神戸新聞 2011年4月16日号より

地域活性化、災害時の情報共有…

ITの新展開模索

フェス初開催 最新機器紹介やシンポ

 

インターネットなどの情報技術(IT)を地域で役立てようと、「神戸ITフェスティバル」が15日、中央区東川崎町1の市産業振興センターで開かれた。地域活性化や災害時の情報共有など多彩なテーマで、最新技術や新たな可能性を探る取り組みなどが紹介された。  (直江 純、広岡磨璃)

<中央区>

企業や大学、NPO法人など地域を挙げて関係者が集まるイベントとして初めて開催。27ブースが出展し、メーカーが画面に触れて操作するタブレット端末など最新機器を紹介したほか、「KOBE鉄人プロジェクト」(長田区)などの地域団体も活動をPRした。

また、テーマごとに約40の分散会も開かれた。新型インフルエンザの流行時などに備えた在宅勤務のあり方や、障害がある人でも読みやすいホームページの作り方など、デジタル技術を社会に生かす提案があった。

岡本商店街振興組合(東灘区)の松田朗副理事長と有馬温泉観光協会(北区)の金井啓修副会長は地域おこしをテーマに対談。交流サイト「ツイッター」で連携している2人は「神戸の震災のときにツイッターがあれば地域のつながりも保てたのでは」と語り合った。

締めくくりのシンポジウムでは、社会福祉法人「プロップステーション」(東灘区)の竹中ナミ理事長が「私たちは障害者を『チャレンジド(挑戦する人)』と呼ぶが、被災者も災害に立ち向かうという意味では同じ」と話し、ITによる被災地支援を訴えた。実行委員長の力宗幸男・県立大大学院は「ITが生み出す人のつながりを生かし、ITを神戸の新しい産業として育てたい」と抱負を語っていた。


シンポジウムでITによる地域貢献を語り合う竹中ナミさん(右)らパネリスト=中央区東川崎町 1

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