日本食糧新聞 2010年5月21日号より転載

プロップステーション & 日清製粉

チャレンジドをパティシエに

神戸スウィーツ・コンソーシアム

日清製粉の協力得て開講

 日清製粉グループの日清製粉が協力している「神戸スウィーツ・コンソーシアムin東京」開講式および第1回講習が15日、日清製粉小網町加工技術センターで開催された。

 「神戸スウィーツ・コンソーシアム」(略称KSC)は、社会福祉法人、プロップ・ステーション(竹中ナミ理事長)が中心となって発足した、パティシエ(菓子職人)を目指すチャレンジド(障害のある人)を支援するプロジェクトで、08年に「チャレンジド・プログラムVol.1」を神戸で、09年に「同Vol.2」を東京で開催。第3回となる今回は農水省、厚生労働省、総務省、兵庫県、神戸市、東京都、日本セルプセンター、関東地区社会就労センター協議会の後援のもと、昨年に引き続き東京で開催し、総務省が実験を進めるブロードバンドサービス(「光の道」構想)と初のコラボレーションにより、講習の模様をインターネットを通じて日本全国の施設や作業所、さらに世界中に発信、今まで以上に多くのチャレンジドが会場に足を運ぶことなく、講習できる環境をつくる。

 開講にあたり、主催者を代表して竹中理事長は「プロップ・ステーションは約20年前から主にコンピューターを使ってチャレンジドが仕事を持って働ける日本を目指して活動している。神戸はお菓子の聖地でもあり、3年前から日清製粉の協力を得てスイーツプロジェクトを開始した。今回は総務省の全面支援によって全世界にインターネット配信され、可能性を秘めた多くのチャレンジドがプロのパティシエを目指す」。日清製粉取締役・石神真二研究開発本部長は「ユニバーサル社会を目指す竹中理事長の熱い理念に賛同して3年前から協力しているが、このプロジェクトの素晴らしいところは行政・企業・超一流シェフなどが参画して経験・知見・技術を出し合ってチャレンジドを支援することだ。一人でも多くのプロのパティシエが羽ばたいていけるよう願っている」とあいさつ。

 来賓の原口一博総務大臣は「ナミねぇとは、チャレンジドがICT(情報とコミュニケーション技術)を使って自立できる社会へという共通目標で歩んでいる。チャレンジドがプロのパティシエを目指すという素晴らしいプロジェクトに総務省として後援し、光の道を通じて素晴らしいスイーツ作りを多くの人に配信することで勇気とおいしい笑顔を共有していきたい」とあいさつした。

 続いて厚労省・木倉敬之社会・援護局障害保健福祉部長、農水省・藤本一郎大臣官房参事官、東京都福祉保健局・芦田真吾障害者施策推進部長、兵庫県・東徹志東京事務所長、神戸市保健福祉局・東海林勉参事があいさつし、講師紹介、受講生8人紹介、協力企業紹介が行われた。

 開講式の後、永井紀之シェフ(フランス菓子店「ノリエット」)による第1回講習(フィナンシエ)が行われた。講習日程・講師および協力企業は次の通り。

 <日程・講師>△第1回=5月15日(開講式・永井シェフ)△第2回=6月19日(神戸「ブーランジェリー・コム・シノワ」西川功晃シェフ)△第3回=7月17日(モロゾフ・八木淳司テクニカル・ディレクター)△第4回=8月21日(フランス菓子「ラ・シュエット」近藤冬子シェフ)△第5回=9月18日(永井シェフ)△第6回=10月16日(「ラ・ピエール・ブランシュ」シェフ)△第7回=11月20日(ウィーン菓子店「コンディトライ ノイエス」野澤孝彦シェフ)△第8回=修了式・成果発表会(11月下旬もしくは12月上旬)
  <協力企業>日清製粉、モロゾフ、三井製糖、丸紅、オリエンタル酵母工業、ADEKA、日東商会、石川など

 (八木沢康之)

集合写真
受講者を囲む原口一博総務大臣(右から2人目)、竹中ナミプロップ・ステーション理事長(左隣)、講師、協力企業の人たち

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