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神戸新聞 2005年6月20日より転載

街にICタグの道標40000カ所

障害者らへの「自律移動支援」 神戸で実証実験開始

国交省プロジェクト 携帯端末で情報を提供


情報技術(IT)を使って障害者や高齢者らすべての人が移動しやすい街をつくる国土交通省プロジェクトの本格実証実験の開始式が19日、市役所で行われた。全国の道路などにICタグを設置し、情報を発信する取り組みで、市内約40000カ所にICタグを配置、12月まで実験する。

「自律移動支援プロジェクト」。携帯端末を使って、各所のICタグと交信、バリアフリーや観光に関する情報などを得られるようにする。

実験は神戸が全国からモデル地域に選ばれた。ICタグはフラワーロードや市営地下鉄の駅などに取り付け。障害者や外国人らと発信情報の内容などについて検討し、一般モニターによる体験も行う。結果を踏まえ技術仕様書を策定、2006年度以降の全国展開を目指す。

開始式には国交省の佐藤信秋技監らが出席しテープカット。プロジェクト推進委員長の坂村健東京大大学院教授らが、デモンストレーションを交えて解説した。坂村さんは「神戸で実験を進め、世界の目標になる基盤をつくりたい」とあいさつした。

また、現在開発中の「ibox(アイボックス))も公開=写真)。アイボックスは、平常時には周辺地域の各種情報を提供、災害時には衛星通信機能を活用し避難場所や安否情報を提供できる。市内にも設置する。

(網麻子)


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