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毎日新聞 2006年1月26日より転載

いつでも、どこでも情報―

「ゆきナビ」実証実験

青森で始まる


「まちかど情報ステーション」の説明をする坂村健・東大大学院教授。左は三村申吾知事=青森市の柳町通りで

国土交通省と県は25日、青森市の柳町通りで「ゆきナビあおもりプロジェクト」の実証実験を始めた。いつでもどこでもだれでも情報が受けられるユビキタスネットワーク技術を利用し、豪雪の同市で高齢者や障害者、観光客も安心して歩ける環境づくりを目指す。

同市本町1にある運営事務所(旧いとだ陶器店)前に公衆端末「まちかど情報ステーション」を設置。タッチパネルの画面上に「道路交通情報」「降雪情報」などの項目があり、リアルタイムで表示する。地震などの災害時には自動的に切り替わり、震度を伝える。

またICタグが歩道の誘導用ブロックに埋め込まれ、視覚障害者の白いつえの先に付けたセンサーで読み取る実験もする。携帯情報端末から音声で現在地や行き先が案内される。実験エリア内の施設や店舗にもICタグなどが設置され、観光案内やメニューが分かる。音声は標準語の他に津軽弁も選択可能だ。

プロジェクト推進委員会スーパーアドバイザーの坂村健・東大大学院教授は「この実験をしているのは世界で他にない。情報公開すれば、世界に広がると信じる。これからの人類に必要なインフラだ。実用化は10年後くらい」と意義を強調した。

実験期間は第1期が2月4日まで。第2期が同11日から20日まで。実験事務局は一般の参加モニターを募集している。事前に日時の申し込みが必要だが、実験機器に空きがある場合は当日の参加も受け付ける。問い合わせは事務局電話03・4519・5038

【長谷川典義】


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