対談講演 「ナミねぇとレモンさんに聞いてみよう!元気の秘訣は何ですか?」
(その3)

主催:千代田区男女共同参画センターMIW(ミュウ)

2007年5月22日 於:千代田区役所区民ホール

 

レモン: そうですね、男と女、最後「チャレンジ」というテーマいただいてます。それこそ「チャレンジド」の話がありましたけども、それこそねえさんが、チャレンジし出した一番最初のきっかけは、自分の子がかわいい、ってわかりやすい。「おかしい、初めて知った、なんやこの国法整備もできてへん」、ヤンキー心くすぐられるテーマできてもうて、「よーし殴りこみや!どこに?小泉純一郎や!」実際、行きましたね?

ナミ: 官邸に初めてジーパンで入ったオバサン。(笑)記録に残ってます。すぐに出されましたけど・・。

レモン: ジーパンで行ったん?

ナミ: ジーパンで行きましたね。(笑)服もジージャンやった。そういう時に行こうと思ったら、普段の格好していかないと自分じゃないような・・。

レモン: さすがや・・、見ましたか?この間の映画祭?、北野武ね、チョンマゲして・・。おんなじ。その時なんでしたっけ?小泉さんのところへ行ったの?

ナミ: なんでしたかね?なんか・・。

レモン: なんでしたかね、じゃないでしょ。こういうことやってるんです。みんなに自立できるチャンスを、或いはチャレンジドが納税者になるべく活動してますっていう・・、そしたら小泉さんがその当時首相じゃなくて・・。

ナミ: プロップステーションが活動を草の根の民営団体でやってて、そろそろ法人化せないかん、今みたいにNPО法人とかなかったから、財団か社団か社会福祉法人、財団はごっついお金いるし、社団は仕事につなぐっていうもんやないし、社会福祉法人かなぁ?、でも世間ではあんたの活動は福祉ちゃう言うし、ちゃんと法人化せんと彼らは勉強しても仕事とってくることもできへんし、みたいなことで・・、社会福祉法人になるんやったら厚生大臣ちゅう人と話せなあかんみたいやし、言うてたらその時に、エキセントリックな小泉純一郎さんが厚生大臣になって、エキセントリックな「にいちゃん」が大臣になってはんねんから、おもろいことにハンコついたろか?となるんちゃうか?それでね、そういうつもりでおって、たまたまそれを雑誌で軽くインタビュー終わってから冗談でしゃべったのに、そのまま書かれましてね、日経ビジネスやったか、ビジネス誌、「ナミねぇ、小泉純一郎に殴りこみ」(笑)

レモン: もうすでにその時から「殴りこみ」やったんですか?

ナミ: 違うって言うてるのに、そこが一番おもろかったって、そこだけ書かれていろんなところに伝わって石が飛んできて、どうせ石が飛んでくるんなら行かなって、結局小泉さんが厚生大臣を終わられて、次の方のときにハンコは最終的にいただいたんですけど・・。書類は小泉さんが厚生大臣の時にずっとまわってた・・そんなんで小泉さんが総理になった時にちょっと義理ありますし、(笑)挨拶もかねて官邸も新しくなったところで、できるだけ自然体で行こうと思ってジーパンで行ったら報道されたという。

レモン: いろんなところへ行って、いろんな人と会ってる人生ですよね。

ナミ: 小泉さんね、ほんまにA4一枚のことしか喋らはりませんわ。(笑)まあ、それはどうでもいい。本当にね、いろんな方お会いして、うれしかったことは、私らの活動は「社会福祉と呼べるようなもんじゃない」と言われて、別に私「福祉」と呼ばれなくていいんです。(中略)そういうふうに社会の新しい福祉の形だと思われてなかったけど、実際チャレンジドがプロップの運営に関わって、実力を発揮して、ベッドの上でも先生やるみたいなことを、できるだけ知らない人たちで、社会的に影響力のある人らに知ってもらわないかんて、なんかいい方法はないかと話し合いを去年ずっとしてて、なんと今年の2月13、14日に厚生労働省の19階にパソコン一杯並べた部屋があります。厚生労働省の職員のパソコンの勉強部屋、東芝の人たちが先生に来たりして、スキルアップの勉強する、そこへ厚生労働省で障害者が働くっていうのを担当してはる官僚、企業の人事担当者、そういう人らに集まってもらって、そういう人らにコンピュータのスキルアップの勉強を、プロップのチャレンジドが介護受けてる自宅から、テレビ会議のシステムで先生する、というのをそこら辺までやらなわからんのちゃうか?口で百ぺん言うよりも、足の先生みたいなものでやりました。厚生労働省っていうところは、ネットワークのセキュリティが高すぎて、わけのわからないセキュリティかけてるから、テレビ会議ブチブチ切れますねん。これが困りましたけど、そのために実際ソフトを共有し、教えやすくするようなソフトの開発もあわせてやって、切れた瞬間に切れてなかったかのように繋がるようなこともやりまして、2日間、もう参加された皆さんは、目からウロコ。「あっ、もう時代はここまできたか、ナミねぇ言うてることは嘘ちゃうかってんな。やれる人はいろんな力が眠ってるに違いないから法律変えましょ。」、という話になりました。

レモン: 拍手!(拍手)

ナミ: 徹底的にチャレンジドは就労支援で行くと決めました。もうやくざのナミねぇです。

レモン: ナミねぇね、何が凄いってみなさんわかってはるのは、どんな人間も普通にみんなと同じように生活できる人権があるはずなんですよね、もともと・・。やっとですよ最近、スロープがけっこうできたりとか、電車の駅もエレベーターついたりとか・・。「バリアフリー」っていう言葉もドラマの影響もあってばーってなったけど「バリアフリー」っていうのはまだ狭いですよね、もっと広い意味の・・。

ナミ: 今ね、バリアフリーから「ユニバーサル社会」って言うてる。「ユニバーサルスタジオ」ちゃいますよ。(笑)「ユニバーサルデザイン」っていう言葉は、割と知ってはると思うんですけど私らはあえて「ユニバーサル社会」って言う。なんでかって言うと、デザインて言うと日本人はどうしても形があるものと思う。「バリアフリーとどこがちゃうのん?」ていう話になる、だけどデザインていう言葉のほんまの意味は思想とか哲学とか法律とか全部含むんです。だけど「ユニバーサルデザイン」て日本で言うた瞬間に、誰でもが使えるものっていう話になるから、あえて「ユニバーサル社会」いう言葉使こて。どういう意味があるかっていうと「すべての人が自分の力を発揮、発揮した力で支えあって創りあげる社会」というのを「ユニバーサル社会」というふうにまあ言うたら、呼ばしてもらってます。こういうふうに呼び出して、いろんなところでお話さしてもろて、書いた本で使ったりするうちに、この言葉が結構広まって、国の政策の文書の中にでてきたり、私は神戸っ子ですから自治体が神戸市兵庫県ていうところが自治体になるんですが、兵庫県に「ユニバーサル社会課」とか作ったり、いきなり「私がユニバーサル社会課長です」、(笑)とか、「そんな課ができたんですか?」「いや、そう言うてはるみたいやから・・。」みたいな・・。

レモン: なんとか基本法も提示されてません?

