読売新聞 2009年3月9日「顔」欄より転載
米国大使館から「勇気ある日本女性賞」を受けた
竹中 ナミさん 60
撮影・青山謙太郎
障害を持つ人たちの自立と就労を手助けする草の根グループ「プロップ・ステーション」を神戸で設立したのが1991年。障害者を「チャレンジド」(挑戦する使命を与えられた者、という意味の米国の新語)と呼び、IT(情報技術)を利用して、活躍の場を開拓してきた。「国際女性の日(8日)」にちなみ米国大使館が贈る同賞の受賞には、「応援してくれた人たちの代表だと思っています」と喜ぶ。
20歳代で、重症心身障害を持つ長女を授かった。以後、障害児医療や福祉について独学。「不良だった私をおかんにしてくれたのは娘」と話す。「弱者救済」ではなく、チャレンジドが能力を発揮し社会を支える側に回れるシステムを目指す。活動は関西から全国へと広がり、国の審議会の委員なども務める。快活な人柄とバイタリティーから、「ナミねぇ」の愛称で親しまれる。
昨年、神戸で好評だった一流パティシエによる、障害者向けのお菓子作り講習会を、今年は東京で開催する。製粉会社の協力を得るが、「私にできることは、人と人をつなぐことだけ。 これからも″メリケン粉″として頑張ります」。
(社会保障部 梅崎正直)