メール de ナミねぇ 【第157号】 by Prop Station

2012年4月13日

◇◆◇            (平成24年4月13日発行)◆◇◇
◇◆◇  メール de ナミねぇ 【第157号】     ◇◆◇
◆◆◆                          ◆◇◆
◇◆◇           プロップ・ステーション理事長 ◇◆◇
◇◆◇               竹中ナミ(ナミねぇ) ◆◇◆
◇◆◇                          ◇◆◇
◆◇◇           by Prop Station◇◇◆
           http://www.prop.or.jp/

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『メール de ナミねぇ!』はMSゴシックなどの等幅フォントでご覧下
さいね!

■□◇◆ 第157号 目次 ◆◇□■

【1】神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)
    菓子とパンの講習会「チャレンジド・プログラムVol.5」
    受講生募集のお知らせ
【2】「ナミねぇBAND復興支援チャリティライブ in 赤坂」
    おかげさまで無事終了しました
【3】活動報告
【4】5年目を迎える「神戸スウィーツ・コンソーシアム」について、
    熱く語り合いました!!
【5】今後の講演など予定

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 ブログ http://ameblo.jp/takenakanami/
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☆プロップ東京の情報はこちらで
 http://www.prop.or.jp/challenged/seminar/tokyo-seminar.html

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■□◇◆神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)
      菓子とパンの講習会「チャレンジド・プログラムVol.5」
                  受講生募集のお知らせ◆◇□■

神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)は社会福祉法人プロップ・
ステーションと、製粉業界最大手日清製粉株式会社の主催により、多数
の企業と行政のご協力を頂き、「スウィーツの世界で活躍するチャレン
ジド(障害のある人)を生みだそう!」というミッションを掲げて、
2008年6月に発足しました。

KSCの開催する「チャレンジド・プログラム」では、超一流プロのパ
ティシエやブーランジェを講師に迎え、その技術を教授する講習会を実
施しています。プログラムでは、各地の作業所や施設でお菓子作りに従
事する精神・知的障害のチャレンジドを対象として、スキルを上げて生
産性・報酬を上げたい、スウィーツの世界で就労したい(独立・開業)、
製造販売業に携わりたいといった人たちに、超一流プロのレシピと技を
直接指導します。修了生の中には、すでにKSCで学んだスウィーツを
作業所単位で製品化している人たちもいます。

そしていよいよ2012年度「チャレンジド・プログラムVol.5」が、
本年6月より開講します。本年度は、東日本大震災で甚大な被害をこう
むった東北地方の復興へ向け、わたしたちも微力ながら支援の一助を担
うべく、宮城県仙台市に「チャレンジドプログラム」の会場を置き、東
北地方の作業所・施設でお菓子やパン製作に携わるチャレンジドを対象
に、「神戸スウィーツ・コンソーシアム in 仙台」を開催させていただ
きます。受講生はすべて奨学生として経済的負担が無い形での募集とさ
せていただきます。そして今回もクラウド・コンピューティングとブロ
ードバンド回線を利用して仙台市と、同時開催の東京都の各講習会場か
ら映像を発信し、各地のチャレンジドがともに学習する遠隔講習会を実
施します。講習の模様はユーストリームで放映されますので、全国いや
全世界のチャレンジドが学習することが可能となります。

KSCでは平成24年4月1日より、「チャレンジド・プログラムVol.
5」の受講生を下記の要項により募集します。

■募集要項

1.主催者
  社会福祉法人プロップ・ステーション
  日清製粉株式会社

2.協賛企業
  株式会社ADEKA、石川株式会社、オリエンタル酵母工業株式会
  社、正栄食品工業株式会社、タカナシ販売株式会社、月島食品工業
  株式会社、株式会社平瀬フーズ、福島工業株式会社、丸紅株式会社、
  三井製糖株式会社、モロゾフ株式会社
  (その他協力企業多数・2012年4月1日現在)

3.後援
  農林水産省、厚生労働省、総務省、東京都、兵庫県、神戸市、日本
  セルプセンター、関東社会就労センター協議会
  (後援予定:宮城県、仙台市)

4.事務局
  社会福祉法人プロップ・ステーション内 KSC事務局
  電話: 090−7909−1847(担当:樫本)
  Fax: 078−845−2918
  メールアドレス: sweets@prop.or.jp
  URL: http://www.kobesweets.org/