ナミ: 「ユニバーサル社会基本法」みたいなのを作ろうと、今のすべての法律をもう一回すべての人の力が活かせるように、社会が何かして差し上げましょう、じゃなくてその人に何かしてあげながらも、その人が何か社会に返せるような仕組みになってるかどうか、全部の法律をもう一回見直したらどうや、て言うような基本法を作ろうとしていろいろがんばってるわけです、まだ途上ですけど・・。だけどその中で一個ずつが変わってくる中の一個が、さっきも言ったように厚生労働省は、いわゆる障害者と言われる人たちの施策は、就労支援を徹底的にやろうというふうに決めた。だから基本法みたいなんを作ることと平行して、現実の法律もちょっとずつ変わっていってもらうように働きかけるいうこと・・。

レモン: 凄いですよね。これ、ナミねぇが凄いっていうのは一番最初が、自分の子供のために親として何か出来ないか?っていうほんま目の前の足元の一歩ですから・・。

ナミ: 今もそうです。それが目的。

レモン: そこからいろんな人に会い、ビル・ゲイツに会い、小泉さんに会い、いろんな人が手伝う、ナミねぇ一緒にやろう、基本法出そう、法律にしてまおう、どんどん広がる・・中卒ですけど・・。

ナミ: 中卒ですね、(笑)中卒やからできたんかもしれんね。学歴がよく邪魔する、とか言うやないですか、見栄とか・・。私は「正義」とか「善」とかそんなん毛頭ない・・、自分がオカンとして安心して死にたい、という目的やから直截なんです。

レモン: そこにやっぱり純粋なもんがあるんですね。あとはノリでそのまま歌かCDかなんか出りゃ・・。(笑)そういう意味では皆さんは「そんな社会になったらええなぁ、そんな法律できたらええなぁ、なんでこうやってみんな共生できへんのかなぁ。」っていうふうにみんな思うてはいる、理想郷っていうのは見えてるんですが、そこに一番近いここまで大きく動いている、ナミねぇの元気の元っていうのはなんですか?お酒ですか?

ナミ: アルコールはエネルギー源になります。

レモン: 身体潰さないんですか?肝臓とか?

ナミ: 不思議な事に私、毎年生活無茶苦茶不規則で、酒も飲むし、一応検査だけは毎年やってますけどすべての検査が「A」です。毎回「A」の一番下に「でも太り過ぎ」っていう(笑)これがね・・。でもしばりがあっていいじゃないですか・・。

レモン: ぼくも辰年で43歳なんですが、中学校2年の女の子と小学校5年の男の子、女の子がいるんですが、2年ぶりに人間ドック行ってきました。そうとう無茶苦茶な生活してますから、ナミねぇと同じように・・、(検査結果は)ほぼ完璧でした。「先生困る、悪いところ探してくれ、そんなはず無い、無茶苦茶やから俺、生活。」て言うたら、ていうのは「自分がどうしようかこのままやったら、この生活止めたいんや。」、大丈夫言われたらもう、この生活が続くと思ったら今も冷や汗が出る、寝不足が続くわけでしょ。ところが先生がおっしゃったのは、「山本さんあんた職業がらもそうなんやけど、よく笑うでしょ?」って言われた。ナミねぇも言われるでしょ?

ナミ: 笑わんと喋らんとこの二つはダメです。私を殺すに刃物はいりません。3時間だまっとれ。(笑)というたら死にます。

レモン: 先生が言うのは「シュウさん、笑うなんですよ、・・悪玉外から入れたり、ストレスいうので中から悪玉作ったりして、善玉ふやせばやっつけるんやから、善玉ふやすには外から入れる善玉もあるけど、笑うたら中でどんどんできるんやで、大笑いしてキラー細胞をどんどん作らなあかん、叩かなあかん、そのためには生きるぞ!というグッというポジティブと、わはは・・と笑うこれですよ。」その瞬間から「そうですか、ははは・・。」(笑)これからどんどん笑たろと、ナミねぇの本のなかにそういうくだりありましたよ。

ナミ: なんで私自分でも忘れてるのに・・(笑)克明に読んだはります・・びっくりしたわ。

レモン: 笑ってるからや言われた・・。笑うことが一番いい。

ナミ: 皆さんも是非じーっと鏡見てたら笑えてきますから・・。(笑)

レモン: オープニング・・今の話の中にいろんなヒントが皆さんの生活の中でも・・僕ら、あの実は厚生労働省の一番トップがえらい発言して、えらいことになってますけども・・。

ナミ: そのことでね、さっきね2月13、14日に厚生労働省で遠隔でインターネットでセミナーやったっていいましたやん、その時に柳沢大臣も「この取り組みは絶対僕も勉強させてもらう」、まじめな人で、それで真剣にそない言うわはってその直前に兵庫の国体があって、私1時間くらい会ってプロップの話バーとしてすっごい心の内伝わったって・・、その日も「絶対自分行くから」って、言ってたら直前にあの発言で、大騒動になったんで、これで来ていただくと(笑)マスコミの人はこっちばっかり突っ込んで、絶対私らのことは記事にならんなと・・、ご本人もそのことはわかってたみたいで・・。ご本人もそう考えてちょっと今回は遠慮させていただく、ということで事務次官と言われる方に来ていただいて・・。

レモン: 僕もたまたまですけど・・、僕ラジオDJなんですよ。

ナミ: なんていう番組?

レモン: FMフジの「サタデーストーム」。

ナミ: 関西でも聞けます?

