メール de ナミねぇ 【第96号】 by Prop Station

2010年3月6日

◇◆◇             (平成22年3月6日発行)◆◇◇
◇◆◇  メール de ナミねぇ 【第96号】      ◇◆◇
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◇◆◇           プロップ・ステーション理事長 ◇◆◇
◇◆◇               竹中ナミ(ナミねぇ) ◆◇◆
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さいね!

■□◇◆ 第96号 目次 ◆◇□■

【1】村木厚子さんの完全な名誉回復を願う
   第11回公判 平成22年3月4日 速報!!
   「厚子さん、第11回公判傍聴記」 by ナミねぇ
    〜「これは政治案件ですよ」は、真っ赤な嘘〜
【2】厚子さん公判に関する最新報道一覧

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■□◇◆村木厚子さんの完全な名誉回復を願う◆◇□■

第11回公判 平成22年3月4日 速報!!

■ 「厚子さん、第11回公判傍聴記」 by ナミねぇ

〜「これは政治案件ですよ」は、真っ赤な嘘〜

3月4日(木)、朝から小雨そぼふる中、大阪地裁へ。今日はジャーナ
リストの江川紹子さんも東京から傍聴に来られ、地裁で合流。

今日は石井一参議院議員の出廷日ということで傍聴券の抽選があるため、
駐車場に人の列。初公判が4倍だったことを思うと想像したほど多くな
い。私は家族傍聴券を戴いていたが、運だめし(?)と思って並んでみ
たが・・・くじ運の悪い私は、やっぱり外れた! せっかくなので抽選
券に当たった江川さんと記念写真を撮らせて戴こうとカメラを構えたら
「敷地内撮影禁止っ!」と、警備員にどえらく怒られる。朝からとほほ
な私・・・(^^;)
仕方なく、地裁の敷地から出て、傍聴券の当たった江川さんとツーショ
ット。

江川さん&ナミねぇツーショット
http://www.prop.or.jp/news/topics/2010/img/egawa-san.jpg

10時開廷。石井議員入廷。白髪、大柄。選挙区が私の住む「兵庫一区」
なので、選挙カーや路上演説などでお見かけしたことはあるが、間近に
会うのは初めて。「こわもて」の印象を抱いてたが、終始、穏やかな声
で話された。証言席に移る前に、秘書がペットボトルのお茶を渡し、一
口飲んで証言席へ。

石井氏は弁護側証人なので、宣誓の後、弘中弁護士からの質問で尋問開
始。まずは1969年衆議院議員初当選から今日までの経歴や所属した
委員会などが語られる。外交、防衛・安保、国土交通、都市開発に関す
る委員や選対委員長歴任など。

弘中弁護士が「厚労省の委員会はありますか?」と聞いたあと「いわゆ
る厚労族議員かということですが」と直截にいったので、廷内にちょっ
と笑い。「厚労委員会に属したことはなかったと思うが・・・私は何省
の族議員でもない」と、ちょっとムッとした口調で石井氏。

「本事件に関わった倉沢を知ってますか?」弘中弁護士の質問が核心に
触れ始める。「勿論!」と、石井氏。弘中氏「どんな人でしたか?」
「1982年に秘書公募で採用した。礼儀正しい人だったが、1年後の
選挙で私が落選した時に事務所を離れ、その後、職を転々とした後、弟
(石井一二氏)の秘書になったので、わたしにとっては弟の秘書という
印象が強い。」と石井氏。「1年で辞めたので、重要な仕事は担当して
いない。」とも。

この後、何度も石井氏は、倉沢被告が自分にとって重要人物ではないこ
とを繰り返し述べる。「彼は私のインナーサークルの人ではない。奥さ
んが働いて支えてるとも聞いたし、失礼な言い方になるが、職を転々と
してるので、どこで何をしてるか知らない。いわば周辺の人だ。」クー
ルでかなり突き放した言い方。「インナーサークルの人ではない」とい
う言葉を聞いた時は、なぜだか背筋がゾクッと。

