冬場でも安心・快適に移動できる環境づくりを目指して、県と国土交通省が進めている自律移動支援事業「ゆきナビあおもりプロジェクト」の検証試験が11日、青森市で始まった。歩行者に現在地などの情報を伝える集積回路(IC)タグ付き誘導ブロックや端末機器が積雪・凍結でどのような影響を受けるかを調べるのが目的で、今回は5月中旬までの約1カ月間、山間地でデータを計測。調査結果を基に今秋から市街地で本格的な実証試験を行う。

坂村教授(左)の指導で行われたゆきナビのデモンストレーション
自律移動支援は、ICタグを歩道や標識などに設置し、高齢者や身障者らが携帯する端末(ユビキタスコミュニケーター)と通信、場所や移動経路の情報を音声や文字で伝えることができるシステム。国が全国的な導入を目指し開発を進めている。
本県では本年度、積雪寒冷地での性能確認試験を行うことにしており、今回はその前提として同市酸ヶ湯に(1)積雪量(2)低温劣化(3)塩分(4)凍結・融解劣化─の条件別にICタグ付きブロックを設置し、機器の感度を調べる。
初日は、国交省のプロジェクト推進委員長を務める坂村健・東京大学大学院教授が酸ヶ湯での試験状況を視察したほか、柳町通りでシステムのデモンストレーションを実施。
誘導ブロックの上を歩いてきた歩行者が専用の白杖でICタグ付きブロックに触れると「この先交差点があります」などの情報が音声と文字で端末に示され、三村申吾知事ら出席者が実際に機器を手にしてシステムを体験していた。