レモン: 関西はFM大阪で「スーパーリクエストとスーパーキャンプ」いうのをやってます・・レッドリボンライブっていうのを、去年厚生労働省に頼まれてプロデュースしたんですよ、エイズです。なんかこう地場の僕らの子供のこと思うパワーとか、僕やったらすぐ近くの愛する人たちのために、エイズのこと啓発せなあかんて思う力で、上を突き上げないとダメだな、とつくづく思いましたね。そこの皆さんみんな答え持ってて、理想郷があって、自分の生活もいろんな問題があって、ストレスがあって、人間ドックも行かなあかん人も一杯いると思うんですけど・・。その中でナミねぇも僕もおんなしやなとおもうのは、レモンさんていうのは自分の子供の学校をヘルプしようと、それだけです。なんでレモンなん?ていうたら、PTAって影の存在でしょ?なんや言うたらザーマスおばさんの漫画みたいな、それじゃいかんと思たんですよ、もっと近いPTAじゃないとあかん、で発想したんが被り物、メッチャわかりやすいでしょ、被り物して「レモンさんて呼んで」って言うたら一瞬にして人気者ですよ。ところが地域のじいちゃんとかは「ふざけるな」いう話ですよ。ところが一年見といてください、いうたらメッちゃ盛り上がるわけですよ、学校は・・、運動会は感動の嵐ですよ、「うちの会長イケてるー。」自慢しだして、レモンさん、レモンさん、てやってたら、なんでそんなことやるのかというと・・、ナミねぇと一緒ですけども、PTAのおかあさん、おとうさんは、本当に大変な思いして学校をヘルプする、それが子供たちのためや、僕らは学校を突っ込むPTAはやらない。学校をフォローする、肩組んで横に並んでやる、そういうとこからスタートしてますから、僕らのこれ本気なんです、山本シュウの本気なんです。本気をみせようぜ、運動会終わったらみんなもうダダ泣きですよ、本気ですから・・。おとうちゃんも集まれ、言うて今サポーター会議作って、おとうちゃんも日本の空気はなんかおかあちゃんに任せとけ、みたいな空気あるでしょ、おとうちゃんきなはれ、てやるとみんなダダ泣きですよ、感動の嵐です。それを見てる子供がなによりも、PTAを必要やと俺も大人になって子供できたらおかあちゃんと一所懸命やってたな、っていうのを思い出して欲しいんですよ。そういう意味では、ナミねぇもおとうちゃんおかあちゃんいるじゃないですか?よう大人の背中を見るっていうじゃないですか?背中を見て育つって・・、たしかに背中も見てるけど、僕、おなか見られてますよ、って言うんです。つまり偉そうに口では言うても、例えば夫婦喧嘩を見とるんですよ。もう言いたい事言ってワーてやってるときに子供は「あー、喧嘩ってこうやってやるんや」って凝視されてる。さらにそう言ってるのに兄弟でワーってやったら、さっきまで夫婦喧嘩してたおとうちゃんが「そんなモノの言い方するな」っておかしいでしょ?ずれてくるでしょ?残念なことに・・ちょっと暗い話しますけど、日本の殺人の全体の5割が家の中ですから・・、ありえないですから・・。家は守らなあかん所でしょ?子供を・・。ついに日本は半分の殺人が家の中で起こってる。だから僕は今、みなさん僕の皮膚感覚でいうと戦時中ですよ、って大げさに言う、家庭内戦争起こってますよー。「うちは大丈夫」、っていうてたら明日子供が「パパ学校行きたくない。」って明日言うかもしれない。そういう世の中ですからね、っていう話するんですけど。こういうのも基本は目の前の子供のためと、子供の好きな友達が通ってる学校のために、やろかいなって始めたことが、今じゃ国立の大学に呼ばれ、先生やってくれ言われたり、東大生とセッションしたら東大生元気ないことを知り、ナミねぇと一緒で僕は高卒なんですけど・・。ところがみんな元気なかったり、だから今笑うパワーと、身近な・・、僕はこう呼んでます。これは誤解されますけどね「愛のおせっかい」、僕はなんでこんなレモンさんになったかっていうと、貧乏町で、鍵っ子で、親は未だに育てた覚えはない、てみんなに言うくらい(笑)小学校4年生から新聞配達したり、高校の時に外で暮らしてたのに親に気づかれなかったり、(笑)ありえないでしょ?それが今度平田オリザさんていう演出家の出す本のなかに僕のこと書いてますけど、そんな放任主義、地域のおっちゃんおばちゃんと親戚のオバちゃんとかの、おせっかいで育てられたんです。だからおせっかい当たり前や、「おせっかい言うてもそんなレモンさんみたいにできへんわ」、いうけどおせっかいは「いるおせっかい」と「いらんおせっかい」があって「いるおせっかいは愛やで、支えあいやで。」それは相手に分けてもうて、こっちはやるだけのことっていう、江戸時代と一緒でね。だからナミねぇは今凄いおせっかいなことやってはる人やと、僕にはうつってる。世話焼き、おとうちゃんのDNAおかあちゃんのDNA全部おせっかい。

ナミ: 関西でちょっと道迷ってるふりしたら4,5人オバちゃん寄ってきてくれる、「どうや!・・こうや!・・」そのうち喧嘩しよる、(笑)それで教えられたとおりいったら全然違うとる(笑)関西で道聞くときは気をつけなあかん・・。(笑)

レモン: あれなんで自信持っていうんやろうな?知っとかなあかんみたいやな・・。(笑)そんなことでいろいろ話してきましたけど最後に質問を受け付けてくれって言う事で、フリートークなんでお題をもらったら喋らなかん、これは聞いとかなあかん、どうせこの二人は先短いぞって思ってらっしゃる人もいるかもしれない、あんまり頑張りすぎて、それこそお風呂の中でポテって逝きそうじゃないですか、(笑)お酒飲むでしょ、気をつけたほうがいいですよホントに・・、お酒飲んでお風呂入ったらいかんぜよ。

