メール de ナミねぇ 【第105号】 by Prop Station

2010年4月30日

◇◆◇            (平成22年4月30日発行)◆◇◇
◇◆◇  メール de ナミねぇ 【第105号】     ◇◆◇
◆◆◆                          ◆◇◆
◇◆◇           プロップ・ステーション理事長 ◇◆◇
◇◆◇               竹中ナミ(ナミねぇ) ◆◇◆
◇◆◇                          ◇◆◇
◆◇◇           by Prop Station◇◇◆
           http://www.prop.or.jp/

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『メール de ナミねぇ!』はMSゴシックなどの等幅フォントでご覧下
さいね!

■□◇◆ 第105号 目次 ◆◇□■

【1】CM字幕アンケート結果などについて、
         情報通信審議会で報告しました!
【2】ICTが拡げる可能性─ユニバーサル社会のために
           ・・・・・大修館書店のご取材に答えて
【3】活動報告
【4】今後の講演など予定
【5】最新メディア情報

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 詳報はメルマガで!

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■□◇◆CM字幕アンケート結果などについて、
             情報通信審議会で報告しました!◆◇□■

ナミねぇは4月22日に開催された総務省情報通信審議会で、委員の立
場でCM字幕アンケートの報告と、政見放送字幕付与への意見を発表さ
せていただきました。

委員会提出資料
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100422_02.html#shiryo

プロップのサイトやこのメルマガでもご紹介してきましたが、地上TV
放送では実施されていなかったCMの字幕放送を、3月22日に日本で
初めてパナソニック株式会社が放送実験しました。

そして放送終了後に聴覚障害のチャレンジドを対象としたアンケートを
実施し、短期間(告知が番組放映の2日前)であったにも関わらず、
346名もの皆さんから回答を戴きました。この場を借りてアンケート
にご回答くださった皆さんに心からお礼申し上げます。

CM字幕放送については、今年1月に行われた原口一博総務大臣とナミ
ねぇとの対談(月刊ニューメディア主宰)の中で、大臣がその場で指示
を出して下さり、民放連にワーキング・グループが発足するなど、大き
く前進を始めていました。

そんな中でのパナソニック社の英断は、視聴者からも提供企業の立場か
らも大きな注目を集めたことと思います。これを機に、たくさんの企業
がCM字幕放送というビジネスに目をむけ、また聴覚障害のチャレンジ
ドはもちろんのこと、賑やかなところに居る人や、反対に音を出せない
場所(病院など)に居る時など、あらゆる場面でCM字幕があることの
メリットが理解され、実現に結びついてゆくことを願います。

またその後4月2日に行われた原口大臣とナミねぇの対談で、ナミねぇ
から政見放送への字幕付与について提言し、大臣は「政治家が、全ての
有権者に政策を理解して戴くのは当然のこと」と、政見放送に関する制
度を調査するよう、所轄大臣として担当部署に指示を出してくださいま
した。

*その後の調査で、参院選は(衆院選と違って)政見放送のビデオ持ち
込みが不可となっていることが分かりました。私は参院選も衆院選同様、
候補者や政党が政見放送に積極的に字幕を付けて放映できるようになれ
ばいいな、と思っています。字幕の有無も、きっと有権者の大きな判断
材料になると思います。

「誰にでも必要な時がある字幕」というユニバーサルな意識が、多くの
人に広がって行くことを心から願うナミねぇです。

<by ナミねぇ>

■関連リンク

原口一博総務大臣との対談
〜CM字幕、政見放送字幕付与など、話題に〜
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100402_01.html

パナソニックが3月22日、一社提供番組でCM字幕の実験放送!
http://www.prop.or.jp/news/challenged/2010/20100320_01.html

民放連に「CM字幕 ワーキンググループ」設置さる!!
〜ナミねぇの、総務省地デジ委員会、ご報告〜
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100217_01.html

新春対談 原口一博総務大臣 & ナミねぇ
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/20100105_01.html

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■□◇◆ICTが拡げる可能性─ユニバーサル社会のために◆◇□■

ナミねぇです! いよいよゴールデンウィークに突入しましたねっ!

