
つえでICタグつきブロックをつくと、左手のコミュニケーターから「横断歩道があります」といった音声が発信される
青森市の柳町通りで、点字ブロックなどにICタグを埋め込み、目の不自由な人や高齢者らを誘導する実験「ゆきナビあおもりプロジェクト」が全国に先駆け今秋から始まる。
いつでもどこでもインターネットなどの情報ネットワークに接続できる「ユビキタス社会」の実現を目指した試み。来年3月まで柳町交差点付近で県と国交省が共同で実験する。
実験に参加する高齢者らは、アンテナ代わりのつえを持ち、ICタグからの情報を「ユビキタス・コミュニケーター」という器械で受信する。器械からは、音声や映像などで「横断歩道があります」などの「道路環境情報」が流れる。
交差点近くの店舗にも協力を求め、ICタグを店先などに設置してもらい、「こんな店です」といった情報もキャッチできるようにするという。
コミュニケーターを何台用意し、誰が持つかなど実験方法は未定だが、県は「ブロックが雪で見えない冬季に実施することは、障害者を含めた安全なまちづくりにつながる」と期待している。
将来的には携帯電話が「コミュニケーター」代わりとなり、全国にシステムが広がると期待されている。
県によると、ユビキタスの開発は欧米でも盛んだが、「人の誘導」への利用を考えているのは日本だけという。国内でも、これまでに本格的な実証実験試験は神戸市などでしか実施されておらず、それに次ぐ取り組みとなる。
【小山由宇】