ナミ: 風呂のなかで飲む酒もうまい。

レモン: いやそれもうまいけどね、露天風呂とか・・。何か質問ある人?こんなテーマで話してって・・。

質問者: 「チャレンジド」を日本語で流行らせていただきたいなと思う、というのは私たちも障害者っていうのはすごく嫌であまり言いたくない。

ナミ: 今これを日本語にしようといろいろ考えられいる方が多いんですね。で、手話で「障害者」って言うのは(棒を)ボキッと折ってね(表現する)・・・。だからチャレンジドっていう言葉を日本語化すると同時に、手話でもなんか考えようみたいになってるけど、まだ残念ながらできてません。それは何故か?さきほど言ったようにこの言葉をアメリカの人が作った、生み出した背景は、この人が障害があるからってマイナスのところだけみたり、不可能なところだけっていうのはおかしい、そんな自分らを変えようという意識があって、この言葉を自分らで生み出したんです。というプロセスがある。でね、チャレンジドだけじゃない、バリアフリーもそう、ノーマライゼーションもそう、ユニバーサルデザインもそう全部英語です。バリアフリーのことをいちいち日本語で「障壁除去」って言い直す人いませんよね。つまり言葉というのは、まさにその国の哲学や文化を表しているんです。その国にそういう文化や考え方や哲学がなければ、言葉が生まれることはできない、だからチャレンジドと言う言葉を日本語にもし変えることができる日が来るとしたら、そういう意識が日本に生まれた時なんですね。それまではバリアフリー・ノーマライゼーション・ユニバーサルデザインていう外国から外国の考え方、理念、哲学からはいってきた言葉を、そのまま使わしてもらってるように私たちも当分は「チャレンジド」って使って「何ですかそれは?」って聞かれたときに、こういうプロセスで生まれてきた、こういう意味の言葉なんです、と説明することによって、「自分は障害者じゃなくチャレンジドでいよう」と思う人が増えるとか、「自分もそういう目線になろう」とか、「私かて考えたらチャレンジドや」とか、そういう人が増えた時にもしかしたら日本語になるかもわからん、というふうに考える。

レモン: ひとつはまだ僕ら英語文化がまだ根付いてないんでしょうね。例えばヨーロッパとか英語普通に若い子が殆ど喋るって言う国は、英語の言葉っていうのは普通に使ってますしね、生活のなかでね。

ナミ: 生まれた時から赤ちゃんは英語しゃべってるもんね。

レモン: どっちかっていうと年代的にもいろいろあるとおもうんですけど、こういう言葉から慣れていくっていうのも一つの教育のような気がしますけど。英語嫌いとか英語が遠いっていうのよりは・・、今アメリカではこれがもの凄く普通に使われますからね。「オターク、アキーバ、イエス、アキーバ」(笑)ホントですよ。向こうは普通に取り入れますから・・、僕ら英語がまだ世界共通語としてっていうのが遠いんですかね?ノーマライゼーションもバリアフリーも・・。

ナミ: これ定着してしもたらなにも英語やからって不思議に思わん言葉になると思う。チャレンジドが普通にこういう風になった時、この意味がわかる人が増えてそうだね、っていう状況の人が増えるっていうことかもわかれへんけどね。

レモン: ドラマにすればいいんですよ。ドラマに・・。キムタクが「チャレンジド!チャレンジド!」ってずーっと(笑)「これもチャレンジド!あれもチャレンジド!」って言うとけば、もう普通に・・。(笑)

ナミ: チャレンジドTシャツかなんか着て・・。

レモン: なんかあったら「チャレンジド」、「どんだけーっ!」(笑)て今流行ってるの知ってます?あれは流行ったらおかしいやろっていうのが流行ってますから・・、新宿二丁目でオカマさんたちの間で流行ってたものが、今もう市民権を得つつありますから。びっくりしますよ。

ナミ: マジとか芸能界の人しか言うてへんかったのがみんな言うてるもんね。

レモン: チャレンジド、ドラマ化。出ましょう。「チャレンジド奥さん」私が作りました。日本で私が広げます。僕この間ドラマの話来たんですよ、ことわったんですけどね。

ナミ: プロップはね、『チャレンジド』っていう写真集出したんですよ。どこから出たかって言うたらあの吉本興業から出たんです。プロップのチャレンジドを、何ヶ月にも渡って、コンピュータで自宅で介護受けながら勉強してるとか、働いてるとか凄い生き生きした表情を何百枚、何千枚プロの人が撮ってくれたええ写真が一杯できたから、本にしたい、タイトル、『チャレンジド』にしたいって言うたら、吉本の木村政雄さんていう常務してはった人が、「うちはタレントの本しか出したことないけど、いっぺんこういうのだしてもええなぁ」。出してもろた写真集チャレンジドの表紙がなんと私と娘で、また娘がかわいい顔で写ってる。

レモン: これくらいのパワーでお願いします、みなさん。

ナミ: それで親ばかチャンリンで表紙に娘。

レモン: それであの木村さんは吉本辞めなあかんようになったんや。(笑)

※ここでNPO法人日本バリアフリー協会代表の貝谷嘉洋さんが登場。

ナミ: もうひとつせっかくやから紹介します。彼ね、私の長い友達でチャレンジドの音楽祭でゴールドコンサートってやってて、ものすごいレベルの高いチャレンジドアーティストのコンサート、もう今年何年目?

[写真]会場に駆けつけてくれた、日本バリアフリー協会代表の貝谷嘉洋さん(ナミねぇの左、青いシャツの男性)

貝谷嘉洋さん: 4回目になります。東京国際フォーラムで10月8日障害者のチャレンジドミュージシャンの音楽祭をやります。

レモン: イエ〜!(拍手)

ナミ: 合言葉が、日本のスピーディ・ワンダーを生み出そう。

レモン: スティービー・ワンダー、今スピーディ・ワンダーですよ、(笑)びっくりした。

ナミ: ほんまにスティービー・ワンダーからメッセージもろてきて・・。

レモン: マジで?

ナミ: マジで。(笑)

レモン: はー、僕の神様でもあるわ、もう大好きで・・。

ナミ: 年々やることに登場する挑戦しはるアーティストが・・、去年あの誰でしたっけ笛吹きはった人・・なんか笙みたいな・・ゲスト。

貝谷さん: あぁ、東儀秀樹さん・・。

ナミ: 東儀秀樹さんがゲストに来はって・・。

レモン: 知ってんのかいな?(笑)

ナミ: 前年に優勝したのが、全盲のピアノの女の子でもの凄い綺麗ねえちゃんでね。

レモン: 名前覚えたりぃな!(笑)

