2007年度市民サービスメダル受賞者

このメダルは社会活動(経済開発支援活動、教育、保健、住宅、労働、および交通を含む)において重要な貢献を成し遂げた連邦政府役職員に贈られるものである。

ダイナー・エフ・ビー・コーエン

役 職: 電子調整プログラム(CAP) 理事長
省 庁: 国防総省 TRICARE トライケアマネージメント活動
所在地: ヴァージニア州フォールズチャーチ
功 績: 世界最大で最先端の補完技術を駆使した電子調整プログラムの運用で6万件を超える障害を持つ人々の調整希望の受け容れ(2400件の負傷サービスメンの調整を含む)。

ダイナー・コーエン女史は試練に打ち克つ方法を熟知している。彼女はあのホロコーストの生存者の娘であり、少女の時から先天性心疾患との診断を受けている。彼女の注意深い生活態度と周到な準備が国防総省において障害を持つ人々をその職場に最良の状態で適合させるというプログラムの推進に最適であった。彼女の指導の下で電子調整プログラム(CAP)は60,000 件を超える調整希望を受け容れて障害を持つ人々の仕事と生活に誇りと安定をもたらし文字通り世界最大の補完技術プログラムに成長させた。

CAPは障害を持つ人々に無償で補完技術の調整を行うことにより彼等の活動のレベルを調整し機能させる。具体的には、障害を持つ人々が業務上必要とする調整を行い、ハード、ソフトおよびサービスをCAPの費用で提供する。この補完技術即ち調整プログラムが就労者のテレコミュニケーションへのアクセス、コンピュータ、そして点字端末から従来型のキーボードを使えない人々のための特注キーボードに至るあらゆる電子情報に対応出来るように調整を行う。このような資源は障害を持つ個人が職場において従来雇用者側の足かせとなっていたコスト及び不備な面をカバーして競争力を向上させることが出来る。同プログラムは凡そ95%の顧客満足率を達成して高い人気を得ている。

CAPはそれを利用する障害を持つ人々のみならず、連邦政府の管理者にも頼れる資源となっている。コーエン氏はプログラムの評価およびデモンストレーション用の施設としてペンタゴンにCAP技術評価センターを開設した。この施設は連邦の上級リーダー、マネジャー、役職員にとって補完技術の実際の効果を検証出来る点で極めて有用である。障害を持つ個人に提供出来る補完技術の調整、サービスの実際とその評価を確かめるためにCAPは2万人を超える訪問者にデモンストレーション、トレーニング及び評価を既に実施している。ブッシュ大統領も2001年にCAPTEC視察しており、今や障害を持つ人々と職場を支援する連邦政府の提供する最も効果的で信頼できる調整サービスとして定着している。

ダイナー コーエン氏の指導の下で、プログラムの組織化原理の一つは常に前向きに思考しその先の可能性を探る活動を続けることだった。コーエン氏はいつもこの信念に基づいて行動した。

2000年にCAPは連邦政府に働く如何なる役職員に対してもその補完技術と調整サービスを提供出来ることとなった。以来コーエン氏は国防総省外の65の機関と提携を結んだ。プログラムの最も際立った展開はイラクおよびアフガニスタンから帰還した負傷した将兵達への取組みであった。戦場で負傷し障害者となったサービスメンに対する調整は本来CAPの業務ではなかった。しかしコーエン氏はこれをプログラムの論理的延長として位置付けた。リバビリテーションカウンセラーの経歴を持つ彼女はいくつかの陸軍病院において多くのイラクおよびアフガニスタンから帰還した負傷兵に会い、彼らが消耗性の高い負傷に苦しむ様をまのあたりにした。彼女にとってCAPこそが彼らが必要としている職場復帰のための鍵を握っていると考える事はごく自然であった。彼女はこれ等の若い男女サービス要員を派兵から転じて就労に至るまでを支援したいと考え、直ちに行動に移した。コーエン氏は言う。「私が彼らに補完技術による救いの手を差し伸べてはいけないとは誰も言いませんでした。そもそも彼等は国防省の職員なのです。そして私は実行しました。」

しかし、彼女は一つだけ法改正を必要とした。国防省の規定によるとサービスメンが軍を去る時には補完機器は返還されなければならないことになっている。これは明らかに矛盾している。そこで彼女は持ち前の指導力を発揮して議会に法律の改正を働きかけて成功した。2007年春にはCAPは2,400件を超える補完技術の調整に関わる要請をファイルし、CAPによる調整サービスの合計は開始以来60,000を超えている。

ダイナー コーエン氏は単に何千何万の障害を持つ人々の生活に決定的な影響を与えたプログラムの推進役としてのみならず、プログラムそのものを確立した。彼女は1990年に任命されたCAPの初代理事長である。精神的にも苦労の多い彼女の職務であるが彼女は更にその先へと挑戦を続けるであろうとの観方もある。しかし彼女の人生そのものが概ね逆境との闘いであった。彼女は電子調整プログラムのヘッドである限り彼女はこれからも常に挑戦を続け、また、挑戦をしようとする人々を支援して行くに違いない。

翻訳:栗林浩(翻訳ボランティア)

 

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