メルマガ読者の皆さんも海に山に海外に、それぞれのバカンスを満喫さ
れていることと思います。えっ?家で寝てる・・・それはそれで立派な
余暇の過ごし方じゃないでしょうか。いずれにせよ、しっかりと日ごろ
の疲れを癒してくださいマセ。

ナミねぇは息子ヒロアキとタイ人のトラセン・エリさんの結婚式に出席
するため、タイの北部の都市チェンマイに向け出発します。83歳の母
も一緒です。エリさんからおばあちゃんにも是非来てほしい、との強い
願いがありました。タイの人は肉親をとっても大切にします。

タイは現在政情不安で、外務省からも渡航情報で注意が呼びかけられて
いますが、いまのところ首都バンコクが中心でチェンマイは平穏な状態
だそうで、安堵しています。タイ行きのてん末にについては、帰国後に
メルマガでもご報告させていただきますね。

さて10年前のお話ですが、ナミねぇの著書「プロップ・ステーション
の挑戦」の英語版が、2000年の秋にJpanTimesから発行されました。
プロップ・ステーションの活動がどのように立ち上がり展開してきたか
を英文で紹介した本書は、おかげさまで好評をいただき、高校3年生の
英語教科書にも採用されました。

LET'S BE PROUD!
http://www.prop.or.jp/books/letsbeproud.html

この教科書を出版された大修館書店が、「特集:教科書のその後を追い
かける」という企画で、このたびナミねぇとプロップ・ステーションを
取材されました。教科書で取り上げられた話題がどう変わってきたかに
焦点を当てたもので、プロップの現在を丁寧にご紹介くださいましたの
で、このメルマガに転載させていただきます。

当時の高校生も今は立派な社会人として各分野で活躍されていることと
思います。そのうちの誰か一人でも、感想を寄せてくれると嬉しいな!

<by ナミねぇ>

▲▼特集:教科書のその後を追いかける
Genius English Readings Revised

■Lesson 3 Let's Be Proud!
 ICTが拡げる可能性─ユニバーサル社会のために

Genius English Readings Revisedでは,Lesson 3 Let's Be Proud!で,
神戸のNPOプロップ・ステーションと竹中ナミさんの活動を紹介して
いる。竹中さんは1991年の設立以来、コンピュータ・セミナーなどを通
して,チャレンジド(障がいのある人について,この呼び方を提唱して
いる)の人たちのスキルアップや就労に尽力してきた。最近の活動と竹
中さんの現在の思いをうかがった。(構成・編集部)

プロップ・ステーションの最近の活動 ーーーーーーーーーーーーーー

設立以来のICT関連セミナーは2008年から神戸だけでなく東京でも開
催しています。一般向けのワードやエクセルの講習に留まらず,グラフ
ィックやホームページ作成などを,プロの講師に直接習えるのがプロッ
プのセミナーの特徴です。設立から20年近く経ち、最近はこのセミナー
の卒業生で現在プロとして仕事をしているチャレンジドの人が,講師も
務めるようになってきました。
私たちプロップ・ステーションのサイト
http://www.prop.or.jp
も彼らの作品です。このサイトは,デザイン性にも優れ,動画も含めて
非常に情報量が多く,更新も頻繁に行っていますが,ほとんどすべてチ
ャレンジドのスタッフの手で作成されています。重要な記事は英文でも
提供していますが,この英訳もネイティブを含めたチャレンジドの人た
ちによるものです。
さらに製菓部門での試みも始めました。プロップの本拠地,神戸は日本
の洋菓子発祥の地。チャレンジドの人たちは作業所などで製菓作りに携
わることもあります。ただし,これまではあくまでチャリティ販売とい
う扱いで,技術的にも品質的にも,一般の商品とは開きがありました。
それを続けていてもビジネスとしてはなりたたない。おいしいからとい
って買ってもらえるようにするためには、プロの職人に学んで,品質を
上げなくてはならないと考えたのです。
2008年に神戸で始まった「神戸スウィーツ・コンソーシアム]は,全国
から選ばれた受講生がモロゾフなど有名メーカーのパティシエに半年間
,さまざまな製菓技術を教わるというものです。パティシエの方にはボ
ランタリーに協力いただけたほか,日清製粉の協力で高品質な材料を提
供いただくことができました。昨年は第2回を東京で行い、今年度も引
き続き開催していく予定です。

