讀賣新聞 2002年8月29日 より転載

【くらし】

障害者ら生き生き 吉本興業が写真集出版

障害者が自立と就労を目指して生き生きと活動する姿をとらえた写真集「チャレンジド ナミねぇとプロップな仲間たち」が来月、“笑いのプロ”の吉本興業から出版される。「暗いイメージで取り上げられがちな障害者だが、お笑いの殿堂である吉本が取り上げることでイメージが変わるかもしれない」とモデルになった障害者グループは喜んでいる。


写真集「チャレンジド」の表紙

カメラマン・牧田さんが依頼、快諾 「暗いイメージ変えたい」



上の2枚とも写真集「チャレンジド」から

障害者の就労支援と社会参画をめざす社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区、竹中ナミ理事長)を舞台に、難病と寄り添いながら絵本作家としてデビューしたくぼりえさん、手が使えないため足でパソコンの講師を務める岡本敏巳さんら、障害を持ちながら元気に活動している人たち(チャレンジド)の日常を、カメラマンの牧田清さんが1年かけて撮影した。

出版元を探していた牧田さんが、吉本興業に打診したところ、「明るい作品で、笑いをコンセプトにしているうちが手伝う意味がある」と同社常務の木村政雄さんが快諾。写真集には、新喜劇のセットが残されたままの舞台に、車いすで上がってはしゃぐ人たちの写真や、木村さんと竹中さんの対談も収録されている。

竹中さんは「チャレンジドと吉本興業の芸人さんとは、全然違うようですが、実際はどちらもシビアに自分の力と自分の意志で何かをつかむ、という点は同じ」と言い、木村さんも「障害に触れることは、これまでタブー視されてきたが、本当はもっと普通にぼけたりつっこんだりできる方がフェアな関係だと思う。将来、車いすの漫才コンビが無理なく笑えるような世の中になればいいですね」と話している。

写真集は70点収録。B5判。本体価格1905円。全国の書店で9月1日から販売する。また、牧田さんによる同名の写真展が3日から28日まで、大阪・西心斎橋の若松(06−6271−3204)で開かれる。7日午後7時からは、牧田さんと竹中さんの出版記念トークもある。

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