5.「チャレンジド・プログラムVol.5」 開講日程
  平成24年6月16日(土)第1回プログラムを開講(開講式・開
  催趣旨説明・取材他)。プログラムは月1回原則として第3土曜日
  の13:00〜18:00に実施する。以降、7月に第2回、8月
  に第3回、9月に第4回、10月に第5回、11月に第6回をそれ
  ぞれ開講し、11月下旬もしくは12月上旬に修了式・成果発表会
  を開催します。

  ・第1回 6月16日(土) 講師:永井紀之シェフ
  ・第2回以降は詳細が決まり次第発表します

6.開催場所
  仙台会場: 東北石川食料株式会社 新社屋加工技術センター
        住所 〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町3−6−8

  東京会場: 日清製粉株式会社 小網町加工技術センター
        住所 〒103-8544 東京都中央区日本橋小網町19-12

7.講師
  八木淳司マイスター モロゾフ株式会社テクニカル・ディレクター
  (オーストリア国家公認マイスター)
  永井紀之シェフ フランス菓子「ノリエット」
  野澤孝彦シェフ ウィーン菓子「コンディトライノイエス」
  近藤冬子シェフ フランス菓子「ラ・シュエット」 ほか

8.応募資格
  各会場の募集要項に記載

9.募集人数(応募多数の場合は書類選考とします)
  仙台会場:8作業所
  東京会場:8名
  詳細は募集要項を参照のこと

10.受講料
  仙台会場:無料(全員奨学生とします)
  東京会場:30,000円(1名)

11.応募方法 電話若しくはメール又はFAXで申し込んでください。

  応募は、必ず所定の申込書に記入の上、メール又はFAXで申し込
  んでください。応募用紙は神戸スウィーツ・コンソーシアムのホー
  ムページからダウンロードしてください。
  ホームページURL: http://www.kobesweets.org/
  ダウンロードできない方は、ご連絡いただければFAXします。

  仙台市開催 募集要項ダウンロード(PDF)
  http://www.prop.or.jp/ksc/boshuyoukou_sendai_5.pdf
  仙台市開催 専用申込用紙ダウンロード(PDF)
  http://www.prop.or.jp/ksc/moushikomisho_sendai_5.pdf
  東京都開催 募集要項ダウンロード(PDF)
  http://www.prop.or.jp/ksc/boshuyoukou_tokyo_5.pdf
  東京都開催 専用申込用紙ダウンロード(PDF)
  http://www.prop.or.jp/ksc/moushikomisho_tokyo_5.pdf

12.募集期間
  4月1日〜4月27日(必着)

13.受講者の決定
  セルプセンターより、参加作業所をご推薦いただき、神戸スウィー
  ツ・コンソーシアム講師と事務局で協議のうえ、決定します。規定
  の人数に満たない場合は、一般募集いたします。

14.申込先
  社会福祉法人プロップ・ステーション内 KSC事務局
  電 話: 090−7909−1847(担当:樫本)
  FAX: 078−845−2918
  メールアドレス:sweets@prop.or.jp

◎この記事はプロップのホームページでもご覧いただけます
 http://www.prop.or.jp/news/topics/2012/20120401_01.html

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■□◇◆「ナミねぇBAND復興支援チャリティライブ in 赤坂」
              おかげさまで無事終了しました◆◇□■

4月9日に「ナミねぇBAND復興支援チャリティライブ in 赤坂」が
おかげさまで無事終了しました。

ご参加下さった皆さんホンマにありがとうございました!!

ユーストリーム中継がアクセス過多で途切れて途切れになって申し訳な
かったです。

ライブ前の楽屋インタビューと、Shuの「五十嵐川」、ナミねぇの「サ
ントワ・マミー」がYoutubeにUPされたのでご視聴いただけたら嬉しい
です。

ちなみに、この映像も途切れてるとこがあるけど、許してね。

 Youtube映像
 http://youtu.be/Gh7QyppRyv4

 【写真】友人として、ボランタリーに駆けつけてくれた、くわまん
 (桑野信義さん)を囲む、ナミねぇBANDメンバー&尾飛&Shu
  *ノーヴェンバーイレブンスの楽屋にて*
 http://ameblo.jp/takenakanami/image-11219815212-11909258199.html

<by ナミねぇ>

◎この記事はナミねぇのブログでもご覧いただけます
 http://ameblo.jp/takenakanami/entry-11219815212.html

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■□◇◆活動報告◆◇□■

○4月3日(火)
・神戸市より、新任部長、課長来訪 / 場所:プロップ神戸オフィス

○4月4日(水)
・KBS京都ラジオ 取材 / 場所:自宅

○4月5日(木)
・青野原病院「親の会」役員会(総会準備)に出席 /
 場所:青野原病院「母の家」

○4月6日(金)
・「ナミねぇBAND赤坂チャリティライブ」のリハ /
 場所:D.Cスタジオ(大阪神崎川)

