第10回チャレンジド・ジャパン・フォーラム(CJF)2005国際会議 in HYOGO/KOBE

資料

米国防総省コンピュータ・電子調整プログラム
(Department of Defense Computer/Electronic Accommodations Program: CAP)

概要紹介

このプログラムは、1990年に米国防総省の健康管理活動の一環として、向こう5年で1,070万ドルの予算で開設されたもので、その任務、目的は、1.連邦法に従い、国防省内の障害のある就労者に対して、公平にアクセスできる情報環境と機会を保障するための支援技術や調整(適応化)サービスを提供すること。2.国防総省並びに連邦関係省庁での障害者雇用とその維持をサポートすること。3.公共のアクセシビリティ向上のための各種国防総省プログラムとその活動を支援することなどである。つまり、最高の科学技術を駆使して、最重度のチャレンジドもが政府職員や企業リーダーとして活躍できる米国を生み出すことを目的とする組織である。ブッシュ政権となってから、その予算は倍増されている。

ダイナー・コーエン(Dinah F. B. Cohen)氏を理事長とし、開設以来、省内の30,000件以上のサービス要求に応えてきた。

CAPとプロップの関わり

1999年10月にプロップ理事長:竹中ナミ(ナミねぇ)は、労働省(当時)の委員としてアメリカへ2週間の視察に出掛け、シアトルでの「国際テレワーク会議」で行われた分科会「チャレンジド・テレワーク」に参加した際、講師であった米国防総省CAPのダイナー・コーエン理事長に出会った。

ナミねぇは、「すべての国民が誇りを持って生きられるようにすること。それが国防の第一歩です」という彼女の言葉に感銘を受け、帰国後もメール交換しながら交友を深め、2000年8月のプロップのチャレンジド・ジャパン・フォーラム(CJF)への来日・出演を要請した。

その後、米国防総省CAPを訪問し、ダイナーさんに直接会見。その後のメールによる打合せによりダイナーさんの来日、CJFへの出演が実現した。

ダイナー・コーエンさんは、2000年8月、CJF東京大会での出演に続き、2003年8月のCJF千葉大会には、米国防総省から、インターネットを通じて特別講演者として参加。本年(2005年)3月には、ホノルルで開催された「チャレンジドの国際会議」においてナミねぇと再会、今年のCJFの打合せを行った。

今年も、ダイナーさんの講演から、チャレンジドの社会進出とユニバーサル・ソサエティの実現を進めるアメリカの「今」を知り、CJFが「ユニバーサル」という共通テーマにおいて日米の良き架け橋となるとともに、アジア各国と連携してこの理念を推進して行く契機となることを願うものである。
# 現地サイト http://www.tricare.osd.mil/cap/

サイトコンテンツ:「調整サービス」では、個々の要求に対する評価と、各障害に応じて提供される支援技術が列挙されており、「イニシャティブズ」ではCAPの参加する省内の先導的プログラムが紹介されている。「CAPTEC」は支援技術評価センターのことで、米国防総省の一室に各障害者のためのワークステーションを設置し、そこで実際の支援技術などが体験できたり、また、そのためのイベントが頻繁に行われている。「リソース」は関連サイトへのリンク集であり、「ニュース」では、CAPについてのニュースの他、広報、障害者のための各種イベントのお知らせ、CAPが作成した文書などがある。その他、「連絡先」「要求申込書」「フィードバック」「サイトマップ」「検索ページ」の各項目で構成されている。
# プロップによる和訳サイト http://www.prop.or.jp/heart/cap/index.html

Michael A. Winter 氏
連邦公共交通局(Federal Transit Administration)市民権室長

現在の職務内容

連邦公共交通局(FTA)は米国運輸省の局の一つであり、連邦政府はFTAを通じて新しい交通システムを推進、維持、管理するための財政的支援等を行っている。

市民権室は、FTAの室の一つであり、市民権や機会の平等に対するイニシアティブをFTAの支援措置を通じて実施するほか、FTAに寄せられる苦情を調査したり、事前相談に応じることにより、障害を持つアメリカ人法(ADA法)の適合・実施状況を監督している。

Michael Winter氏は2001年11月5日より当該部署の責任者として職務に当たっている。

現在までの著書・功績等

交通問題及び市民権双方に精通した専門家として、以下のとおり、障害をもつ人がアメリカ社会において差別のないアクセスを得られるよう、公共交通について改善を進めている。

CJF参加への背景

ウインター氏自身が車いすを使用するチャレンジドであり、また奥様が日本人であることから、日本との親交が大変深い親日家であるとともに、日本のバリアフリー政策に多大な関心を寄せている。

※ADA法/Americans with Disabilities Act:障害をもつアメリカ人法
公共交通について公的事業者及び民間事業者のバリアフリー化義務を含む、雇用、公共サービス、電気通信等幅広い分野における障害に基づく差別の明確かつ包括的な禁止を確立するための法律。
つまり、チャレンジドがタックスペイアとなるための機会を阻害する、全ての差別を禁ずる法律である。
米国障害者自立生活運動の最初のリーダーであり「自立生活運動の父」と呼ばれるエド・ロバーツ氏は、ポリオ後遺症によって電動車いすに乗り、夜間は人工呼吸器(ベンチレータ)が必要なチャレンジドであったが、自立運動発祥の地カリフォルニア州の「リハビリ局長」として活躍。「私たちはタックスペイヤーに成れる!」が、彼のスローガンであった。1995年死去。

スポーンタム モンコンサワディ さん
タイ国パタヤ市 レデンプトリスト障害者職業訓練学校長

基本情報

姓名: スポンタム モンコンサワディ (Sporntum Monkolsawadi)
年齢: 38歳
婚姻: 既婚
国籍: タイ王国
住所: 440 Moo 9 Tambon Nongprue Ambhur Banglamung Chonburi 20260
勤務先:

レデンプトリスト障害者職業訓練学校

Box 1, Pattaya City, Chonburi 20260

Tel: 038 716 247-9 ext. 8000
Fax: 038 716 542-3

Email:

suporntum@rvsd.ac.th

smongkol@loxinfo.co.th

教育歴

2004 タイ王国バンコクチュラロンコン大学マスターオブアーツ(政治経済学)
2000 バンコクフワチェウ チャレンパキアット大学社会福祉マスター(社会福祉事業管理)
1994 バンコクラムカムハエン大学経営管理学(アカウンティング)学士号
1989 パタヤ市レデンプトリスト障害者職業訓練学校にてコンピュータプログラミング専門訓練課程習得

職業歴

2004 - 現在: 労働安全保障顧問(スラキアットサティラタイ閣下)
2000 - 現在: 首相直属障害問題審議会委員(タクシン シナワトラ閣下)
1999 - 現在: パタヤ市レデンプトリスト障害者職業訓練学校長
現職: レデンプトリスト障害者財団事務局長
タイ王国アジア車椅子友好協会委員
タイ王国障害者協議会顧問
タイ王国障害者スポーツ振興協会顧問 他
タイ王国車椅子テニス倶楽部創始者
タイ王国車椅子バスケットボール倶楽部創始者
タイ王国車椅子競争協会創始者 等