弘中氏「あなたは、倉沢氏とどの程度の接触が有ったのでしょう?」
石井氏「私は克明に手帳をつける性格で、いつ誰と、どんな要件で会っ
て、どう対応したかなどを全て書いている。それによると・・・倉沢に
会ったのは、2001年1回、02年0回、04年2回・・・07年は
選挙があり、かなり会っているが、それでも6回。つまり平均すると年
に1〜2回事務所に顔を出す程度ということです。」と石井氏。

弘中氏「次にお聞きしますが、あなたは厚労省社会援護局元部長の塩田
幸雄氏との面識はありますか?」。石井氏「覚えがありません。長年議
員をしていると、相手は僕を知っててもこちらは記憶がないということ
が、いくらでもあります。塩田さんというのは直接会ったこともないし、
顔も思い浮かばない。」弘中氏「塩田氏は、阪神淡路大震災後の復興委
員会であなたに会ったと言ってますが・・・」石井氏「兵庫一区は被害
が大きかったので、会った事実がないとはいえないが、覚えがありませ
ん。」

「では・・・」弘中氏の口調が少し厳しくなる「平成16年2月下旬頃、
あなたが塩田氏に、障害者団体の件で相談が行くので、よく聞いてやっ
て欲しいと、電話したことは?」。石井氏「全くありません。働きかけ
など一切していません。」弘中氏「そのようなことが、あたかも有った
ような報道が多々なされて、あなたは名誉毀損の訴えを起こされていま
すね。」

「訴訟など起こしたくなかったっんですが・・・」石井氏の声のボリュ
ームが少し上がる。「報道がなされた2009年春は総選挙前の大変な
時期ですよ。まして党副代表でしたから。その時期に、新聞、TV、週
刊誌などで毎日毎日、身に覚えのないことが報道され、カメラやマスコ
ミがいつもついてくる。そんな状況が続いて本当に困りました。

そのうち「キャリアウーマンが私の依頼に抗しきれなかった!」などと
いうタイトルが地下鉄の中吊りにも載る有様で・・・」石井氏は真剣に
訴える。しかし「ついには男女関係でもあるのかという電話までかかっ
てくるようになり・・・」と話しはじめると、廷内のあちこちで笑いが
起きる。

う〜ん、ちょっと自慢っぽいかも。(^^;)

「まぁ、そのような訳で弁護士に相談して、身の潔白を証明するために
週刊誌を訴えたのです。」

その後、石井氏は「今日なぜ出廷したか」を問われ「私自身もマスコミ
に書かれて相当辛い思いをしたが、村木さんという女性局長は高知の大
学を出て東大卒の競争の中であそこまで上り詰めた。それなのに被告人
の席に立たされて、さぞ辛く苦しいだろうと、その心情を思い、同情の
気持ちから、今日の出廷を決めた。」と語った。

「では問題の、平成16年2月25日についてお聞きします。」弘中弁
護士の厳しい口調に、廷内が静まる。「これが倉沢の手帳ですが・・・」
法廷内の左右の壁にかけられた大きなディスプレイに、手帳が写しださ
れる。

「この日の倉沢の手帳には<13時 石井一、木村>との記述があり、
これが本事件にあなたが関与している・・・口添えを依頼され、厚労省
に働きかけた、という疑いに繋がってるのですが、あなたはこの日、倉
沢と会われてますか?」。石井氏「絶対ありえません!私は過去40年
間、その日の出来事を手帳に記録してますから・・・200冊になるん
ですよ。それを確認してもらえれば・・・」

石井氏の言葉を受けて弘中氏が「手帳を!」と、裁判長に要請したとた
ん、検事が「異議あり!」と大声で叫びながら立ち上がる。公判前整理
手続で証拠採用していないものを、突然出すな、というのが検事の言い
分だ。「採用できません!」検事の顔が真っ赤になる。「ダメです!」
「認められません!」

「では、証拠採用が必要な理由を述べます。」と弘中氏が冷静に話し始
める。「まず何より、石井氏の関与を言ってるのは検察官です。これを
争う場で、否定材料を提出するのは、当たり前ではないですか?」。立
ち上がった検事は着席するのも忘れて、真っ赤な顔のままで弘中氏を見
つめている。

