<ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム>

ナミねぇより主催者挨拶

司会 それでは、ただ今より「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」を開会いたします。開会に先立ち、主催者を代表し、社会福祉法人プロップ・ステーション理事長、竹中ナミよりご挨拶を申し上げます。竹中理事長、よろしくお願いいたします。

ナミねぇ どうも皆さん、こんばんは。本日は大変お忙しい中、また春雨ではありますが、小雨もそぼ降る中、こんなにたくさんの皆さんに「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」にお越しいただきまして、心より感謝いたします。本当にありがとうございます。

[写真]挨拶するナミねぇ

 プロップ・ステーションは、どんなに障害があっても、その人の持てる力を生かして社会で活躍できるような、そんな日本にしたい、そんな日本が元気な国なのだということで、永年、17年になりますが、活動を続けてきました。その中で私が出会った、感銘を受けた友人がたくさんおりますが、とりわけ今日お招きいたしました米国防総省のダイナー・コーエンさんの素晴らしい活動、そして素晴らしい思いを、今日は一人でもたくさんの方に知っていただきたく、このような会を開催させていただきました。

 国防総省の中で、CAPという組織で、ダイナー・コーエンさんという女性のリーダーが率いて、どんなに重度の方もその国の最高の科学技術を駆使し、その人の力を社会に発揮し、政府官僚のリーダーになったり、企業の優秀な働き手になったりという活動が、実はCAPの中で行われているということを知ったときは、非常に驚きました。「なぜ国防総省でそんなことをしているのですか」と、私は彼女に聞いたのです。実は英語は話せないのですが、通訳してくださる方に聞いていただいたのです。そうすると、彼女がすっと背筋を伸ばして、「すべての国民が誇りを持って生きられるようにすることが国防の一歩でしょう」と言われたのです。

 私たちがやってきた活動も、決して「障害者がかわいそうだから何とかしてあげよう」というようなことではなくて、その人たちに力があるのに眠らせている国、その人たちに社会に貢献したいという思いがあるのに、それを達成できない国というのは残念な国だな、だから何とかしたい、一人一人が誇りを持てるような日本になってほしいと思って、プロップを生み出したのですが、ダイナー・コーエンさんからその一言を聞いたときに、あらためて、こういう人とご一緒に、あるいはたくさんの仲間の輪を広げて、ユニバーサル社会を自分たちはつくっていくのだという決意を固めました。

[写真]

 実はプロップでもたくさんの重い障害のある仲間たち、私たちは障害のマイナスの部分ではなくて、その人の可能性に着目した「チャレンジド」という新しい言葉を使わせていただいておりますが、たくさんのチャレンジドがプロップで学び、活躍をしています。今日皆さんのお手元の資料の中に、かわいらしい絵はがきが何枚か入っています。実はこれはくぼりえさんという、プロップで長年グラフィックを勉強され、なおかつ子供のときから夢であった絵本作家になられたという難病の女性が描いたものです。今、うしろで拡大して映しておりますので、ぜひ見てください。

くぼりえさん 絵葉書のご紹介

今日会場に彼女も来ておりますので、せっかくですから、ちょっとご紹介したいと思います。くぼりえさん、後を向けますか。お母さんと介助の方といらっしゃっていますが、少しだけ動けますか。一番前にいらっしゃって(拍手)。せっかくですので、今日お集まりの皆さんにりえさんから、一言でいいので思いを述べてください。

[写真]くぼりえ さん

くぼ はじめまして。くぼりえです。24時間介護してもらわないと生活できないような重度障害者ですが、プロップ・ステーションを通じて、いろいろな絵を描いてお仕事をさせていただいています。これからもよろしくお願いします(拍手)。

ナミねぇ ありがとうございます。今のは彼女からの営業トークと思ってください。プロップは誤解を招くかもしれませんが、「補助金は要らないから仕事をくれ」というのをキャッチフレーズにしていて、「チャレンジドをタックスペイヤーにできる日本」という、非常に過激なといいますか、刺激的なキャッチフレーズを掲げさせていただいております。でも、これは、誇りを持って生きていきたいということとイコールなのだと皆さんご理解いただいて、ぜひ彼女、あるいは彼女のような人たちにたくさんのお仕事を与えていただければと思います。

 ということで、今日はダイナー・コーエンさんのお話、それからユニバーサル社会をつくっていこうということで、各界でご活躍の皆さんたちのパネルも含めて、今日の会、最後までしっかりとその場所で、いろいろなお話に耳を傾けていただければうれしく思います。最後までどうぞよろしくお願いいたします(拍手)。

 

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ナミねぇより主催者挨拶 (05:40)

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