ナミ: 裕美さんやったかな?前川裕美さん。覚えてんねん!その彼女が弾くピアノとその・・東儀さん・・。笙でジョイントをしてはったんです、今年は4回目やからもっと凄いのが聞けるやろと思うて、もうその中から何組か実際にプロがでたはります。彼ね、アメリカに留学してはって、アメリカにおったら自分は普通の人間、日本に帰ってきた瞬間に障害者、ていうぐらい国柄が違う。そこで買い物してようが、勉強してようが、大学行ってようが、働いてようが、アメリカでは当たり前、日本に帰ってきたとたんに「車椅子なんですか?」ってへんな手を差し伸べられる、そやのに日本の大学は車椅子で車止めるところもない、みたいなこの格差も知りつつ、だけどそういうことにいちいちツノたててワーッと言うんじゃなくて、彼らの音楽の才能光らそうということを自らやることで、日本でチャレンジドっていう言葉を彼は広めてくれている、ひとりのチャレンジド。

レモン: すばらしい!(拍手)今若い子はそういうかっこいい大人の見分け方がものすごく鋭いですよ。かっこいいことしてたらリスペクトしますし、尊敬します、でもちょっとでもかっこ悪いことしてたら、例えばようおんねん、新幹線のグリーン車なんかにほぼおんねんけど電話持って「あ〜もしもし、あ〜あの件ね〜。」て大声で・・。(笑)グリーン車乗れるくらいのハイソな社長とかやってる男でも「そんなことじゃ人としてどやねん?」とか若い子にはすぐわかる、嘘をつけない本当にすぐ反応する。僕はニューヨークに住んでいてたんですけど十何年前、ビックリするくらい、まずバスがプシュー下がってビヨーとステップが降りてみんな普通に待ってる、普通にウィーンて上げて車椅子のひとが普通に生活してる・・。

ナミ: カリフォルニア州ではそういうバス100%です、100%ですからリフトが潰れてることもあるみたいやけど全然気にしない、次のバス来るし、そのバスが来たとき車椅子乗るの待ってんの当たり前みたいな・・。別に誰も文句言わんし・・。

レモン: 普通に自然にふっといす上げるの手伝ったりとか・・。

ナミ: アメリカで連邦政府の日本で言うと国土交通省みたいな、ユニバーサル政策室長みたいな人がおるんですけど、その人は電動車椅子乗ってる。

レモン: そういう人多いですね・・。今もステップのプシューってなるの日本で増えてますけどね。本当にみんながこの言葉を当たり前に使えるようになるのが理想ですね、他になんかありますか?

ナミ: これ質問に答えてるんや!

レモン: はい。(笑)

ナミ: 危なかった、忘れてた。

質問者: おふたりのエネルギッシュさ、生き生きした感じはうらやましいんですけど、大阪人ぽく明るくなるために大切なことってなんかありますか?(笑)

ナミ: ちなみにどこのご出身ですか?

質問者: 東北福島県会津若松です。

レモン: おーっ今話題や!

ナミ: 今の質問はですね、関西人がおもろいというふうなのをプラスに評価してる?

レモン: なんで?プラスじゃないですか。

ナミ: いや私にとってはプラスやけど。

レモン: 僕は関西で講演するときは、関西人が今こそ地球を救え言うてるんですよ。特に日本はそうですけど、うちの親父、お袋も僕を育てた覚えはない言うてるんです。親父も僕をしばいたり、説教された記憶はまったくない。ところがメチャメチャ愛されてるっていうのと、一杯学んだんです。うちの親父は普通のサラリーマンですが、思い出しても1回も嫌な顔をして帰ってきたこと無い。いっつもギャグ、坂上二郎さんそっくりなんですよ。「とびます!とびます!」ってああいうおっちゃんです。必ず貧乏ですから、給料日は「ビアーのケーキ」っていう普通のショートケーキ4つ買うてくる、テレビ見てたらそーッと帰ってきてバーンと扉あけて「ビアー!」って帰ってくる。俺らはそれ付き合いでわろたらなあかん、「ピアー、はは・・」(笑)そういう・・。

ナミ: ときどきやったらええけど、しょっちゅうやったら付き合い・・。

レモン: しょっちゅうです。うちのお袋がダイエーのタイムセールスで、そでを取り合ったと、引っ張り合ったとおばちゃんと、そのときの模様を事細かに、家の中で大声で形態模写で「ほんでな、もう諦めるわけや言うた瞬間にとったんや・・」その話して笑わしよる、とにかく笑いがたえない家だった。今でもお笑い番組ありますけど「8時だよ全員集合」と「家族対抗歌合戦」これは全員で必ずみてた「あはは・・」てお互いをバンバン叩きながら「痛い・・痛い・・。」言いながらちょっとしたことがおかしくて、とにかく笑う、だから自分が貧乏だったって気づくまでえらい時間かかった、っていうくらい、とにかく笑いは体にもええし、どんな状況でも笑えたら・・、脳外科の先生が言うてた、ハッピーホルモンいうのがでてβエンドルフィン、脳内ホルモン・・。

ナミ: あのねぇ、この前初めて「ペット」とかいうやつをあんたしといたほうがいいよ、てあんたちょっと変よ。結果がね「脳が若い」って、「脳が若い」てどういうことですか?「医学的に診て脳が若い。」どうやら笑いのことも言うてるらしい、どうも笑うてる人の脳は若い。

レモン: 笑た瞬間脳がジュルジュル言うてるんですよ。ははは・・ジュルジュル。おいしいご飯食べて「ここのおいしいわね、はは・・」、っていうたらジュルジュル・・、これはβエンドルフィンていう体にもええ笑いがあれば貧乏だろうがどんな生活してようが・・。

ナミ: オッちゃん今の質問は関西人の・・、笑いがええのはわかる。

レモン: だから笑い作るためやったらなんでもしー、言う事です。

ナミ: 関西人はそういう気質やからやということやと・・。

レモン: 関西はね、ちっちゃいときから吉本新喜劇とか、お笑いのローカル番組が当たり前のように流れてる。例えば今でも俺たちひょうきん族とかメッチャはやったじゃないですか?あの時学校でひょうきん族の話ばっかりするわけです、それと一緒で吉本のお笑いの話ばっかりするわけですよ、ええかげんにせえ!とか冗談でやるわけですよ。ただね、問題はね、僕ニューヨークに住んでたから思たんですけど、黒人の友達一杯いましたけど、黒人がみんなバスケットうまいと思ったら大間違い、(笑)黒人でもこんな瓶底みたいなメガネしたオタクもいるんですよ。(笑)「ガンダム、イエス、ガンダム。」

ナミ: 500メートル先が見えるみたいな人?

