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朝日新聞 2005年4月12日より転載

障害者・高齢者 冬道も安全に

ICタグで道案内

青森で実験


三村知事(右端)にICタグの説明をする坂村教授(右から2人目)

道路や電柱に取り付けたICタグを使い、音声や映像を通じて道路情報やイベントを紹介する「ゆきナビあおもりプロジェクト」の実験が11日、青森市内で始まった。県と国土交通省との共同事業で、成功すれば、目的地の方向や歩道までの距離を伝えてくれるという。10年後の実用化を目指して秋ごろから本格的な実験を始める。

プロジェクトは、障害者や高齢者が冬道でも安全に歩けるようにすることが狙いの中心。県によると、青森市の年間平均降雪日数は64日。冬場は歩道にも雪が積もり、車道と区別がつかなくなることも多い。雪が多い地帯でのプロジェクトは青森県が全国初になるという。

道路の点字ブロックなどにICタグを埋め込み、専用の機械で読み取ると、機械が「この先に交差点があります」「横断歩道を渡りました」といった案内をする。

県は、まだ雪が深い酸ヶ湯でICタグが雪や低温に耐えられるかどうかを1カ月間にわたり調べる。

11日、柳町通りであったデモンストレーションでは、国土交通省が進めるプロジェクト推進委員会委員長の坂村健・東京大学院教授が「青森が先陣を切って始めるプロジェクトを全国に広げていきたい」とあいさつ。視覚障害者が持つ白いつえの先に取り付けられた機械が情報を読み取る仕組みを説明した。

県情報システム課によると、プロジェクトに県は今年度1500万円の予算を計上した。


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