神戸新聞 平成21年12月1日より転載

菓子作りの技 障害者に伝授

【都内のホテル】障害者に一流パティシエが製菓技術を教える神戸発祥の取り組み「神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)in東京」の修了式が30日、東京都内のホテルであった。支援者ら約140人が集まり、受講生手作りの洋菓子やパンを味わいながら成果を祝い合った。

(永見将人)

神戸発祥の就労支援催し


報道陣に囲まれ、作品を前に胸を張る受講生(中央) =東京都目黒区

KSCは、障害者の就労を支援する社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区、竹中ナミ理事長)と製菓業界が協力し、1年目の昨年は神戸で開催。同様の活動を全国的に広げようと、今年は発信力の大きい東京で開いた。

知的障害や精神障害のある男女8人が受講し、オーストリア政府公認「製菓マイスター」の称号を持つモロゾフの八木淳司さん(58)ら4人がボランティアで指導した。6月から5回の講習でマドレーヌやポテトパン、木いちごのムースなどを作った。

修了式には高円宮妃久子さまも出席され、「今後の活躍を期待しています」と受講生を激励。鳩山由紀夫首相は「私も必ず皆さんのスイーツを食べさせていただく。竹中さんの考えるユニバーサル社会の実現へ頑張る」とビデオメッセージを寄せた。

最優秀賞に選ばれた菊池由香さん(27)=神奈川県=は「素材を混ぜるのが難しく何度も練習した。とても楽しかった。」と笑顔をみせていた。

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