柏崎日報 2001年2月21日 より転載

「チャレンジド」を納税者に

障害児教育合同研修に竹中さん


講演を行う社会福祉法人プロップ・ステーション
理事長・竹中ナミ

柏崎・刈羽障害児教育研究協議会(会長・戸田直宏大洲小校長)が二十日、柏崎エネルギーホールで管理職・担当者・関係者の合同研修会を開いた。神戸市の社会福祉法人プロップ・ステーション理事長・竹中ナミさん(52)を講師に、パワフルな講演を聴いた。

合同研修会は、「将来を見据えた障害児教育のあり方」をテーマに、関係者が集まって、「子供たちのために何が出来るのか、どうしなければならないのか」を考える機械にした。中学校知的、重度重複、病弱虚弱の各部会の実践発表に続いて、講演に移った。

竹中さんは重症心身障害児の長女を療育するかたわら、障害児医療・福祉・教育について独学。障害を持つ人を「チャレンジド」と呼び、1991年にコンピューターを活用して、自立と社会参加、就労や雇用の創出を目的にした組織の準備会を設立、98年に厚生大臣認可の社会福祉法人格を取得している。

この日は「ITが拓(ひら)く新しい福祉」をテーマに、「コンピューターを通してチャレンジドの自己表現、自己実現を」とプロップ・ステーションを設立した経緯を語った。また、大阪府下の40ヶ校の養護学校で情報化を推進するため、枠のないNPO(民間非営利組織)の特徴を生かし、インターネットの整備を図るまでを話した。

竹中さんは「チャレンジドを納税者にできる日本を」といい、「一人でも多くの人が年齢、性別に合った生き方、働ける能力に合った仕組みに。社会参画や納税という形で『支える側』に回ることのできる社会システムの構築を」と強く訴えた。自身は「私の役割は口とこけの生えた心臓で」というだけに、講演はパワフルで、ユーモアたっぷり。会場は熱心に聴き入り、しきりにメモを走らせていた。

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