○4月8日(日)
・青野原病院「親の会」総会出席 / 場所:青野原病院 あおのホール
・サンセットヴィラ六甲山 役員会に出席 / 場所:灘区

○4月9日(月)
・ナミねぇBAND震災支援チャリティライブ in 赤坂 /
 場所:ノーヴェンバーイレブンス(赤坂一ツ木通り)

○4月10日(火)
・NHK経営委員会 / 場所:NHK(渋谷区神南)
・ニューメディア吉井編集長らと会合 / 場所:南青山

○4月12日(木)
・「市町村議員特別セミナー」にて講演 /
 場所:全国市町村国際文化研究所(滋賀県大津市)

その他のスケジュールはこちらをご参照ください。
http://www.prop.or.jp/webcal/webcal.cgi

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■□◇◆5年目を迎える「神戸スウィーツ・コンソーシアム」
            について、熱く語り合いました!!◆◇□■

「スウィーツの世界で活躍するチャレンジドを生み出そう!」を合い言
葉に日清製粉(株)とプロップ・ステーションが連携して取り組む「神戸
スウィーツ・コンソーシアム(KSC)」は今年で5年目を迎えます。

モロゾフ・テクニカルディレクターでありオーストリア国家公認の「製
菓マイスター」の称号を外国人として初めて授与された八木淳司さんを
筆頭に、超一流のシェフたちがボランタリーに講師をつとめる「神戸ス
ウィーツ・コンソーシアム」。今年は6月から東日本大震災・大津波で
被災された作業所に所属されるチャレンジドたちを奨学生として迎える
「神戸スウィーツ・コンソーシアム in 仙台」も始まります。

KSCへの想い、そして今までとこれからを日清製粉、山田貴夫取締役、
八木淳司マイスター、プロップ・ステーション ナミねぇ(竹中ナミ)
の三人が熱く語り合った月刊ニューメディア主宰の鼎談をここに再録さ
せていただきます。

<by ナミねぇ>

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■特別鼎談

 確実に新たな一歩を踏み出したチャレンジド達
 〜2012年度は被災地 宮城で実施〜

           (月刊ニューメディア 2012年5月号より転載)

チャレンジドの"熱い思い"を超一流パティシエが支える
神戸スウィーツ・コンソーシアム

<プロのパティシエになる!>

チャレンジド(障がい者)※1の就労支援を目的に、2008年6月28日、パ
ティシエ養成スクール「神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)」
は開講した。主催は社会福祉法人プロップ・ステーション(プロップ)
と日清製粉株式会社。

チャレンジドが働く施設や作業所では、クッキーやパンなどの菓子作り
が盛んで、チャリティ販売なども行われている。そこで、せっかく身に
付けた技を、本格的なビジネス展開できる技量にまで高められないかと
プロップの竹中ナミ理事長は考えた。それがKSCの始まりである。
2012年度、KSCは5クール目に入る。これまで4回実施したなかでつか
んだ確信などを、プロップの竹中理事長と日清製粉の山田貴夫取締役・
東京営業部長、そして講師陣のリーダーを務めるオーストリア国家公認
製菓マイスターでモロゾフ株式会社のテクニカルディレクターである八
木淳司氏の3人に語ってもらった。(構成:月刊ニューメディア編集部、
写真:石曾根理倫)

※1 チャレンジド:神様から挑戦することを与えられた人々という意で、
アメリカでは障がい者を表すときに用いられる。

【特別鼎談】


講師が繰り出す菓子作りの技を目の当たりに見られる貴重な機会

○超一流のプロたちから技術を直接学ぶ意味とは

竹中・プロップ

神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)は丸4年続いて、5年目に突
入します。すっごくうれしい。チャレンジドがプロになるというのは、
日本の福祉ではなかった考えです。彼らは福祉の対象と言われていたわ
けやけど、プロになれる人が絶対いるはずやと思っていたんです。その
ためには一流のプロから技術を学ぶことで、一流の素材、一流の道具、
一流のレシピなどの条件が揃い、そして本人が真剣に学んではじめてプ
ロになれる。これは二十数年間ICT(Information and Communication
Technology)セミナーをやってきた経験から言えることなんです。とは
いえ、一流の人たちがボランタリーに協力してくれるなんて、本業があ
って忙しいわけだから普通はあり得ない。だけど、本業の中でわれわれ
とタッグを組んでもらいたい。そう強く願っていたのです。

