郵便不正公判 元係長「調書でっちあげ」 涙流し検察を批判

読売新聞大阪朝刊 2010年2月25日記事

 郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の公判は24日午後も、当時の部下の元係長・上村勉被告(40)に対する証人尋問が大阪地裁で行われた。村木被告の関与を認めた供述調書について、上村被告は「村木被告とのやりとりが生々しく書かれているが、全部でっち上げ」と涙ながらに訴え、検察側の取り調べを批判した。

 上村被告の供述調書では、村木被告から「決裁なんかいいんで、すぐに証明書を作ってください」と指示を受けたとされ、証明書交付後は、「気にしなくていいです。忘れて下さい」と声をかけられたとされている。

 上村被告は取り調べについて「『独断でやった』と繰り返し訴えたが、聞いてもらえなかった」と証言。検事は自称障害者団体「凛(りん)の会」元会長・倉沢邦夫被告(74)らの名前を挙げて、「村木被告の関与を認めている」と告げ、上村被告に「君だけ違う方向を向いている」と意に沿う供述をするよう迫ったという。

 記憶と異なる内容の調書に署名した理由について、上村被告は「拘置が長くなると考え、耐えられなくなった」と説明。ハンカチを握りしめながら「今は、悔しい気持ちでいっぱいです」と声を詰まらせた。

 検察側は「逮捕直後から弁護人の接見を受けていますよね」と確認したが、上村被告は「弁護士は『抗議文を出そうか』と言ってくれたが、取り調べがきつくなるのが怖くてできなかった」と述べた。

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