毎日新聞 2008年12月4日より転載

私の提言

障害者支援に関西パワーを

竹中ナミの写真
社会福祉法人「プロップ・ステーション」理事長 竹中ナミさん(60)

 障害のある人をチャレンジド(挑戦する人)と呼び、「チャレンジドを納税者にできる日本に」をスローガンに、ITを使った就労支援などに18年間取り組んできました。

 納税者というと誤解を受けやすいですが、単に税金を納める人ではありません。主催者であり、社会のメインストリームで誇らしく生きる人の意味を込めています。

 日本では障害をマイナスととらえて、「気の毒」と受け止めがちですが、その人の可能性に着目することが抜け落ちています。そのため、福祉は弱者対策になってしまった。本当の福祉とは、弱者を弱者でないようにするプロセスだと思います。

 重度障害のある娘(35)を持つ私は、関西人としての誇りを持っています。関西人は自分を笑うことができる。しんどい時もすぐにめげるんじゃなくて、それを笑ってみせる。「障害? それがどないしてん?」と。お笑い精神のある関西人のパワーは、福祉分野でも財産だと思います。

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