レモン: そう・・?それはアフリカ系じゃないですか、(笑)違いますよ、関西人でもおもろないやつはおもろないんですよ。(笑)

ナミ: そういう話ですか?そういうオチですか・・。

レモン: ただ僕らが持ってるのは「もうええがな、ぼちぼちいこうや。」とか開き直った「ぼちぼちやろか、どうでもええがな・・。」とか「楽しんだもん勝ち」っていうか、ねえさんもこの本の中で一杯言うてるでしょ、私が楽しんだらええっていうこと一杯いうてる、だから人が「もうダジャレ止めてくれます?」っていう上司いっぱいおる。めげたらいかん、(笑)めげたらいかん、どんどん頑張って負けないくらいダジャレ作る、(笑)そしたらいつか、あそこまで行ったらやっぱり凄いよなって、なんでもそう、あそこまで行ったらっていうラインまでがんばらなあかん。

ナミ: ちょっと待って、さっき私が出てきた時に、あの写真に負けたらいかんと思うてこれやったいうたら、勝ち負けか、ていうたけど・・。

レモン: 自分に勝て、っていうことですよ。自分がさっき言うたようにみんな個性や、人と比べる暇あんねやったら・・。

ナミ: そやけどあの親父のダジャレの上いけちゅう・・?

レモン: 言うたか?

ナミ: 言うた。(笑)

レモン: おかしいなぁ、自分の中で俺は天才やなぁ、おもろい思うとけばええっていう・・だからなんですか(あなた)おもしろないんですか?(笑)

ナミ: 会津若松やし・・。

レモン: お湯掻き・・、温泉ありますよね?会津若松・・ああ草津温泉か、あれ?(笑)

ナミ: 湯飲みの話したんですか?

レモン: 湯飲みの話したんですか・・?全然違う話でしたね、いまね・・。ええねん・・、こんなもん気にせんでええねん。

ナミ: 「気にせんでええねん、好きにしいやって」いうのが関西人の標準的な感覚。プロップステーションはじめたとき、ものすごい変わり者のへんな・・関西やからやれたんですわ。東京の人がもしやってると、こういうことをやったらちゃんとうまいこといくやろか、ここまではうまいこと行くなという見通しがなかったらやらへんし、一歩出せないし、やる時には周りの人もちゃんと計画たててるものなら応援してあげよう、いうんがありますわ、関西は違いますわ。あんたがするんやったら勝手にやったらええ、失敗しても自分のせいやからやりやり、って煽るだけ煽って、失敗したら「はっはっは。」(笑)

レモン: 嫌な人種じゃないですか。(笑)

ナミ: だから自分がよければええ、って言うてますやん。

レモン: 僕、大学でも教えてますけど、最近の大学生はみんな人と比べて、背が足らん、才能がないわ、人と違うわ・・もうやかましい!って言うてるんですよいつも。周りと比べることは今日から一切やめなさい。比べたい時にはこういう場合だけ、自分が一番トップで天狗なりそうな時に、「まだまだやなぁ、上には上がおるなぁ、がんばらなあかん」、言う時は比べていい。それ以外は、今日から比べるのは昨日の自分と比べる、昨日の自分より「1ミリ前進した、1ミリおもろなった。」、そういうふうにやってくれ、比べるんやったら・・。「マッちゃんおもろい、さんまさんおもろい、俺なんかあかん。」、ていうやつは芸人なられへん。俺はおもろいんやと、あの笑瓶さんておるやろ、あの人おもろなかったんやから・・。(笑)本気におもろなかったんやから、新人の時・・。俺は笑瓶さんと喋ってるからこれ言えるんやけど、笑瓶さんもおもろなかったはずや・・むかし、ところがこの世界では周りが100人おったら100人とも笑瓶お前おもろないと言われても、自分がおもろいとおもてたらやっていけると、まず自分が自分を騙さなあかん、なんでブレークしたかっていうとネタでブレークしたんとちゃう、顔のモノマネ、なんやった?三兄弟、秘密のアッコちゃんのな・・あれでブレークした。自分さえ信じてたらええし、比べるんやったら昨日の自分と・・。あのね関西の笑いも「ひき笑い」っていうのがある、たとえば君はシュッとしてるやんか、いつもシュッとしてる思う喫茶店でおっても・・どっかで笑いとらなあかん思て急に彼女がトイレから出てきたとき「おしり!」とかめくってたら、「ひくー」ってでもその時に「ひくよねー。」とか言いながら「どっこいしょ、恥ずかしい。」ズボン上げ方しとったら、ちょっと「プッ。」って、ひきの笑いっていうどうしようもない、ネタで笑うんちゃう、君のそのおもしろ努力に笑うわけや。「そんな私のこと笑わしたいんや、この人おもしろいな。」そういう笑いもある。

ナミ: そのかわりそれで逃げられても責任持ってくれません、関西人は絶対自分の言うたことに責任持ちませんから。(笑)

レモン: この人だってそうよ、すごいよ今息子さんいる今日きてはる、シュッとしてる、全然似てないわ、その息子さんがちっちゃいときに「え〜ん。」て帰ってきて「かあちゃん、隣のオバちゃんが言うてたけど、僕ってな、かわいそうなんか?僕ってかわいそうなんか?」

ナミ: 聞いてたみたいに言うなぁ。(笑)

レモン: 妹がもっとかわいそうや、とか言われたって言うてきた、すごいことやろこれって、おかあちゃんなんて言うたんか?俺一瞬な「しばいたろか!」って言うか思たら、その息子に「あんたかわいそうなんか?」(笑)って逆に息子に聞いた。ほんだら息子が「うん?全然。」「ほなかわいそうないわ。」これが言えるおかんが家の中の太陽やし、常になにをあびせ倒されようが、家の中に太陽がおったらもうこうやって、「あー、おかんとおったら安心するわ。」っていう、こういう存在がおったらどんなんでも家の中楽しい。

ナミ: レモンさんのおとんみたい。

レモン: おとんや、俺ら地元ヤンキーばっかりやった、目立っとたら上のやつに呼ばれるねや、「お前調子のっとったらしばくぞ!」て言われる。帰ってきてシュンとなっとって、親父に「どしたんや?」「またヤンキーの先輩に呼び出しくろて、どうのこうのメッチャ言われて・・。」「そいついつもこんな顔してるやつやろ?そいつにな、覚せい剤打ったるから笑とけ言うとけ。」うちの親父も怖いなあ。とにかく笑わせたれっていう、もう無茶苦茶やねん関西のおかあちゃんとか言う事の常識が・・普通の常識からはずれてんねんけどおもしろい。

ナミ: 是非一ヶ月くらい関西で・・、関西の味わいを身につけて、そのかわりどない言われてもしりませんよ、チャレンジしてみられてもいいんじゃないでしょうか・・。

レモン: たしかに!他に?

