オープニングセレモニーで坂村健教授(左)から説明を受ける石原慎太郎知事=台東区の上野公園
ICタグや専用端末を使って、戸外でも簡単に情報にアクセスできるようにする実証実験が13日、台東区の上野動物園周辺で始まった。
「まちナビ」実験は同園周辺に数千個のICタグや無線マーカーを設置し、専用端末で現在位置や観光情報などを入手できるようにする。文字だけでなく、動画や音声も引き出せ、例えば、象舎の前のICタグに端末を近づければ、象の説明や鳴き声を聞くこともできる。ICタグには専用の番号だけが入力されており、情報はサーバーに蓄えられているため、情報の交換はサーバー内の情報を書き換えるだけで対応できる。
都の実証実験実行委員長の坂村健東大教授は「将来はカーナビに代わる人間のためのナビゲーションシステムになる。街中にICタグなどを設置して、社会インフラとなるように、実験を通じてセキュリティーの高いシステムを構築していく」としている。
オープニングセレモニーに出席した石原慎太郎知事は「実験をきっかけに、IT分野の可能性が開発され、世界に知られる端緒になることを祈念する」とあいさつした。