パンニュース 2013年7月5日より転載

神戸スウィーツ・コンソーシアム

第6回チャレンジド・プログラムが開講


麻生太郎副総理


大枝宏之社長


竹中ナミ理事長

初回講師にサ・マーシュ西川功晃氏


山田貴夫部長


八木淳史氏


西川功晃氏

社会福祉法人プロップ・ステーション(竹中ナミ理事長)と日清製粉(大枝宏之社長)が主催する神戸スウィーツ・コンソーシアムの第6回チャレンジド・プログラムの開講式と第1回講習が、6月15日に東京・日本橋の日清製粉・小網町加工技術センターと、仙台市若林区の東北石川食料・加工技術センターで開催された。

両会場の様子は中継され、真剣に取り組む各会場の様子が一方の会場にも映し出された。開講式には、第92代内閣総理大臣を務め、現在は副総理に加え財務大臣、金融担当大臣も兼務する麻生太郎氏をはじめ、多数の来賓が各会場に駆けつけた。

開講式であいさつに立った竹中理事長は、「上から手を差し伸べるのでは無く、チャレンジドが持っている力を大いに発揮してもらえることを目指して活動してきた」と述べ、取り組みの意義を説明した。また大枝社長は、「これから半年間、6回に渡る講習が始まる。第一線で活躍するシェフから製パン、製菓を学び、夢の実現に向け一歩一歩努力してほしい」と述べた。

続いて来賓を代表してあいさつに立った麻生副総理は、「チャレンジドの人達の中には、社会の中で職を得て働いている人も大勢いる。障がい者になりたくてなった人は一人もいない。障がいの種類や程度は様々だが、強い意志、意欲を持って努力し、その結果、社会の中で活躍し、更にその中から新しいものが生まれてくるのならば、大変良いことだ」と述べ、チャレンジド達を激励した。

また開講式に先立ち行われた記者発表では、統括講師の八木淳司氏が、同プログラムの意義や経緯を説明。「最初は1人でスタートしたが、次第に色々な人が集まり、賛同してくれる人、協力してくれる人が増えてきた。これからも継続して取り組んでいきたい」と述べた。また日清製粉の山田貴夫東京営業部長は、「社員全体のモチベーションも上がり、小麦粉の開発などにもプラスとなっている」と話し同社もチャレンジドと共に成長していると述べた。

第1回の講習で講師を務めたのは、サ・マーシュの西川功晃シェフ。また会場には、ノリエットの永井紀之シェフも応援に駆けつけた。西川シェフは記者発表の席で、「受講するチャレンジド達が、隠されていた才能を製パン・製菓を通して発見し、発揮できれば良い。社会の中で十分やっていける、そのことが伝えられるだけでも、意義のあること」とした。

第1回の講習では、米粉と小麦粉を1対1で使用し、ハート型に整形した「ハートのプチパン(モワチエ)がテーマ。西川シェフが呼びかけ行われている「ハートブレッドプロジェクト」を意識したアイテムとなっている。同プロジェクトは、各店舗がオリジナルのレシピで焼いた「ハート型のパン」を販売し、その売り上げの一部を、特定災害や寄付を必要としている地域・団体に対しプロジェクトを通して寄付するというもの。西川シェフは、このアイテムを学び、製パン技術を高めるとともに、販売することで「ハートブレッドプロジェクト」にも参加してもらえればと呼びかけた。

神戸スウィーツ・コンソーシアムは、「スウィーツの世界で活躍するチャレンジド(障がい者)を生み出そう!」を合い言葉に、プロップ・ステーション、日清製粉をはじめ、一流の製菓・製パン技術者、行政などが、業界の垣根を越えてパートナーシップを組み、2008年6月に神戸で発足したもの。前回からは、東日本大震災復興支援をテーマに掲げ、仙台会場も設置して、被災地の就労支援にも取り組んでいる。


講師が手取り足取り、
分かりやすく指導した

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