質問者: すっごく面白かったです、ありがとうございました。(笑)

レモン: (笑)君のほうがおもろいわ、今。

質問者: おふたりがそれぞれの活動をとおして、まあいろいろあると思いますけど、自分の中で一番大きく変化したところを聞かせていただければと思います。

レモン: 活動して変化したところ・・メッチャ変化しましたね、体型とか・・。(笑)

ナミ: ほっといてやそれ!

レモン: 自分でおっしゃってたから・・。

ナミ: 自分で言うのと人から言われるのと違う。(笑)

レモン: どんな変化がございましたか?

ナミ: ますます図太くなっていく、とかそういうことですかね。ますます開き直って、ますます図太くなっていくっていうのは感じますね。

レモン: でも最初は自分のために生きてたじゃないですか?えらい人に迷惑かけたでしょ。

ナミ: 今だってそうですよ、私ねパソコンをコンピュータって言ってるじゃない、でも私はなんとコンピュータ指一本で字打つ以外なんにもできない。周りの人が口に棒くわえたり、足でコンピュータ、彼なんか寝転んでて天井にコンピュータつけて大学の卒論書いたり、私指一本で字探しながらしかできない、しかも口と心臓しか道具ないから、学歴ないし、私言うときますけど算数ね、足し算と引き算と掛け算、割り算ちょっと危ないけど、分数から先もう全然ダメ。だけどそれは得意な人がおったらええ。さっきビル・ゲイツの話、英語なんかディスイズアペンとワイアムアウーマンくらいしか言えません・・。

レモン: ワイアムアウーマン?(笑)

ナミ: 英語いっぺん習おうとしたことあるんですけど、一日で挫折したからね、(笑)あかんなと思て、考えついたんがもの凄い英語の得意な人にそばにおってもろたらええねん。探したらそういう人が「よっしゃ、手伝いましょ。」私が関西弁でベラベラ喋ったやつをぺラーと英語にして、アメリカへビャーって送ってくれたり、アメリカからきたやつ日本語にピャーって直して、それも私が出したようにナミねぇらしい勢いのある英語にしてくれて、関西弁の英語みたいなんでやりとりしてて、あるときそのアメリカの人が日本の国際会議にゲストできてくれて・・私がペラペラ喋れる思いますやんか?(笑)でもおうてみたら「オーノー!」(笑)「ザッツライト。」それしか言えません。ほんと、ですけど、そういうふうにやってるから、自分のできることのポジションだけやっとたらここはこの人、あそこはこの人、とにかく相手の人の欠点なんか探してる暇ないんです、その人には私にないプラスがある、あったら全部それ借りたろうみたいな、どんどん図々しく図太くなっていって周りの人がみんなね・・。

レモン: 迷惑してんねん!(笑)

ナミ: 「プロップ・ステーション」のこと最近「ドツボ・ステーション」骨までしゃぶるナミねぇと言われて、(笑)「ええ、ナミねぇに電話してしもたん?」「私もボランティアしたいんです、と思うて」言うたとか・・友達が「お前そんなもう二度とシャバに戻られへんぞ!」(笑)って言う・・。

レモン: 厚かましくなるいうのは言葉かえるとね、ちゃんと自分の主張しましょう、ていうね、要するにさっき江戸時代の話しましたけど、自分はこういう個性ですよ、僕はこういう考え持ってますよ、と言うことをためらう必要のない社会にせなあかん。それが一番気持ちいい。日本人の大学生が留学したら、まずみんな感じてくるのは、ディベートが下手、つまり討論が下手、友達と普通にカフェでしゃべってても、日本は・・で君はどう思う?っていうたら、「えーと日本は平均的な意見はこうで、俺の友達でそれに詳しいやつがこう言うてた。」、いや僕は君の考えが聞きたい、「だから平均的にこれが正しいと言われてるんで・・、まあ正しいと思うよ。」というようなどこか逃げがある言い方するから話しにならない、って言われてる。むこうでは自分の意見イエスかノーか○か△か□かちゃんと言うて初めて椅子につける。自分の意見言わないんだったら椅子いらない、どいてください。また日本人のディベートのすごい下手くそなんが一番よくわかるのは「朝まで生テレビ」。あれ見てください。僕にはあれ地獄絵巻にしかみえません。(笑)誰一人、人の意見を聞いてないんですよ。地獄絵巻ですよ。ブワー言うてせっかく田原さんが止めて、・・しゃべって全部聞いたな、それについての反論聞きたいなと思ったら「あんた甘いんだよ!それでな・・」って自分の意見言いたい放題みんな、あんなんありえん。それにね日本人はなんで下手か言うたら、なんやろなあれは、すぐ感情的になる、自分がイエスっていうたときに、ノーっていうたら「あの奥さん嫌いやわわたし・・。」いうようなPTAの空気もある。つまり感情的になる、おかしい。アメリカ、ニューヨークはいろんな人種の坩堝、アフリカン、アジア系もいっぱいおる、みんなでカフェおったら、お酒なんか飲んだらバトルや、ガーン・・・なんやったら日本人同士で「こいつの言うてるのは偏った日本人の意見や!」日本人同士が「平均的な日本人の意見はなにやろ?」って喧嘩になったりするけど、そんななかで終わった後かならず握手、「シュウ最高やった、おまえおもしろいわ、またやろうぜ」、ディベートで盛り上がれるのはものすごい楽しいこと。自分の意見がはっきり掴めるし、そして自分が突っ込まれて答えられへんかったところ見つかるし、そういう意味ではナミねぇの言うてることは、わがままでもなんでもなくもの凄いチャレンジドです。

ナミ: そうなんですか。(笑)レモンさん自身は何が変わった?