高等学校との連携 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

進路選択の段階で有効なスキルを身につけるには,学齢期からのスキル
アップが必要です。そのため,最近は高校生を対象にしたセミナーも行
っています。昨年は東京都の石神井特別支援学級の生徒を対象に,コン
ピュータでの描画や簡単アニメーション作成の集中講座を行いました。
ワードやエクセルに日頃慣れていても,初めてふれたグラフィック分野
の作業に,生徒たちはそれぞれの個性を発揮し,高校生ならではのセン
スで講師を驚かせるほどでした。また,目標に向かって集中して取り組
んだ経験は生徒同士の仲間作りにもつながりました。この成功を糧に,
今後,東京都と特別支援学級,プロップの3者が共同して,講習を行う
ことを予定しています。

チャレンジドの人にとってのコンピュータ ーーーーーーーーーーーー

従来おもに肢体や聴覚など身体に障がいのある人の補助となってきたコ
ンピュータですが,現在は発達障がいや知的障がいのある人にも欠かせ
ないツールとなってきています。たとえば,ある受講者は本の形態では
ひらがなを拾い読みするにとどまるのですが,コンピュータ上では描画
ソフトや表計算ソフトを使いこなし、さまざまな作業が可能です.この
ようにメディアの幅が拡がることでその人の能力が表れてくることがあ
ります。
特にセンスそのものが伝わるグラフィック作品からは,その人の深い心
のひだがうかがえることがあり,言葉では伝えることができない場合な
ど,一種のすごみを備えていることがあります。
また,国土交通省で推進されている「自律移動支援プロジェクト」とい
うものがあります。これは観光地を車いすなどで移動する際に,チャレ
ンジドの人たちが知っておきたい情報などを携帯を通じて得られるとい
う情報サービスで,プロップ・ステーションも参加しています。こうし
たサービスがあれば,観光業界でもチャレンジドや高齢者の方などを通
常のお客さん,ユーザーとして見込むことができるんです。これも私た
ちの目指すユニバーサル社会のありようのひとつです。

高校生にこそ変えてほしい意識 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

私たち日本人は情が深いという美点を持っています。たとえば,障がい
のある人がいたら,気の毒,かわいそう,とまず思う。でもそこで留ま
ってしまうと上からの目線になってしまいます。そこを一歩進めて,で
はこの人たちが自分と同じように生活するには,何が必要かを考えてみ
る。そんなふうに見方を変えることを習慣づけていくことが必要で,考
え方の柔軟な若い人たちにこそできることだと思います。

竹中ナミさん
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/taishukan_01.jpg

仕事は創るもの ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

チャレンジドの人たちの就労をめぐる状況は,かつての女性の就労をめ
ぐる状況と似ています。以前は女性は労働力としてとらえられていませ
んでしたが,今は働くのが当たり前。位置づけはずいぶん変わってきま
した。
私自身,重度の障がいがある娘を24時間介護していた時は,社会に出て
働くことができない悔しさを痛感しました。でも,企業でフルタイムで
,といった働き方の前提を変えてみたら,今の仕事が見えてきたんです
。不況下で育ち,進路に迷う生徒さんたちにも,働きたい気持ちがあっ
て,スキルを磨く努力をすれば,道は開ける。仕事は創るものだよと伝
えたいですね。

支え合う=プロップの精神 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキルを磨くことは必要ですが,すべて自分一人でできるようになるこ
とだけを目指しているのではありません。私自身,プロップ・ステーシ
ョンのスタッフたち,チャレンジドの人たちに100%支えられていると
いっていいくらいです。たとえば,私の場合,「口と心臓」には自信が
ありましたが,コンピュータや英語,経理など,自分にできないことが
あっても,他のできる人が支えてくれたからこそ活動を続けてこられた
のです。お互いのできることに着目して,支え合うことがなにより大切
だと思っています。
            (竹中ナミ・プロップ・ステーション理事)

