読売新聞 夕刊 3月21日より転載

少子高齢社会の理念示す

ユニバーサル法制定へ

与党方針

自民、公明両党は、すべての人が能力を発揮して支え合う社会の実現を目指す「ユニバーサル社会基本法」を、議員立法で制定する方針を固めた。少子高齢時代にあるべき国の形を示そうというもので、国や自治体の責務を明確にする。民主党も同法案に強い関心を示しており、次期国会で超党派で成立する可能性も出てきている。

 ユニバーサル社会とは、年齢や性別、障害の有無などにかかわらず、すべての人がいきいきと働き、社会参加する、暮らしやすい社会のこと。2002年に自民、公明両党の有志が勉強会を開始。03年には与党プロジェクトチームを設立して方法を検討してきた。

 同チームがまとめた基本法の趣旨「元気な日本を創ろう」では、家族・地域の弱体化、過酷な職場環境、国際競争力の低下などの様々な問題を解決するためには、国民の誰もが元気になれる環境が必要だと分析。そのためには、ユニバーサル社会の実現が「喫緊の課題」としている。

 基本法では、ユニバーサル社会の基本理念を定めたうえで、国や自治体の責務を明記。施策の基本となる事項を明示することで、総合的かつ計画的に推進できるようにする。特に、国民の理解と協力を、ユニバーサル社会を作るための基本と位置付け、必要な法整備と財政上の措置を国や自治体に求めている。

 社会参加や就労を促す法制としては、男女、障害、高齢など各分野ごとに基本法があるが、トータルな法制はこれが初めて。

 基本法の概要は24日、都内で開催されるシンポジウムの席上発表される。民主党の鳩山幹事長も出席し、基本法への協力の意向が明らかにされる見通し。

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