KSCプロジェクトが成功したのは、日清製粉という小麦粉のプロであ
る大手企業と、日本のパティシエのリーダーである八木さんが、本気で
タッグを組んでくれはったからです。例えば、スウィーツには粉のほか
にもいろいろな材料が必要で、そのとき、あの日清製粉さんが本気で支
援しているプロジェクトなら信頼できると、いろんな企業や人が協力し
てくれたんです。

一流のパティシエが次々と講師に手を挙げてくれたのは、八木さんの高
い技と人柄があってこそ、でした。技術力があって、KSCを本気で応
援してくれる人を講師に選んでくれたんです。粉業界のことも、パティ
シエのことも知らないわたしらが取り組めたのは、ここに理由があるん
です。

山田・日清製粉

ナミねぇ(竹中理事長の愛称)からプロジェクトの話をいただいたとき、
その考え方に率直に共鳴し、企業としても個人としても応援することは
大変有意義だと思いました。社会貢献の依頼をたくさんいただくんです
が、どうお手伝いできるのかわからないものが多いのです。今回は本業
につながるかたちでの支援ということで入りやすかったですね。業務用
の小麦粉を販売する中で、プロモーションとして講習会を開いています。
その延長線であり、自分たちの持っているノウハウを使えるわけですか
ら。

竹中

本業のノウハウをチャレンジド育成のために惜しげもなく出してくれる
って、すごいことです。講師の協力も、このプロジェクトの大きな柱で
す。

八木・モロゾフ

講師をお願いする方は、技術力はもちろん、人柄を見てKSCを理解し
てくれそうな人にお願いしています。普段から社会貢献できることは何
かないかと考えているのでしょうか、皆さんは非常に協力的です。でも、
初めは不安を持たれますので、チャレンジドたちとの接し方などをじっ
くりと話しながら進めてきました。それと、講師を一度経験されると、
もう一度やらせてくださいって言われる方が多いんです。

山田

KSCの講師の皆さんは熱いというか、真剣です。そういうなかに入っ
て、パティシエの方とコミュニケーションできるのは大変ありがたい機
会です。小麦粉を納めていても、直接話をする機会はほとんどありませ
んので。

○誇りを持ったチャレンジドたち

八木

講習の初めは僕らも緊張しますが、チャレンジドたちはものすごく緊張
するんです。それが回を重ねるごとにだんだん目の色が変わり、本気に
なってきたというか、話す言葉も増え、目に見えて変化が出てくるんで
す。こんなに変わるんだと、毎回驚いています。

竹中

チャレンジドたちの多くは、本当のプロの厳しさに触れたり、プロの目
の前で何かを習うという経験がこれまでなかったんです。家族とか施設
の職員とか、いつも守ってくれる人に囲まれ、鍛えられるとか、失敗し
たときに温かくかつ厳しく注意してもらうことがないままにきています。
最初は緊張しますが、回を重ねてくると、彼らも自分にとってすごく大
きなものが得られる場所やということがわかる。そのとき、彼らにとっ
てKSCは安心できる場所であり、鍛えられる場所であり、誇りを持て
る場所になるんです。福祉の対象と言われたとき、チャレンジドたちは
無意識のうちに誇りを捨てさせられているんです。「あなたたちは障が
いのあるネガティブな存在だから、周りの人に守られてこんなことをや
っているんですよ」という暗黙の包み込みがあるんです。緊張がほどけ
ていくということは、安心しながらも自信につながり、それが誇りにな
るんです。

八木

障がいは一人ひとり違います。だから、新しく講師になる方には、作業
の仕方や動きを一人ひとりきちんと見てくれるようお願いしています。
出来映えの良し悪しではなく、作業の仕方や動作を見ることで、その人
の理解度を測ることができるのです。それをつかめば教え方もわかって
くる。そのために初回は簡単な作業の内容ですし、受講生を8名にして
いるのも、目が届く範囲ということからです。

竹中

日清製粉の技術スタッフの方々は、チャレンジドたちの動きをうまいこ
と支えているんです。日清製粉の社員の皆さんは「誠実」の一言で、自
分の本業の中で最大のパフォーマンスを出してくれはるんです。

山田

KSCはビジネスでは得られない充実感があるようです。どう接したら
いいのか、戸惑ったと思うんですが、参加する中でプロジェクトの意義
を肌で感じてくる。そうなって動きも変わってきたんでしょう。非常に
大きな財産です。

○遠隔講習が業界を変える!?

