パンニュース 5月25日号より転載

プロップステーション & 日清製粉

第3回 「神戸スウィーツ・コンソーシアム in 東京」開催

 社会福祉法人プロップ・ステーション(竹中ナミ理事長)と日清製粉(佐々木明久社長)は5月15日、昨年に続き日清製粉小網町ビルで、第3回目の神戸スウィーツ・コンソーシアムin東京を開講した。受講するパティシエを目指すチャレンジド(障害のある人)は8人。講師には八木淳司氏(モロゾフ)、永井紀之氏(ノリエット)、西川功晃氏(ブーランジェリー・コム・シノワ)、野澤孝彦氏(コンディトライノイエス)に加え、新しく近藤冬子氏(ラ・シュエット)、白岩忠志氏(ラ・ピエール・ブランシュ)が参加した。

 また今回から総務省の協力により、講習の模様をインターネットで、全国の作業所や施設に同時動画配信し、チャレンジドが会場に足を運ぶことなく学べる取り組みを開始した。

 

パティシエを目指す 8人のチャレンジドが受講

 

竹中ナミ理事長と原口一博総務大臣の写真
中央が竹中ナミ理事長と原口一博総務大臣

 開講式はプロップ・ステーションの竹中宏晃事務局長の進行で、竹中理事長があいさつしたあと、来賓の原口一博総務大臣が「皆さんの活動がライブ中継され、作業所や自宅で見られることは素晴らしい。総務省でも2015年までに国民みんなが見られるようインフラを整えたい」、主催者の日清製粉・石神真二取締役研究開発本部長は「このプロジェクトは社会福祉法人、行政、企業、ボランティアなどが垣根を超えてコラボレーションする取り組みで、各分野の知見を出し合ってさらに広げていける。超一流のパティシエのもと一人でも多くここから羽ばたいてもらえるよう協力していきたい」とあいさつした。

石神真二本部長の写真
日清製粉・石神真二取締役研究開発本部長

 後援の厚生労働省・木倉敬之社会・援護局障害保健福祉部長、農林水産省・藤本一郎大臣官房参事官、東京都・芦田真吾福祉保健局障害者施策推進部長、兵庫県・東徹志東京事務所長、神戸市・東海林勉保健福祉局参事がそれぞれあいさつした。講師6人と助手2人、チャレンジド8人および協力企業(ADEKA、正栄食品工業、月島食品工業、日東商会、平瀬フーズ、モロゾフなど)を紹介。

 このあと第1回目のプログラムの永井講師による「フィナンシエ」の実技講習に入った。永井講師が粉の計算から説明、4人ずつ2つのテーブルで約2時間実習した。12月まで計8回のプログラムで、焼菓子だけでなく、ムース、チョコレート、シュトーレンなどを学ぶ。

佐々木明久社長の写真
あいさつする日清製粉・佐々木明久社長

  後援の日本セルプセンター清島誠常務理事に続き、主催者の日清製粉・佐々木明久社長が「ひとつの目的に向かい、業域を超えたメンバーがパートナーシップを組み、世界的なパティシエの熱心なご協力に支えられ、素晴らしいとなっている。私どもとしても一生懸命協力していきたい」と結んだ。

山田貴夫営業部長の写真
日清製粉・山田貴夫製粉第1営業部長

 開講式に先立ち主催者と講師陣が記者会見した。この中で、主催者(協力会社代表)の日清製粉・山田貴夫製粉第1営業部長は「パティシエを目指すチャレンジドを支援するプロジェクトの裏方として、チャレンジドの皆さんとの架け橋になれれば、という思いで息長く協力していきたい」と述べ、講師陣を代表して八木淳司氏は「この取り組みへの賛同者が増えて、講師陣が6人となり、助手として若い世代も参加してくれた。今後も賛同者を広げたい」と述べたあと、これからの方向性について「あらゆるバックアップをしていくが、実際にはここで1年受講してすぐに商品ができる、というほど簡単ではない。受講者が作業所に戻り、元気に意欲的に仕事をすることが第1歩となる。講習後のサポートも大切で、長期的に少しずつ進めていく。何よりも本人のやる気が大きなポイントで、そのやる気を起こさせる力になりたい」と話した。

実習の写真
「フィナンシエ」の実習。右の永井紀之講師が丁寧に教える

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