「公判前整理手続の段階では、石井氏が克明に手帳に記録をとる方だと
は分かりませんでした。しかし本件について、昨年9月に石井氏が事情
聴取を受けた時、実は石井氏は手帳を検察官に見せているんですよ。検
察官がきちんと見なかっただけです。石井さん、その時の検察官がここ
に居ますか?」「はい」石井氏が 検事席を見ながら答える。
「そこにおられる・・・少し太られてメガネもかけておられるので別人
のように見えるが、あの方です。」名指しされたM検事、ちょっと顔を
赤らめて、俯く。

私は驚いて傍聴席で飛び上がった。なぜならこの事件は「石井議員の口
利きに端を発した、政官がグルになって犯した犯罪」と検察は言い続け
ているにも関わらず、捜査時点はおろか逮捕・起訴後3ヶ月の間、倉沢
の供述の裏付け捜査を一切行っていないということが明らかになったか
らだ。ようやく9月に入って、あわてて石井議員から話を聞いたのだろ
う。

検察は、事件の端緒になる口利きについて最も基本的な裏付け捜査もせ
ずに、主犯の供述だけを基にして厚子さんを逮捕・起訴していたことに
なる。何という暴挙! 何という怠慢! 開いた口が塞がらないとは、
こういうことだ!!

「そのような訳で、手帳の証拠採用をして戴きたい!」弘中氏の言葉に、
裁判長が頷く。
ディスプレイに、石井氏の手帳がアップで映し出される。「2004年
2月25日・・・この日に丸印がついてますが、これは?」「それはゴ
ルフの日、という印です」と石井氏。「7:56ティーオフと書かれて
ますね。どこのゴルフ場ですか?」「成田です。」しばらく、参加メン
バーやスコア、何時頃終わったというような会話が続く。

「この手帳を、あなたはM検事に見せたんですよね。事情聴取の場所は?」
「大阪のリーガロイヤルホテルでした。」と石井氏。
う〜む、国会議員を呼び出す時は一流ホテルで話を聞くのか・・・と心
のなかでツッコミを入れる私。
「(事情聴取なので)会話は録音されてるはずですね?」と弘中氏。う
なずく石井氏。その後、手帳を精緻に点検しながら弘中氏と石井氏のや
りとりが続き、その日はどのようにしても石井氏が倉沢に会うことは出
来なかったことが判明。

記者たちが、バラバラっと法廷外に飛び出す。今日の報道は「石井議員、
その日はゴルフ!」やね、きっと。
弘中弁護士の辣腕ぶりが、いかんなく発揮された午前の法廷だった。

11時過ぎ、少し休憩がとられると、石井氏は笑顔とドスの利いた声で
弁護団席に座る厚子さんに近寄り「初めてお会いしますね」と声をかけ
る。
立ち上がって微笑みながら一礼する厚子さん。

休憩の後は検事が尋問に立ち、石井議員の秘書の人数や役割分担、陳情
対応などを聞いた後「あなたが凛の会を知ったのは?」と石井氏に問う
た。
「2006年11月6日です。」と石井氏。それは偽造証明書が発行さ
れてから、2年10ヶ月も後のことだ。「議員会館ではなく、十全ビル
のオフィスで会いました。」

「選挙の手伝いをすると言って来た倉沢が、選挙関係の話をした後、新
聞のようなものを僕に見せて、これを選挙に活用してはどうか、と提案
するので見ると<凛>と書いてあった。これを選挙公報に使うと、障害
者郵便なので安く送れる。8円だかなんだか、そんな話だった。でも障
害者関係を熱心にやってる議員は他に居るし・・・障害者にしか送れな
いんじゃあまり意味もないし・・・あ、もしかしたら、誰にでも送れる
のかな?これは村木さんに聞いたほうが早いか。」と、そこまで言って
ニッコリ笑う石井氏。傍聴席にも笑い声。

「まぁそんな訳で、断ったよ。倉沢もそれ以上言わなかったしね。」
「僕はね、倉沢には犯罪は構成できないと思うんだ。使われたり、利用
されたりするタイプだよ彼は。今はどうしてるか全く知らんね。」

12時過ぎたので、ここで昼休みとなる。地裁駐車場前の喫茶店で、ア
イスティを飲みながらツイッターに「公判傍聴記速報」を打ち込む。パ
ソコンを閉じる前にツイッター・サイトをのぞくと、江川さんも凄いス
ピードで速報をUPしている。わぁ〜い、ツイッター競演だ! とちょ
っと浮かれてたら、午後の法廷に入るのが少し遅れてしまった。

そろりと法廷の扉を開けると、わっ、なんやなんや! 検事と弘中弁護
士が大声で言い争っているやないの!!

