厚労省元局長、無実訴える意見陳述 郵便不正事件

朝日新聞 2010年6月29日記事

 郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長の村木厚子被告(54)=懲役1年6カ月求刑=の第22回公判が29日午後、大阪地裁(横田信之裁判長)で始まった。弁護側は最終弁論で「検察側は(元局長が事件に関与したとする)ストーリーに沿った調書を作成し、冤罪を発生させた」と主張。元局長もこの弁論後の意見陳述で改めて無実を訴える見通しだ。公判は同日結審し、9月にも判決が言い渡される。

 元局長の事件への関与をめぐっては、2004年の証明書発行当時の部下だった元担当係長の上村(かみむら)勉被告(40)=同罪で公判中=らが捜査段階で認めたとされるが、元局長の公判の証人尋問で相次いで説明を翻した。横田裁判長は5月、上村被告らの供述調書の大半について、「検事の誘導があった」などとして証拠採用しないことを決定。立証の柱を失った検察側は今月22日の論告で、推論を積み重ねて求刑するという極めて厳しい状況に追い込まれている。

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