レモン: 僕はナミねぇと一緒にいるんでね、一杯感じてることがあるんですけど、あっ一緒だな、と思ったのは、これ伝えたいです。「志」これは不思議でしたね、僕は43歳です。ずーっとわがまま言ってきた自信があります。この業界ラジオDJ芸能界はいって13年ですけど、絶対無理だと思いましたこの世界は、嘘だらけ頭にくることだらけ、いらん媚へつらわなあかんことだらけ、僕は芸人じゃないんでスカウトされたんでおかしいことはおかしい言うたし、こんな番組辞めたらぁ、言うてもうありえへん、もうこの業界おる必要ない、そんなこと言うやつは、っていうことを平気でしてきました、自慢じゃないです。僕はそれが嫌だから、気持ち悪いから、ところが志をもっている、僕は自分は持っていると、間違ってることは間違ってるとはっきり言いうから・・、でもこの「志」は一般的には「お前は大人気ないなぁ」とか、僕は大人気ない、はほめ言葉言うてるんですが、大人気ないなぁ、とか言われるんですけど、ところが「志を持ってる心」有名じゃないんですけど、「志を持ってる心」ともの凄い簡単に繋がります。これは不思議ですよ、ナミねぇもおんなしこと書いてはるけど、ナミねぇもおかあちゃんが子供のために言うたら、小泉さんにおうたり、ビル・ゲイツにおうたり、もっというたらビル・ゲイツが応援してるわけ、さらに感動したのはさあ、コンピュータのアップル社、アップル社がここにドカーンて送ってきたよね、コンピュータを・・。俺感動したあそこ読んでて・・。

ナミ: 5台くらい・・コンピュータのセミナーやりたいから5台くらいくれませんかね・・。

レモン: その姿勢もかっこええ、恵んでくれとちゃうんやで、要するに「モニターとして使ったらぁ、恵んでくれ系ちゃうねん、いややねんそんなん、ちゃうねん、使ったるわ、モニターなったるわ。」その姿勢がかっこええ、5台くらい言うた、そしたら?

ナミ: ある日、事務所って大阪のボランティア協会さんに、机一個置かしてもらってるんですけど、ボランティア協会から電話がかかってきて「事務所中が天井までダンボール箱で一杯になってます、なんですか?プロップステーション宛って書いてます。」、「いやぁ、心当たりないですわ。なんですかね?」「なんか知らんけど隅っこにリンゴかじったマークがついてます。」(笑)「りんごが?えー!」大慌てで走って行ったら、ほんまに10何台、その当時1台100万円くだらんとき、プロップ活動はじめたとき・・、プリンターってその当時こんな大きかったんですよ、ジョーシンで値段調べたら、100万円て、それが天井まで・・、5台くらいって言うたのに、ってこれは絶対間違いやって電話かけた「間違いです・・。」(笑)やっぱり間違いやったな、「でもいいです。」、えーっ!?「今までパソコンを障害者が使いたいっていってる、お金もなくてかわいそうで買えない、障害者のために・・そういう申し込みがあった。差し上げたところいつまでたってもその後なんの連絡なくて、ちょっと行ってみたらパソコンの上に風呂敷かぶせて・・(笑)だれも教えてくれへんしって・・、ところがあなたのところは、そのパソコン使って重度の障害の人が働けるようになるところまでやると・・是非、間違いですけど、使ってください。」

レモン: かっこええなぁ。だから多分ずーっと僕より姉御やから、姉御として一杯そういうこと経験されて、未だにこういう髪型するいうことは僕もこのまま生きていくしかないなぁと思うんですけど、(笑)やっぱり僕にもそういうカッコええなあと思う先輩が一杯いたからね、そういう志って通じます。江戸時代も同じこと言うてたんですけど、まずルールとして会った時に、そら侍やな、と見た目に判るときもあるけど、絶対相手の身分を聞いたらあかんていうルールがあった。なんでかというと身分を聞いたら互角に話せなくなるから、互角なんだから人間は、って江戸時代に教えられる。職人はリスペクトされます、物を作ります。それを売る人、商人もリスペクトされます。みんながお互いに必要な人として互角なんだ、そういう意味では志には差別はないです。どんな人も志持ってる人は、相手が何者だろうが、サングラスした茶髪のにいちゃんで、関西弁でガラ悪くても関係ない、志だけみてくれて付き合える、それはうれしい。他になんか?

司会: あのすみません。

レモン: あっ、もう時間ですね、ということで今日は長い時間有難うございました。どうでしたか?こんな形を望んでらっしゃいましたか?(拍手)

司会: 今日はどうも有難うございました。

ナミ: 一個ね、今わかったことがありますわ、関西人二人は座ったら対談、立ったら漫才。(笑)(拍手)

司会: 今日は竹中さん、山本さん楽しいお話有難うございました。大変いろんなキーワードが散りばめられていて、MIWも新しいスタートにふさわしいお話を伺えたことを大変うれしく思っています。今日は時間が大分超過してしまいましたけれど、2時間半が2時間に感じられる大変短い時間だったと思います。私どもMIWの宣伝ははしょろうかな、と思ったんですけど、一言だけ申し上げたいと思います。私たちは新庁舎建物の10階でやっておりますけども「ほっとするMIW」を合言葉にやろうとしております。今日は「幸せは私が決める」という言葉がありましたけども、つまりわたしたちは、こんな考え方とか、こんな暮らし方、こんな働き方もあるんだ、と気がついていただくとか、ありのままの自分でいいんだな、と思っていただけるような、自分がほっとできる情報を提供していきたいというふうに、わかりやすくお伝えしたいと思っております。そういうことをすることで、その人なりの幸せの形を見つけていただければと、スタッフ一同思っておりますので、一度と言わず何度でも10階の方にお運びいただきたいと思います。今日はそういうことで時間が参りましたんで、お名残惜しいんですけども、竹中さんと山本さんにもう一度大きな拍手を。(拍手)

ナミ: 最近多分皆さんね、パソコンとかメールとか使われてる方多いと思うんですけど、グーグルとかヤフーとかで「竹中ナミ」って検索してもらえると、私のホームページがあって、メルマガとかも出してて、いろいろナミねぇ何やってる、プロップなにやってるとか刻々と発信していますので・・レモンさんてどう検索する?

レモン: 山本、漢字でカタカナ、シュウで。(笑)

ナミ: こっち竹中、漢字のカタカナ、ナミ。(拍手)

司会: それでは今日はここでお開きとしたいと思います。お忙しい中ご参加いただきまして有難うございました。今度は新庁舎10階MIWでまたお会いしたいと思います。さようなら、どうも有難うございました。

(おわり)

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関連情報

レモンさんのホームページ「 レモンさん.net 」

千代田区男女共同参画センターMIW(ミュウ)のホームページ

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