに至った・・・そういう転機でもあったことを、思い出しました。

プロップでも、被災者となった重度チャレンジドたちが、パソコン通信などを使って、ベッドの上から安否情報や救援物資の情報を流し続け、支えられながらも「支える側に廻る人」として活躍しました。
「障害者からチャレンジド(挑戦という使命やチャンスを与えられた人)へ」という、プロップのスローガンが生まれた契機となった出来事・・・それが大震災でした。

この震災で失った6400余名の命を、決して無駄にしたらアカン。
亡くなった人たちのためにも、生き残った自分たちは支え合って生き続けなアカン。
唇を噛みしめながら、そう自覚した大震災でした。

自然の恐ろしい力の前では、小さく無力な人間やけど、少しでも、少しでも、その被害を減少させるすべを生み出さなアカン。
「未曾有の大震災」という言葉で、あきらめたらアカン。

そう思いながらも、今も大きな余震が続く東北地方のニュース映像を見ながら、身がすくむ恐怖を感じずにいられません。

東北地方太平洋沖地震の被災者の皆様に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
救援にあたっておられる皆様、過酷な状況の中の救援やと思いますが、どうぞどうぞ一人でも多くの方を救って下さい。
避難されている皆様、救援に携わる皆様、どうぞご安全に!と、心からお祈りいたします。

祈ることしかできない自分に歯ぎしりしながら。
書くことしかできない自分をもどかしく思いながら。
心の底から、祈るナミねぇです。

<by ナミねぇ>

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