読売新聞 1999年2月8日 より転載

障害者の在宅雇用促進へ

パソコン 無料で貸与 労働省、来月から

労働省は3月から、身体障害者や知的障害者の在宅勤務の機会を増やすため、障害者に無料でパソコンを貸与する事業を始める。働く意欲や技能はあっても、通勤が困難な障害者を支援しようというもので、同省は「障害者の雇用促進と社会参加につなげたい」としている。

社会福祉法人「東京コロニー」(東京都新宿区)、同「プロップ・ステーション」(大阪市北区)など、障害者の職業訓練などを行っている全国の9つの民間団体が窓口となり、自宅でパソコンを使った仕事を希望する障害者を募集する。

この後、認可法人「日本障害者雇用促進協会」(東京都港区)が、障害者の在宅勤務を認めている企業からの求人情報を基に仕事を紹介し、希望者が企業と雇用契約を結んだ段階でパソコンを貸与する。

労働省は、98年度第3次補正予算で5億1100万円を計上し、500台のパソコンを用意した。 パソコンは、視覚障害者や手が不自由な人などでも使えるよう、音声入力ができたり、キーボードをたたかず、軽く触れたりすれば操作できる特別仕様のものになっている。

貸与期間は1年間で、希望により更新もできる。労働省は、希望者が多い場合は来年度以降、パソコンを増やすことも検討する。 労働省によると、障害者の年間就職件数は、96年度は全国で2万8200人、97年度は2万8300人と横ばいだが、不況が長引く中、障害者の雇用環境は悪化しているという。

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