八木

KSCでは新たな試みとして、3回目から通信ネットワーク技術による
遠隔システムを使って離れた会場と講習を共有していますが、これは非
常に新鮮です。

竹中

わたしらはICTセミナーを二十数年やってきているので、つながる道
具としてICTの有効性はわかっています。チャレンジドはつながると
か、発信することにハンディがあるので、ICTを使いこなすことで社
会や人とのつながりができるようになります。だから、KSCプロジェ
クトでもICTを使って世の中に発信するべきやし、会場に来れない人
がICTで学ぶチャンスを得るというのは自然の流れなんです。ただ、
実際には高価な機材や高い技術力が必要で、やりたいといってできるわ
けじゃないけど、幸運にも総務省のクラウドの実証実験に位置づけられ
ました。実証実験は1年間限りでしたので、この間にノウハウを学んだ
ことで、昨年の4クール目も続けられました。

八木

洋菓子業界もパン業界も市場は飽和状態で、都会と地方の格差問題も顕
著です。例えば、都会では珍しくないパティシエの講習会も地方ではほ
とんどないのです。講習を受けに上京するには、交通費や時間の問題が
あって簡単にいかないんです。こうした問題を遠隔システムで解消でき
ると期待しています。

山田

われわれも以前から、ネットワーク技術を利用して地方で講習会を展開
できないかと考えていました。KSCの遠隔講習を経験してイメージが
具体化してきたという実感を持っています。受講生全員を1つの会場に
集める必要もなく、自宅にいながらにして講習を受けられる。個人経営
者が店を1日空けるというのはなかなか難しいわけですから。

八木

これを使えば、地方から東京に発信することも考えられます。

○やっと届いたパティシエの思い 「エクリチュール」誕生

山田

日清製粉では「ECRITURE(エクリチュール)」※2という焼き菓子用の
小麦粉を開発し、2011年10月から全国で販売しています。エクリチュー
ルはKSCの講師の皆さんからいただいた意見をもとに開発した商品で
す。本場ヨーロッパの品質を実現できる小麦粉が欲しいというニーズに
応え、原料となる小麦はフランス産100%です。KSCの協力を決めた
とき、新しい小麦粉の開発なんてまったく考えていませんでしたよ(笑)。

竹中

わたしらにとっても誇らしいことです。

八木

外国産の小麦粉が入ってきたのは終戦後で、その小麦粉は粘りのある強
力粉でパン作りに適していました。ふんわりした食感が必要な洋菓子に
は不向きで、そのために誕生したのがきめの細かい薄力粉です。これは
日本にしかないんです。以来ずっと洋菓子といえば薄力粉です。ところ
が、ヨーロッパで修業を積んだパティシエたちは薄力粉で焼き菓子を作
ると、きめが細かすぎてベトッとなることに不満があったのです。僕ら
少数の声は粉業界になかなか届かなくて、強力粉を混ぜて代用していま
した。KSCのメインは焼き菓子ですから、何とか焼き菓子に適した小
麦粉が欲しかった。開発の担当者に話したら理解していただき、専用の
粉の開発につながったんです。

山田

パッケージですが、一般的な業務用は25キロですが、使い勝手やスペー
スを考えて10キロにしました。

八木

マーケットのニーズに寄り添っています。パティシエは女性が増えてき
ていますので、男性でも結構重い25キロですので、10キロは歓迎されま
すよ。

○2012年の取り組み
 2つの新たなチャレンジ

竹中

東日本大震災を経験して、皆さんが本業でKSCを応援してくださって
いるように、このプロジェクトで被災地に何か支援はできないかと考え
ました。被災された福祉施設や作業所でお菓子作りをやっているチャレ
ンジドたちに、KSCの超一流のパティシエと出会ってもらって、チャ
レンジドたち自身が美味しいものを届ける人になってくれたら、本人も
元気になるし、周りの人たちも元気になると考え、皆さんに相談したら
即やりましょうと言ってくれたんです。日清製粉さんの関連会社である
東北石川食料株式会社(仙台市若林区)の地震で全壊した工場が5月に
再建されるので、そこを会場に使わせてもらえることになりました。し
かも、本来はパンや麺を主体とした加工センターなんですが、洋菓子に
も対応できるようにしてくれるという、うれしい話なんです。すべての
条件が揃って仙台でKSC開催ができるようになりました。