G.C.D.英語通信N0.47(Apr.20I0)より転載

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■□◇◆4月後半の活動報告◆◇□■

○4月19日(月)
・内閣府政策統括官:山崎さんたち、来訪 /
 場所:プロップ東京オフィス
・「雇用戦略対話WG」に出席 / 場所:内閣府

○4月20日(火)
・立正佼成会より、来訪(ご相談) / 場所:プロップ神戸オフィス
・キリンビール時國部長、講演打合せのため来訪 /
 場所:プロップ神戸オフィス
・神戸市立医療センター中央市民病院:倫理委員会に出席

○4月22日(木)
・婦人公論取材、続く / 場所:プロップ東京オフィス
・「総務省情報通信審議会 地デジ委員会」に、出席 /
 場所:総務省8F 第1特別会議室
・CM字幕関連打合せ / 場所:都内

○4月23日(金)
・ご相談者来訪 / 場所:プロップ東京オフィス

○4月24日(土)
・地デジ関連の打合せ / 場所:プロップ神戸オフィス

○4月26日(月)
・雇用戦略対話本会議に出席 / 場所:総理官邸

○4月27日(火)
・婦人公論より、セミナーなど写真取材 / 場所:プロップ神戸オフィス
・友人の祝賀会 / 場所:神戸三宮

○4月29日(木)
・GWの休業開始→5月5日まで、プロップ休業です
 プロップ東京・神戸、休業です。メールのご相談は受け付けています

・兵庫LD親の会(たつの子)20周年講演会
 「社会的自立をめざして」
 / 場所:神戸市男女参画センター(あすてっぷ神戸)

その他のスケジュールはこちらをご参照ください。
http://www.prop.or.jp/webcal/webcal.cgi

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■□◇◆5月前半の講演など予定◆◇□■

○5月1日(土)
・川崎・しんゆり芸術祭に出演 映画「チャレンジド」上映とトーク /
 場所:川崎アートセンター(小田急線 新百合ヶ丘)

○5月2日(日)
・長男ヒロアキ&トラセン・エリさん、結婚式のため家族でタイ国へ /
 場所:エリさんの実家(チェンマイ郊外)にて

○5月8日(土)
・タイ国より、帰国

○5月11日(火)
・厚生労働省高齢・障害者雇用対策部長、来訪 /
 場所:プロップ神戸オフィス

○5月12日(水)
・雇用戦略対話WGに出席 / 場所:内閣府
・総務省:光ブロードバンド検討委員会、副大臣との意見交換 /
 場所:総務省7F 副大臣室

○5月13日(木)
・関西大学経済学部学術講演会(社会保障論)にて講演 /
 場所:関西大学経済学部学(関西大学千里山キャンパス)

○5月15日(土)
・神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)in東京 Vol.3 開講式 /
 場所:日清製粉小網町加工センター

その他のスケジュールはこちらをご参照ください。
http://www.prop.or.jp/webcal/webcal.cgi

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■□◇◆最新メディア情報◆◇□■

●「神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)in 東京
 〜チャレンジド・プログラム Vol.2〜」から
 製菓製パン 2010年4月号
 http://www.prop.or.jp/news/clip/2010/20100400_01.html

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☆メール de ナミねぇ!【第105号】
                    平成22年4月30日発行
☆発行元:社会福祉法人プロップ・ステーション
                 URL http://www.prop.or.jp/
☆お問合せ先:  〒658-0032 兵庫県神戸市東灘区向洋町中6−9
                神戸ファッションマート6E−13
             社会福祉法人プロップ・ステーション広報
                メールアドレス:kouho@prop.or.jp
☆発行:原則として毎月1日と15日頃(それ以外は随時発行)
☆メール de ナミねぇ!は『まぐまぐ!』
 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
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