フジサンケイ ビジネスアイ 2005年12月9日より転載

はばたく

障害者の自立に東奔西走

プロップ・ステーション理事長 竹中 ナミさん

[写真]『チャレンジド(障害を持つ人)を納税者にできる日本』をキャッチフレーズに、多彩な支援活動を続けている。「障害を持つがゆえにチャンスを与えられているととらえ、それを社会にポジティブに生かしていこう。そういう思いを込めています」

「プロップ」は「支柱」「支え合い」の意味。そのためにIT(情報技術)に着目。ITを活用した在宅ワークなど、産、官、学、政、民とさまざまな分野の人たちと連携しながら、障害者の自立と就労機会の創出に取り組んでいる。

自身が障害児を授かったことからこの道に。日々の療育のかたわら、障害児医療・福祉・教育を独学。手話通訳や障害者施設での介護などのボランティア活動を経て、神戸市でプロップ・ステーションを立ち上げ、1998年に社会福祉法人格を取得した。

「今後の日本の社会を考えると、"支えられている"障害者が就労のチャンスを得て社会に参画し、納税という形で"支える側"に回るシステムが必要なんです。そのためにも、健常者と障害者の双方が持っている"障害者意識"を何とかなくしたい」と、双方に意識改革を訴える。

「障害者は決して"特別"ではないんです。一般の人と同じなんです。そのためには、すべての法律の根底にユニバーサルの思想が入っていなければならない。そういう整備に向けて活動を続けます」。信念を胸に、東奔西走する日々が続く。

(佐久間久信)

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