検事がまだ石井議員の手帳を「証拠採用できない!」「不意打ちだ!」
などと叫んでいる。往生際の悪いやっちゃなぁ。「公判前整理手続で提
示していなければダメだという法律など無いでしょう!」と弘中弁護士。
怒鳴り合いが終わらないので裁判長が「ではこの件は後ほど。」と公判
を続けるよう促す。

そして公判が再開されたが、その後の検事側の言動にはズッコケた。な
んと検事側も、石井氏の手帳の平成16年2月25日のページをディス
プレイに映し出して尋問を開始したのだ。しかもすでにゴルフ場に色々
裏をとってることが丸わかりの尋問が続く。弘中氏が立ち上がり「そっ
ちの調べたことも、証拠提出しなさいよ!裁判長、証拠請求します!」

「いや、これはまだ調査中のことなので・・・正式な書面化もしていな
いので、証拠ではない!」
検察側は、平成16年2月25日に石井氏がゴルフに行っていたことに
気づき、こっそりゴルフ場や同行した関係者にあたっていたのだろう。
弁護団に先を越されたことが悔しくてならないんやね、きっと。

検察側は、ゴルフに同行したK議員が、当日予算関係の委員会に出席し
ていたことの「証拠」となる「委員会出席者名簿」を持ち出して(これ
だって証拠採用されていないコピーものやのに、自分が証拠のように使
うのは、良いらしい)石井氏のゴルフというアリバイを崩そうとした。
しかしその委員会は、出席してもしなくても「委員全員の名前が出席者
名簿に掲載される」という慣習だということを石井氏が暴露し、もう法
廷はしっちゃかめっちゃかの様相に。

最終的に裁判長の判断で、石井氏の手帳の「平成16年2月24日と
25日」が「証拠採用」され、今日の公判が終わった。

傍聴者たちがみな、席からザワザワと立ち上がりかけた時、石井議員が
「ひとこと、お話させて戴きたいことがある。」と声を張り上げた。
裁判長、検事、弁護団、傍聴者全員が石井氏が何を言うのかと耳を傾け
る。
石井氏の、政務に鍛えられた大きな声が「私は、この裁判の結果は、検
察庁の倫理・存在(意義)を問うていると思っている。検察が、公正無
私で善であることを私は希望している。」と語った。

そして石井氏は、公判後の記者会見でも「あなたたちマスコミは、私を
犯人扱いしてこられた。村木厚子さんも、大変つらい思いをしておられ
る。事実に基づかない報道を続けてこられた皆さんは、いったいこの責
任をどうとるのか。情報の集め方にも問題があるのではないか」と、問
題提起を投げかけて、大阪地裁を後にした。

最後に、今日の石井氏の証言の中で、最も印象に残った言葉を記してお
こう。
「私は、顔はいかついが、実は心は優しいのですよ。」
笑いを誘うことも忘れない、関西人の石井さんであった。

<文責:ナミねぇ>

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■□◇◆厚子さん公判に関する最新報道一覧◆◇□■

【郵便不正】詳報 石井議員、口利き「全くない」意表突かれる場面も
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100304/trl1003042008007-n1.htm

石井一議員、証明書発行の「口添え」否定 郵便不正公判  朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0304/OSK201003040057.html

石井議員、厚労省への口添え否定…郵便不正事件  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100304-OYT1T00413.htm

郵便不正:石井一参院議員、関与を否定 証人出廷  毎日新聞
http://mainichi.jp/kansai/news/20100304k0000e040055000c.html

口添え全くないと民主・石井氏 厚労省の文書偽造事件 共同ニュース
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030401000317.html

石井一議員、口利き否定=「面会日」はゴルフ場に−厚労省元局長公判・
大阪地裁  時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010030400054

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☆メール de ナミねぇ!【第96号】
                     平成22年3月6日発行
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