みなさま

やっと無実が証明されました。

9月10日に大阪地裁で無罪判決の言い渡しがあり、21日に大阪地検から上訴権放棄の申し立てがあり、無罪が確定しました。

無罪判決は確信していましたが、9月10日、判決の言い渡しを聞くために証言台に立った時も、自分が無罪判決を聞いてどういう気持ちになるのか予想がつきませんでした。裁判長が「被告人は無罪」と言われたその瞬間、心臓が大きく一つ鼓動を打ちました。本当に不思議な感覚でした。

弁護士さんに伺うと、「もっとも控訴しにくい冷静で緻密な判決」ということでしたが、「控訴があることが普通」という世界、この時は「最後まで闘うぞ」と自分に一生懸命言い聞かせていました。
そして、21日の夜、主任弁護人の弘中弁護士から「今、大阪地検から、上訴権を放棄するという連絡がありました。おめでとう。」という電話がありました。電話を切った次の瞬間、「やっと検察との闘いが終わったんだ」という思いがこみ上げ、涙がこぼれました。娘がギュッと抱きしめてくれました。

この間、最後まで闘うことができたのは、皆様がずっと応援して下さったおかげです。被告人、特に拘置所に勾留された人の心理として、「みんな自分から離れていく」という強い孤独感があるのだそうです。私は、この1年3カ月余りの間、一度もそうした孤独感を感じずに過ごすことができました。家族も一度も疎外感を味わうことなく過ごすことができました。
改めて、皆様に心から感謝申し上げます。

皆様と家族の支えがあったこと、気力・体力がなえなかったこと、皆様の援助のおかげで超優秀な弁護団をお願いできたこと、すべてのことに感謝をしております。

判決確定の日、細川厚生労働大臣から電話をいただき、起訴休職が解け、復職しました。そして、9月27日付で、内閣府政策統括官(共生社会担当)を拝命しました。1年3カ月のブランクがあり、若干の不安はありますが、もう一度公務員として働けることの喜びをかみしめつつ、また、初心に戻って頑張ろうと思っています。

証明書の偽造をした上村さんの裁判はまだ継続中です。その結果を見守り、組織として、管理職としての自分の責任もきちんと総括していきたいと思っています。また、「議員案件」であれば何でもやるという検察ストーリーがマスコミで流された時、多くの人がそれを信じたという現実を真摯に受け止め、公務の信用をどう高めるかも考えていきたいと思っています。

また、私の事件を担当した主任検事、さらには特捜部長や副部長の逮捕という事実も踏まえ、今回の「検察」の捜査のあり方に対する検証にどうかかわるかという問題も残されました。

そういった意味では、事件がすべて終わったわけではありませんが、ずっと待ち焦がれた「普通に暮らし普通に働く」という生活を大切にしていきたいと思っています。(早くTVや新聞で自分の顔や名前を見なくて済むようになりたいというのが実感です。「村木被告」から「村木さん」に呼び名が変わったのはいいのですが、どうしてこうもマスコミは極端に振れるのでしょうか。)

皆様にお目にかかって御礼を申し上げるべきところ、まずは書面にて御礼を申し上げます。

 

内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)
〒100-8970 東京都霞ヶ関3-1-1 中央合同庁舎4号館

 

 

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