郵便不正事件公判 村木被告へ指示否定
厚労省元上司 偽証明書作成で
毎日新聞夕刊 2010年2月8日記事
郵便不正事件で、偽証明書の作成に関与したとして虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告（５４）＝官房付＝の第５回公判が８日、大阪地裁であった。上司だった元部長（５８）が証人出廷し、村木被告への作成指示について「事実ではなかったと思う」と否定した。検察側が主張する、石井一・民主党参院議員（７５）の口添えについても、捜査段階では認めたとされていたが「実際には記憶にない」と述べた。
検察側の冒頭陳述によると、元部長は０４年２月下旬、石井議員から部長室で電話を受け、石井議員の元秘書で、障害者団体「凜（りん）の会」（解散）代表、倉沢邦夫被告（７４）＝同罪などで公判中＝から証明書発行の協力を要請された。その上で、村木被告に発行に向けた便宜を指示した、とされる。元部長は検察側の質問に「大阪地検特捜部から取り調べを受けた時点で、（証明書発行が）『政治案件』として報道されていた。電話を受けるとしたら私だろうと思い、（口添えを認めた）調書にはサインしたが、実際には記憶にない。検事からいろいろ話をつなぎ合わされた」と証言した。【日野行介】