それと、スウィーツ好きな方々にKSCを知ってもらい、販路を開拓す
るための取り組みを開始します。そのひとつとなるのが、講師の野澤孝
彦パティシエのお店「Neues(ノイエス)」(東京・赤坂)に置いていた
だくことになりました。

八木

自分たちで作った商品を自分たちで売ることが最終目標になりますが、
それには材料の仕入れから保管、販売、賞味期限の管理といった食品衛
生法や法令面の対応など、まわりの支援がないとできないことがありま
す。一人で何でもできる必要はなく、障がいに合った働きをして、チー
ムが最大の結果を得られるようにする。これも自立だと考えているので、
チャレンジドそれぞれに合った自立の形態を生み出していきたいと考え
ています。

竹中

5年目にして新たな挑戦が始まります。どうぞよろしくお願いいたします。

八木・山田

もちろんです。

http://www.prop.or.jp/news/clip/2012/img/201205newmedia15p_01.jpg
[写真](左から)
・竹中ナミ Takenaka Nami 社会福祉法人プロップ・ステーション理事長、
 NHK経営委員
・八木淳司 Yagi Jyunji モロゾフ株式会社テクニカルディレクターオー
 ストリア国家公認製菓マイスター
・山田貴夫 Yamada Takao 日清製粉株式会社取締役・東京営業部長

●KSCの"超一流"パティシエ講師陣

西川功晃 氏 神戸「サ・マーシュ」シェフ(兵庫県)
永井紀之 氏 フランス菓子「ノリエット」シェフ(東京都)
野澤孝彦 氏 ウィーン菓子「コンディトライ ノイエス」シェフ
      (東京都)
近藤冬子 氏 洋菓子教室・注文菓子専門店「ラ・シュエット」シェフ
      (東京都)
白岩忠志 氏 ショコラティエ「ラ・ピエール・ブランシュ」シェフ
      (兵庫県)
田中千尋 氏 パティスリー「カフェタナカ」シェフ(愛知県)
原 富彦 氏 「名古屋東急ホテル」シェフパティシエ(愛知県)
井上 孝 氏 「西日本調理製菓専門学校」洋菓子講師(岡山県)
相墨一彦 氏 「修文大学短期大学部」生活文化学科講師(愛知県)


※2 ECRITURE:文体という意味のフランス語。日清製粉はパティシエそ
れぞれの技(=文体)を“表現”するという意味を込めている。

◎この記事はプロップのホームページでもご覧いただけます
 http://www.prop.or.jp/news/clip/2012/20120402_01_i.html

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■□◇◆今後の講演など予定◆◇□■

○4月13日(金)
・青陽東養護学校よりICT学習打ち合せのため来訪 /
 場所:プロップ神戸オフィス

○4月14日(土)
・メディア関係者との会合 / 場所:神戸市内

○4月16日(月)
・内閣府「雇用戦略対話ワーキング」に出席 /
 場所:中央合同庁舎第4号館12階1208会議室

○4月17日(火)
・「ユニバーサル社会を創造する次官PJ(勉強会)」に出席 /
 場所:農林水産省:町田次官室

○4月19日(木)
・マキ面会日 / 場所:青野原病院

○4月20日(金)
・「国交省モビリティサポート有識者委員会」に出席 /
 場所:国土交通省

○4月24日(火)
・NHK経営委員会 / 場所:NHK(渋谷区神南)

○4月26日(木)
・内閣府「雇用戦略対話ワーキング」に出席 /
 場所:中央合同庁舎第4号館12階1208会議室

○4月27日(金)
・富山へ向けて出発 / 場所:新大阪発サンダーバード21号→富山
・NHK富山放送局、業務概要説明会ほか / 場所:NHK富山放送局

○4月28日(土)
・「視聴者のみなさまと語る会in富山」にNHK経営委員として出席 /
 場所:NHK富山放送局

○4月30日(月)
・母の兄、三十三回忌法事 / 場所:熊本の母の実家にて

その他のスケジュールはこちらをご参照ください。
http://www.prop.or.jp/webcal/webcal.cgi

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☆メール de ナミねぇ!【第157号】
                    平成24年4月13日発行
☆発行元:社会福祉法人プロップ・ステーション
                 URL http://www.prop.or.jp/
☆お問合せ先:  〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6−9
                神戸ファッションマート6E−13
             社会福祉法人プロップ・ステーション広報
                メールアドレス:kouho@prop.or.jp
☆発行:原則として毎月初旬と下旬の2回(それ以外は随時発行)
☆メール de ナミねぇ!は『まぐまぐ!』
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