毎日新聞 2006年5月19日より転載

年年歳歳

チャンスを与えられた人

竹中 ナミ

[写真]竹中ナミこんにちはナミねぇです。

私は「すべての人が持てる力を発揮し支え合うユニバーサル社会(共助社会)」を実現するため、世界各国のチャレンジド(challenged)と交流しています。

チャレンジドというのは、障害のある人を表す新しい米語で、「挑戦という使命や課題あるいはチャンスを与えられた人」という意味が込められています。障害のマイナス部分だけを見るのじゃなく、可能性に着目する言葉として生まれました。

私たちプロップ・ステーションでは各国のチャレンジドと連携して「チャレンジド・ジャパン・フォーラム(CJF)国際会議」を毎年開催しています。第11回目の今年は7月22日に東京ビッグサイトで開催します。

今年のゲストの一人であるジョン・ケンプさんは、米国で大変著名かつ有能な弁護士として活躍しています。多くの一流企業の顧問弁護士を務めるだけでなく、米国におけるチャレンジド国際組織のリーダーでもあります。

彼の深いブルーの瞳と温かい人柄は、会う人を惹きつけずにおかない魅力に溢れています。彼は四肢欠損によって両手両足が義手義足なのですが、ピーターパン物語のフック船長がつけているあの鉤型の義手を想像して下さい。鮮やかに書類をさばき、また家族をふんわりと抱きしめる姿はウットリするほど素敵です。

タイから来て下さるモンコンサワディさんは、両足切断のチャレンジドで車いすを使っていますが、タイで最も有名なチャレンジドの職業訓練校の校長先生です。彼はパラリンピックの水泳競技で優勝した経験を持つスポーツマンでもあり、さわやかな彼の笑顔は会う人を魅了してやみません。

彼の学校では、教師の8割が高いスキルを持つチャレンジドだということですが、日本がそのような国になるために、私たちはどんな意識改革をする必要があるのか、CJFで多くの人に気付いてほしいと願っています。

今年のCJFには小泉総理も出演して下さることになってるんですよ!皆さんもぜひ参加して下さいね。詳しくは公式サイト(http://www.prop.or.jp/cjf2006/)で。

(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)

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