岩手日報 2002年8月29日 より転載

【県内総合】

障害者施策 地方から発信

盛岡 5府県知事が意見交換


〔障害者施策の展望を考えた5府県知事のセッション〕

情報技術(IT)を活用して障害者の自立を目指すチャレンジド・ジャパン・フォーラム2002inいわて(同実行委主催)は最終日の28日、盛岡市内のホテルで「知事セッション」が開かれた。「日本を地域から変える!」をテーマに5府県知事が障害者施策の展望などを考えた。

450人が参加。増田知事と浅野史郎(宮城)、太田房江(大阪)、北川正恭(三重)、木村良樹(和歌山)の各知事が意見交換した。

浅野知事は、従来の障害者施策が必ずしも適切でない理由を「間接統治」と「差別」と指摘。「サービス提供者に補助金を出すだけで、障害者本人がどんな人生を送りたいか耳を傾けなかった。不幸な境遇だから助けてあげる、という行政職員の発想がまずい」と訴えた。

太田知事は、今後の施策の柱を@障害者自身が企業を回り、雇用機会を掘り起こすAIT講習会を継続開催し、講師に障害者を招く−とし「世の中の理解が得られ、障害者自身のやる気を引き出せる」と効果を説いた。

増田知事は「撤退の哲学」を提示。高齢化と人工の自然減進行を踏まえ「地域が完全に活力を失ってからでは遅い。2、30年後を見据え、集落の統合を進めて力をつけることが行政のテーマになるだろう」と語った。

9回目の次回フォーラムは来年8月、千葉県の幕張メッセで開かれる。

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