パンニュース 2025年8月5日より転載
神戸スウィーツ・コンソーシアム チャレンジド・プログラムVol.18
一流のシェフに製パン・製菓を学ぶ
大阪皮切りに東京・神戸会場でも開催
【本文テキスト】
神戸スウィーツ・コンソーシアム チャレンジド・プログラムVol.18
一流のシェフに製パン・製菓を学ぶ
大阪皮切りに東京・神戸会場でも開催
社会福祉法人プロップ・ステーション(竹中ナミ理事長)と日清製粉(山田貴夫社長)が主催する神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)のチャレンジド・プログラムVol.18が今年もスタートし、開講式と第1回講習が7月2日にフクシマガリレイ本社ビル(大阪府大阪市西淀川区)1階のMlLABキッチンで開催された。同会場で行われたのは今回が初めて。明るく広々とした会場には最新の設備が整い、受講生達にも熱が入った。講師は西川功晃シェフ(サ・マーシュ)が務め、日清製粉の北海道産小麦を100%使用した全粒粉「きたのまるこ」を使い、パン・コンプレとそのバリエーションを学んだ。当日の様子はオンラインで全国に配信された。
KSCは、プロップ・ステーションと日清製粉が主催し、多数の企業と行政の協力のと、「スウィーツの世界で活躍するチャレンジド(障がいのある人)を生みだそう」というミッションを掲げ、2008年6月に発足した。一流のパティシエやブーランジェを講師に迎え、各地の作業所や施設で菓子作りに従事する精神・知的障がいのチャレンジドを対象として、プロの技術やレシピを教授する講習会「チャレンジド・プログラム」を実施している。
18回目となる今年度は、西川シェフを講師に第1回を大阪会場で実施したのを皮切りに、第2回を永井紀之シェフ(フランス菓子ノリエット)が講師を務め10月に東京会場(日清製粉小網町加工技術センターで、第3回を野澤孝彦シェフ(ホーフベッカライ・エーデッガータックス京都)が講師を担当し神戸会場(日清製粉東灘工場加工技術センター)で11月に予定している。
7月2日の開講式では、最初に主催者を代表し、親しみを込めてナミねえ″と呼ばれる竹中理事長があいさつ。「KSCの趣旨は、障がいがあっても能力を発揮して社会の中で一流の仕事をしてもらうこと。講師の西川シェフは、プロジェクトのほぼ始まりのころから、完全なボランティアで応援してくれている。今日はしっかり学んで、自身の作業所や施設での商品に結びつけてほしい」と受講者に呼びかけた。
次に、日清製粉常務取締役営業本部長の伊勢英一郎氏が、「スイーツはとても幸せな食べ物。スイーツを食べると誰もが幸せな顔になる。これから講習を受けて、技術を学んで、生活者の皆さんに美味しいスイーツを食べてもらってほしい。これまで18年聞に約250人が卒業してきた。ぜひこの後も20年を目指して続けていきたい」とエールを送った。
続いて会場を提供したフクシマガリレイ、そのホールディングカンパニーであるガリレイ(株)の福島裕会長があいさつを述べ、「MILABは、実際に機械を使う人や素材メーカーなど、さまざまな人が集まり、新しいことにチャレンジすることを目的とした場。今回のプログラムは、目的に則った素晴らしい機会でとても嬉しい。互いに交流することで技術を高め、多くの人と知り合い、機械に触れて学んで欲しい。またキッチン内だけでなく、MILABにはまだいろいろな機械がある。ぜひ、見たり触れたりして、楽しんで欲しい」と呼びかけた。
当日は、厚生労働省の伊原和人事務次官からビデオメッセージが寄せられたほか、会場には、来賓として総務省近畿総合通信局情報通信部の武本圭史部長、農林水産省農村振興局都市農村交流課の廣川正英課長、神戸市企画調整局の多名部重則広報戦略部長兼広報官も来訪した。
西川シェフは、「これだけ設備が整っている講習会場は滅多にない。とてもワクワクしている」とあいさつした。講習では、今年2月に出版された同氏の著作「素材から生まれるパンの技術と感性」(旭屋出版)から「パン・コンプレ」を取り上げ、「ロールパン」「パン・オ・ショコラ」「レモンピールとさつまいものパン」「クリームパン」「クーロンヌ」と多彩なアイテムにアレンジした。パン・コンブレについて西川シェフは、きたのまるこを使用することで、全粒粉を100%配合しても、しっとり軟らかく美味しいパンに焼き上げることができると説明した。
会場には、11月の神戸会場で講師を務める野澤シェフも駆けつけ、西川シェフとともに作業台を周り受講生をサポートした。
支援企業及ぴ協賛企業は次の通り。
石川▽オリエンタル酵母工業▽正栄食品工業▽角谷文治郎商店▽月島食品工業▽フクシマガリレイ▽不二製油▽ミヨシ油脂▽DM三井製糖






