製菓製パン 2010年9月号より転載

神戸スウィーツ・コンソーシアム in 東京

「チャレンジド・プログラムVol.3」 今年もスタート!

原口総務大臣の写真
原口総務大臣も駆けつけ全面的な協力を約束した(中央)

 「スウィーツの世界で活躍するチャレンジド(障害のある人)を生みだそう!」のミッションを掲げ活動を続ける神戸スウィーツ・コンソーシアム(略称KSC)は、社会福祉法人プロップ・ステーション、日清製粉株式会社の主催で、多数の企業と行政の協力を得て「チャレンジド・プログラムVol.3」を開講した。

 5月15日、日清製粉小網町ビル8階加工技術センターで行われた開講式には、各地の作業所や施設でお菓子作りに従事する精神・知的障害の8名のチャレンジドと家族、支援者などが参加した。

 プロップ・ステーション竹中ナミ理事長の開会の挨拶に続き、原口一博総務大臣が来賓挨拶を行い、日清製粉石神真二取締役研究本部長が主催者挨拶を行った。続いて、行政支援組織の担当者の挨拶があり、講師紹介、受講生紹介、協力企業紹介があり、第1回講習(永井紀之氏担当)が行われた。

永井氏の写真
焼き上がりの状態を見て様々な原因を説明する永井氏

 今年度は、このプログラムの趣旨に賛同した新たな2名(近藤冬子氏、白岩忠志氏)が参加し、より充実した内容を目指す。2回目以降の講習は、パンの西川功晃氏(6月19日/終了)、モロゾフテクニカル・ディレクターの八木淳司氏(7月17日/終了)、ラ・シュエットシェフの近藤冬子氏(8月21日/終了)、ノリエットシェフの永井紀之氏(9月18日)、ラ・ピエール・ブランシュシェフの白岩忠志氏(10月16日)、コンディトライ ノイエスシェフの野澤孝彦氏(11月20日)が、昨年同様無償のボランティアで講師を務める。そして、講習のまとめとして、11月下旬もしくは12月上旬に修了式、成果発表会が都内のホテルで行われる。

 また、今年度は後援の総務省の協力を得て、講習の模様を映像でインターネットを通じ全国の施設や作業所に配信し、今まで以上に多くのチャレンジドが会場に足を運ぶことなく、あまねく学べる環境創りを進めるための実証実験を行うこととなった。

開講式の写真
第1回目の開講式では佐々木明久日清製粉社長が挨拶を述べた(中央)

永井氏の写真
製菓に対する心構えを語る永井氏

永井氏の写真
色よく焼き上がった瞬間、思わず笑みがこぼれる


●開催趣旨

 少子高齢化社会において、年齢・性別・障害の有無などにかかわりなく、すべての人が持てる力を発揮し支えあう、共生・共助社会(ユニバーサル社会)を実現することは喫緊の課題です。

 神戸スウィーツ・コンソーシアムはスウィーツの聖地神戸で、お菓子作りを通じてチャレンジドの就労支援を行う新たなプロジェクトとして発足しました。将来パティシエとして働きたいというやる気のあるチャレンジドと、超一流パティシエをはじめとするそれぞれのプロフェッショナル(メーカー、流通、小売など)との交流を通じて、チャレンジドの働く力を引き出し、プロのパティシエになることを支援する「チャレンジド・プログラム」を実施しています。

 チャレンジド・プログラムは「障害があるから、福祉だから買ってあげよう」という発想ではなく、「本当に美味しいから売れる一級品として提供したい」との思いを関係者が共有し、毎回多くの企業から最高品質の製菓材料をご提供頂き、超一流パティシエの技と味を学ぶ場となっています。

 そして本年は「神戸スウィーツ・コンソーシアムin 東京」として総務省、農林水産省、厚生労働省、東京都、兵庫県、神戸市、日本セルプセンター、関東社会就労センター協議会の後援のもと、多くの関係企業の皆さんにご協力いただき、スウィーツ業界で一流の製品を製造・販売したい!と願う作業所や施設を支援し、多くのチャレンジドやその家族、支援者達に勇気と元気!を贈りたく、このプロジェクトを全力で推進して参ります。

主催者
社会福祉法人プロップ・ステーション
日清製粉株式会社

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