ベーカーズタイムス 2009年7月10日より転載

「神戸スウィーツ・コンソーシアム」東京で開催

「チャレンジド・プログラムVol.2」

開講式と第1回講習会を開催

 社会福祉法人プロップステーションは6月20日、日清製粉小網町ビルで、パティシエを目指す障害者を対象とした菓子・パン講習および環境支援、神戸スウィーツ・コンソーシアムin東京「チャレンジド・プログラムVol.2」の記者会見、開講式を開催、併せて第1回講習を実施した。チャレンジドとは、挑戦する使命を与えられた人のことで、米国などで障害者に対する新しい呼称として用いられている。

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 このスクールは昨年、神戸で開催されたもので今回で2回目。東京での開催は初となる。

 講師陣は八木淳司氏(モロゾフ)、西川功晃氏(コム・シノワ)、永井紀之氏(ノリエット)、野澤孝彦(コンディトライノイエス)の4名。

 同プログラムは、作業所などで販売される菓子商品を「障害があるから、福祉だから買ってあげよう」という観点ではなく「本当に美味しい一流品のお菓子だからほしい」商品となることを目指している。今回の受講者は8名。それに前回受講者の特別受講生1人を加え9名。応募資格は、洋菓子製造販売に従事しているか、従事を目指していることなど。

 開催に先立ち、同法人理事長の竹中ナミ氏は次のように挨拶した。

 「私もチャレンジドの娘の母親です。20年前からIT分野で、そして、昨年度からはパティシエを目指すチャレンジドを支援してきました。昨年までは八木さんのオーストリア菓子講習でしたが、今回はフランス菓子やパンも学べるようになりました。神戸以上に多くの人が学べる場を作れたことを喜ばしく思っています」

 続いて、日清製粉(株)取締役社長の佐々木明久氏、(株)日東商会代表取締役社長の川口淳太郎氏が挨拶した後、講師を代表して八木氏が次のように述べた。

 「チャレンジドの意欲の高さを、前回の講習で感じました。通常の講習会に参加することもできず、学びたいのに学べない人は沢山います。いつもお菓子を作っている作業所の職員も、受講生の講習後の変化に驚いていました。福祉のプロでなく、製菓のプロだから足りない設備でも知識を伝えることができます。私もチャレンジドの息子がいますので、お世話になっている周りの人への恩返しになれば嬉しいと思っています」

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【プログラムメニュー】
△6月20日=マドレーヌ(焼き菓子) 八木講師
△7月25日=木いちごとヨーグルトのムース(生菓子) 八木講師
△8月29日=ヌースボイゲル(イースト焼き菓子)、ケーゼゲバッケン(焼き菓子) 野澤・八木両講師
△9月26日=ポテトパン(パン)、ベーコンとチーズのガレット(調理パン) 西川・八木両講師
△10月31日=ブッシュ・ド・ノエル・マロン(生菓子) 永井・八木両講師
△12月5日=修了式・成果発表会

主催者と講師陣の写真
主催者と講師陣

講習・実技の様子の写真
講習・実技の様子

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